表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/81

第31話 おでん、旅に出る

マリー『おでんさん。』

おでん『マリー。』キスしようとすると拒否された。

おでん【えっ!もしかして口臭?】

マリー『そっち。』と扉の方を指さした。

おでんが振り向くと誰かいた。

おでん『………え~!ビヨンドさん。』

ビヨンド『お楽しみのところごめんなさいね。数分で終わるなら待ちますよ。』

おでん『じゃあ、終わるまで出て行ってて。』

マリー『!!!!おでんさん。そんな…短い時間はイヤです。』

ビヨンド『2人とも空気を読んでくれないかしら。普通はしないでしょ!』

おでん『………。まさか嫉妬?』

マリー『えっ、もしかしてビヨンドさんもおでんさんのこと…。』

ビヨンド『違います。私はルーク…ギルマス一筋ですから。』

マリーはホッとした。

おでん【残念、3Pならず。】

ビヨンド『服を着てください。衛兵が来ます。』

おでん『衛兵?ああ、魔神を倒したし、王様に会わないといけないか。ギルマスとムサシさんだけじゃダメだったか。面倒くさいなあ。』

ビヨンド『おでんさんを捕まえに来ます。』

おでん『えっ……WHY…なぜ?』未来視した。

おでん『もうすぐ来る!』

ビヨンド『あなたを永久幽閉するためです。理由については紙に書いてこのバッグに入れておきました。あとは冒険者カードは回収し、新しいカードを入れておきました。おでんの名を捨ててください。登録の仕方も紙に書いてありますのでそれを見て自分でしてください。そうすれば同じ預金額が使えるようにしてありますし、カード履歴から見つかる心配はありません。他にも必要なものを入れておきました。』

おでん『永久幽閉……幽閉!!!。ってそれ、俺のマジックバッグ。いつの間に???』

マリー『おでんさん、私…。』

ビヨンド『マリー、あなたは私とね。』

おでん『…マリー。』

マリー『一緒だと逃げれないわよね。』

おでん『ビヨンドさん、最後にムサシさんとギルマスも俺を捕まえる側?』

ビヨンドは首を振り『2人とも石化させられたわ。おでんさんを助けると思って。2人の力なら1週間程度で石化が解けると思うけど…ギルマスが石化寸前でおでんさんを逃がすように私に指示したのよ。あの王様許さないわ。』

あの時ギルマスはあの部屋にビヨンドが隠れていることを知らなかった。”逃がせ”

”と言ったのはビヨンドならいるかもしれないと賭けたのだった。

おでん『それだけ聞ければ十分です。ありがとう。』そう言ってからマリーにキスをして『大丈夫。逃げ切るよ。未来が視えるから。』と笑った。

おでんがこの部屋を出て行ってから数分後に衛兵がやってきた。その後、国中やその周辺地域に衛兵が駆り出されたが、おでんを見つけることはできなかった。



おでんが王都を追われてから数日後。

おでんはアーレダール王国から北東に伸びる街道から外れた河原で休憩していた。

おでん『ここまで来れば大丈夫だろう。……うん、明日までは大丈夫だ。』もちろん未来視で確認したのだ。

ステータスが見れないので未来視で体調が悪くなってきたら過去視してバランスを取るようにした。

おでん『うーん、大自然なら過去視しても気分がいいなあ。さてと、逃げるのに必死でビヨンドさんの手紙を読めなかったし、ここなら読めるな。』

王都から出ることが出来ても、未来視で衛兵が近くに来るのが分かるので、その都度移動していたため、ゆっくりすることができなかったのだ。

おでん『あ~、食べ物がこれが最後かあ。まあ、3日分入れてくれてたビヨンドさんに感謝だわ。さて、あった。これか。』

おでんは、自分がなぜ捕まえられないといけないのか分からなかった。手紙を開けて読んだ。

おでん『……えーと、おうしつには…王室ね…しられて…あっ!』風で手紙が飛んで川に落ちて流れて行った。

おでん『………文字が多すぎるんだよ。もっと簡潔に書いてくれなかったビヨンドさんが悪い。うん。』思いっきり責任転嫁した。

おでん『でも、理由が分からなくなったぞ。思い当たるのは……あ~あれかあ。』

おでんはうな垂れた。

おでん『仕方ないだろう。魔神のせいだぞ。あとでお金を払うつもりだったのに…【まあ、すっかり忘れてたけど】串焼きを無断で食べたぐらい大目に見て欲しかった。まさか無銭飲食で指名手配されるなんて…なんということだ。』おでんは盛大に勘違いをしていたがそれを知るのはずーっとあとになる。

おでん『どの世界も食い物の恨みは恐ろしいということだな。ほとぼりが冷めるまではマリーに会いに行けないか。』

おでんは、ここで思い出した。武器が無いことに。ミスリルの剣、銅の剣、短剣は壊れ、毒牙の短剣は預けたままだった。

おでん『ヤバいな。このあとどうやって魔物や盗賊と戦えばいいんだ。何かないかな。』とマジックバッグ内を探した。【ホームセンターで買った道具…入れてたかな。】と『ん?マジかあ。ビヨンドさん、優秀すぎる!愛してる!』と思わず叫んだ。バッグから取り出したのは毒牙の短剣だった。

ビヨンドはどうしてその短剣の情報を知ったのだろうか。そしていつの間に取りに行ったのだろうか。ビヨンドの能力に謎が深まるばかりだった。

おでん『麻痺付与はどうなったのかな。毒付与100%は下がったのかな。鍛冶屋に聞けなかったから実戦で試すしかないか。でも助かった。あとは、おっ、地図だ。ふむ………世界地図?これでどうしろと?国の名前が書いてあるのかな。そうだな。生活するためにはどこかの町にいかないといけないよな。どこがいいかなあ。』と毒牙の短剣を見て『そうだ。俺は、攻撃系スキルがないから強い武器と魔道具が必要だな。というわけで武器といえば鍛冶屋、鍛冶屋といえばドワーフだ。固定ダンジョンもあると言ってた気がするし、そこに決定。ドワーフの国は……えーと東の方だな。あとは何が入っているのかな…ん?なんだこれは?』

おでんは小さなガラスの瓶を取り出した。中には液体が入っているようだ。

おでん『ビヨンドさんの香水?えーと…せ…い…すい………聖水か。魔よけの!?………未来視できる俺には不要だろ。俺の知識では自分よりも弱い魔物を近づかせない仕様だったな。俺よりも弱い?……スライムにも手こずる俺よりも?言ってて悲しくなってきた。とりあえず振りかけてみるか。』

おでんはその香水を全て自分に振りかけたのだった。

おでん『これでいいだろ。次は…そう言えばこれがあったんだ。』

おでんは、ミノタウロスの変異種の死体を持っていたのだった。もちろん食べるためである。

おでん『………刃物は毒牙改め毒麻の短剣しかない。これで切り取ったらどうなる?毒付与?麻痺付与?食べたらヤバいか。まあ今は放置でいいか。そのときに考えよう。次は…おっ。』

おでんは次に新しい冒険者カードを取り出した。

おでん『登録の仕方の紙は、………これか。さすがにこれは読まないとな。えーと、ませき…魔石のことか…バッグにあった。魔石をもちながら…ゆびで…指?…かーどを………なるほど、分かった。よし!おでんという登録名よさらばだ。偽名かあ。犯罪者みたいだな。いやそもそも俺は無銭飲食の犯罪者だったわ。でもおでんも偽名みたいなもんだし、偽名上等だ。ムサシさんは宮本武蔵から、ギルマスはルーク・スカ○ウォーカーから取ったんだったな。俺もかっこいい名前にしよう。ムサシさんの宮本武蔵、なかなかいいよな…………決めた、はんぞう、服部半蔵のはんぞうにしよう。』


こうして、おでんは、名前を変えて新たな町に向かったのだった。


           ~~~第一部 おでん編 完~~~



登場人物

マリー:恋人。ギルドの受付。治癒系スキル持ち。

ムサシ:同郷の転生者。重力スキル持ち。A級(アーレダール王国との専属契約を解除したためA級になった。S級以上は、どこかの国と契約する必要があるため。)

ルーク:クヴァ―ラのギルマス。空間切断スキル持ち。A級(王国のやり方に失望するもギルドマスターとして冒険者を放置できずにそのままマスターとして残ることにした。)

ビヨンド:ギルドの受付。スキルは不明。かなり強い。ルークを好いている。

ロト:商人。

ビリー:脇役。

アーレダール王:おでんを気に入っていたが、王室を守るために幽閉命令を出した。

ナザール:魔族。今回の魔人を仕掛けた人物の一人のようだ。

バドッグ:魔族。どこかで新たな魔人を放ったみたい。


スキル名:未来視

Level :10

消費魔力:20

有効範囲:目視できる範囲の1点を中心に半径5m

使用回数:無制限

視る未来:現在から最大1日

使用時間:0秒(高速演算処理可能)

備考 :確定未来(変更不可)

部分的な切り取りOK


スキル名:過去視(派生スキル)

消費魔力:-5~-50

有効範囲:本体を中心に見える範囲内全て

使用回数:無制限

視る過去:制限無し

使用時間:同時間経過(無防備状態)


振分PP:50p

振分SP:50p

状態:正常


 従魔:タマ

 種族:不明

 能力:Level1(魔力無効化)

    Level2(対スキル無効化)

    Level3(巨大化)

    Level4(意思疎通)

 性格:開放的?(おでん似?)


次回から第2部です。01/10 18:00更新

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ