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十夢のコロナ童話 (20)
〽むかし―むかしー浦島は
助けたカメに連れられてー
竜宮城で、飲めや歌えの楽しい宴会が毎日毎日続きました。
浦島太郎はふるさとの博多が恋しくなりました。
「乙姫しゃん、もうこげな生活飽きてしもうた。博多に帰りとうなった。どうか帰しちゃんしゃい」
乙姫様からおみやげに玉手箱をもらいました。
「良かね、じぇったいすぐ玉手箱ば開けたらいかんよ」
博多に帰ると、誰一人知った人はいません。
太郎は淋しくなって、とうとう玉手箱を開けてしまいました。
すると煙と共にコロナ菌があらわれ人々に移していきました。
太郎が玉手箱の裏を見ると、
Made In China と書かれていました。
おしまい