十夢小噺

コロナ博多編（１２）

（夫）この頃、いちんちじゅう（一日中）家ん中ばしゅっしゅしゅっしゅ消毒ばしよろうが。

（妻）そらぁおそろしかコロナウイルスにかからんごとたい。

（夫）それは良かばってん、毎回食事がインスタントたい。チンしてハイやろ？

（妻）それがどうしたと？

（夫）たまには手料理ば食べたかねー。

（妻）あーたなんば太平楽ば言いよんしゃーと？　今は緊急事態やろ？　食べらるーだけありがたいて思わな。

（夫）ばってん、ビヨンセ（猫）とウイルスミス（犬）の食事は毎回手の込んだ料理ばい。

（妻）子供達にはしっかり体力ばつけさせて、コロナウイルスに打ち勝ってもらわないかんけんね。

（夫）んなら、ひょっとして家中しゅっしゅしゅっしゅ消毒しようとも、ビヨンセとウイルスミスの為？

（妻）そうくさ。この子達にもしもの事があったら、あたきゃ死んでも死に切れんけんね。

（夫）俺もペットになりたかぁ。