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第一話「誕生ー鍛錬の日々」

うわ〜なんか、エイリアンの粘液に塗れて生まれてきた感じです。

前世では、生まれてきた瞬間の事覚えていませんからね。


うっま、眩しい。そして、粘液まみれで不快です。


その気持ちが溢れ出たのか、大きな産声が世界に響いた。

この世界初めての発声である。


「サンドラ!男の子だ!!元気な男の子だ!!」

「はぁ、っつ!はぁ、あなた・・私たちの赤ちゃん。可愛い坊や。」


に、日本語だ。よく聞き取れる。まだ目は開かないけど、耳はよく聞こえる。あっぷ、あっぷどうやらお湯でサッと洗われているみたいだ。しかし、なぜ鳴き止まないんだ僕・・泣かずにはいられない。


こ、これが本能!!?


「さぁ、サンドラ。抱いてあげなさい。」

「はい、あぁなんて可愛いのでしょう。私の坊や・・。エミール、この子に名を。」


おそらく僕を母親が抱いてくれている。なんか安心する。不思議と僕の鳴き声も落ち着いた。


母、お母さん、母上、お袋、ママ、前世では一度も呼べなかった。なんて呼べばいいんだろう。


「エディルだ。意味は、森のように寛容で全てを包み込む。」


「・・エディル。エディル、エディル・・エディ。良い名ね。エディ、あなたのママですよ。これからよろしくね。」


ま、ま。そうか、ママか。


「おぎゃぁーーーー!!!(ママーーーーーー!!)」





生後一ヶ月が過ぎた。


「あー、うあー。(ママ)」

「エディ、ママですよ〜」

「パパだぞ〜」


俺のお目目もぱっちりと開いた。そして俺は幸せいっぱいだった。

今世は、親父もいるしお袋もいる。だから、本気で生まれ変わることにした。もやしは卒業して、人生を謳歌しようと決意したのがこの一ヶ月だった。


この一ヶ月で色々わかったことがある。

まず俺のお袋は、サンドラ。ビビるほど美人だ。顔立ちなんかは、ヨーロッパの白人さんでめちゃ巨乳。この一ヶ月で、そのおっぱいを吸っている俺が言うのだから、間違いない。一際目を引くのが、髪の色が緑だ。俺も緑色の髪かもしれない。


そんで親父だが、エミール。破格の貴公子だ。ハリウッド俳優なれるね間違いなく。俺が女だったら、簡単に股を開くレベル。背は高いし、細マッチョだし、何より漂う品格がすごい。髪の色は、明るい黄緑色でまぁ豊かな毛髪で、センター分けしている。


こんな二人の息子なんだ。もぅ、もやしとは言わせない!!へへっ。やべ陰が漏れ出る。




生後、半年ーーー


はいはいが出来るようになった。ようやく手にした機動力で俺は家中を探索したんだが・・

めちゃくちゃ広い!!!!!特に縦に!!

どう言うことかというと、この家はなんとツリーハウスなのだ。

ツリーハウスといっても、木の上にちょこんと乗っている秘密基地的なものではない。


俺も最初は信じられなかったんだが、頑張って想像してみてほしい。

まず、体高300メートル、直径100メートルの大木を想像して欲しい。無理なのはわかっている。

けれでも、これが真実だ。俺はその大木の中で生活している。この大木は、皆んなから世界樹と呼ばれている。


ザ・ファンタジー☆


しかも、その大木の中に村が存在している。ざっくり言うと100階層ぐらいに区切られていて、一階ごとに家族が住んでいる。階層ごとに、村での役職があって例えば一階は、門番の家系だ。まぁこんな感じで、この村は回っていた。ちなみにウチは、医者の家系だった。親父が医者で、母親が薬草師と言う具合だった。


この大木の移動手段は、エレベーターである。でも一応階段もあった。エレベーターは、各自が持っているカードキーがないと目的の階層には止まらない。誰かを招待したいときは、世界樹に張り巡らせた管に招待用のカードキーを入れて、配送する。あと、小物なんかは全部”シュコンッッ”って飛んでいった。

まるで、ジブリの世界だった。


まぁそんなわけで、ハイハイだけで階段を使って行けるとこまで行ったりした。


「あれ、エミールんとこのガキじゃねぇか?」

「だぶっ」


「あら、ほんとだわ!なんでこんな所にいるのかしら?」

「あぶっ」


「エディ!!お前はまた一人でこんなとこまできて!!」

「ばぶっ」


「階段から落ちたらどうするの??」

「あだっ」


と言う具合に、俺の神出鬼没情報は、ちょっとした騒ぎになった。そのせいで、両親からはこってり怒られうちの階段入り口には、それはもう厳重な鉄扉がついてしまった。


こうなっては仕方ないので、俺の成長を待とうと思う。

ひとつわかったことがある。俺の体はそれはもう丈夫で、体力が凄いことだ。普通に考えて、生後半年の赤ちゃんが階段でいろんな階層を行ったり来たり出来ない。もちろん、今世で何か武術を習ったりするつもりはない。あくまで、スローライフを過ごすつもりだ。


しかしながら、もやしと呼ばれる事だけはないと確信した!それに、健康なことはいい事だ。









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