わからない
深い深い闇に囲まれて
ここがどこだかわからない
手足を伸ばしてみても
何もつかめない
何にもぶつからない
方向感覚さえつかめなくて
頭の中まで混乱してくる
ここはどこだろう
僕は誰だろう
僕?
誰の話をしてるんだっけ
これは誰の話だろう
仮の『僕』が考える
どこへ行きたいのか
この暗闇の間から
どこへ行けるのだろう
足元には地面もなくて
背中に翼もなくて
本当の闇の中では光もない
影もない
音もなく
何もない
仮の『僕』だけがここにいる
自分の目に触れる
頭に触れる
耳に
頬に
唇に
触れている手に触れる
足もある
どこにも行けずにここにある
『わからない』がここにある
名前のない自分がここにある