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第八話「旅立ち」

俺は遂に今日、世界樹から旅立とうとしていた。

成人(12歳)を迎えたのである。


「ちゃんと、魔除けの香水はつけたの?お金はもった?血の瘉液は十分?不安だったら、紅血の瘉液も持っていって良いのよ?」


「だ、大丈夫だって母さん。魔除けの香水は上級だし、お金も父さんからも貰ったから、ポーションはどこでも作れるし俺は大丈夫だよ。」


「サンドラ、私とお前の子だ。きっと大丈夫さ。」


「そうよね、御免なさい私ったら、つい、心配で。」


本当に立派になったわエディ、私は貴方を産んだ日のことを昨日のことの様に思い出せるのよ?

赤ちゃんの頃は、私達が言っている事を理解してるみたいに、笑っていて天才なんだわって喜んでいたけど。

その親バカも、貴方が3歳で図書室に入っていくのを見かけた時に確信に変わったわ。


それ以来、エミールと協力して私達の全てを教え込んだ。だって、エディったら外の世界の話を聞いてる時が一番目を輝かせるんですもの。


その時わかったの。あぁ、この子はいつの日かここを離れるだわって。もちろん寂しいし、外は危険だから貴方をここに閉じ込めてしまいたいのよ。

でもね、それをしてしまったら貴方の瞳から光が消えてしまう。


ねぇ、知ってたエディ。貴方がアカデミー入学試験に落ちてしまった時、知ってたのよわざと落ちたって。でも、それもエディの選択だから、私とエミールは何も言わなかった。


それにうちの子は、紛れもない天才だから。世界樹ですら貴方には狭いのね。


「エディ、貴方は聖なる魔力を授かった心優しい男の子。だから、泣いてる女の子がいたら助けてあげなさい。そして、孫を見せにきてね。」


「え?」


「だって、お父さんとお母さんにはもうエディが、どっかいちゃうのよ?そんなの寂しすぎて死んじゃう。だから、代わりに孫を置いていきなさい?そしたら貴方だって好きに冒険に行けるでしょ?」


「いや。」


「そうだぞ、父さんだってな。孫の顔が見たい!お前の子供ならそれはもう目に入れたって痛くないほど、かわいいだろう!こんな早く親元を離れるんだ、少しは親孝行を考えなさい。」


「は、はい。」



こうして俺は、世界樹を後にした。・・・なんて親だ。でもまぁ、俺としても女は取っ替え引っ替えする気満々だから、できちゃっても大丈夫そうだな♪


俺は、両親には教えていないスキルブックのせいで、かなりの荷物を背負っていた。



「ふぅ、これでスッキリした。アイテムBOXしか勝たん!!」


しばらくすると、小川が流れていた。それを頼りに、川下に沿って歩いていくと川の合流地が現れた。そこには、そこそこ広い河原があった。


その河原にある一際大きい岩の上に、真っ白な山犬が寝ていた。山犬は俺に気付き、唸り声をあげ始め起き上がった。その山犬は、起き上がると横幅4メートル体高1.5メートルほどもあった。


俺は迷わず、その山犬に向かって走り始める。


山犬も俺に向かって駆け出した、そして交差するその刹那。


「ギリシャ!!」


”キャぃ〜ん!バフバフッ”


俺たちは熱い抱擁を交わした。


「待っててくれたのか、ギリシャ?あはははっ、くすぐったいってば、こいつぅ〜♪」


俺とギリシャは一通り戯れると、ギリシャの背に乗り移動を始めた。



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