再掲:亡妻の墓参りに行った結果wwwww
過去に書いたものを置いてみました。めちゃめちゃ短いよ
そこはまるで、住んでいる世界から切り離されたような場所だった。
穏やかな風にそよいで、草花たちはせせらぐ水面のようにサラサラと揺れる。霧がかかっているのに晴れやかで、妖精の歌声がきこえてきそうな……不思議な雰囲気の丘だった。
深く息を吸うと、彼女がここで眠りたいと言った理由がわかるような気がする。
君のことを考えれば考えるほど、私はもう1人なのだと実感する。
私は忙しいから、毎日ここに来ることはできない。娘や孫の面倒も見なければならない。
けれど君は寂しがり屋だから、何日も1人でいるのはとても耐えられないだろう。
……まあ、私を置いて逝った君が「寂しい」なんて言うのも、おかしな話だと思うが。
それで、私の代わりにはならないと思うけれど……君の『はじめてのおともだち』をここに連れてくることにした。
「君が寂しくないように」
メルを頼んだよ、とラズリの頭をなでてみたが、当然返事はない。小さなうさぎのぬいぐるみと一緒に墓の前に置いたそのとき、風が突然、口笛を吹いた。
記憶の中の、窓際で裁縫をする君が笑いかける。
……ああ、そうか。この込み上げてくるのを寂しさというのか?私も歳をとったものだ。
人のことを言えないとからかわれてはたまらないので、私はそのまま丘をあとにした。
2021/02/04 22:57
これは創作の1部なのですが、いずれ書きたいです。読んでもらえてはっぴーだ