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第45話「内に潜む悪意」

 コリンティアの実態を知ったモルガンたちはある危機感を覚える。


 今や王都部隊を統率する立場となったコリンティアのメンバーたちが王都部隊の中から足を引っ張ったと思われるものに手を出すのではないかと。


「明日には私の謹慎が解ける。今日はもう帰れ」


 モルガンは聖剣を鞘に納めながらアルカディアのメンバーたちに言った。


「王都部隊に戻れるんだよね?」

「ああ、隊長には戻れないだろうがな」


 モルガンは自分が戻った後はコリンティアの面々の思うままにこき使われる事が目に見えていた。だが彼女に恐れはなかった。


「明日にはアジトへ戻ってこいよ」


 オブシディがそう言い残すと、そこにはモルガン1人となった。彼女は星々が輝く夜空を見上げながら笑みを浮かべ、ルビアンの事を思い出すのだった。


 その頃、ルビアンは探索水晶を頼りにブラッドパールを探している。


 探索水晶の反応が段々と強くなっていく。ルビアンが最終的に辿り着いたのは喫茶雲母の隣にある一軒家の裏側にある倉庫だった。


 ――ここか。でもホントにこんなとこにあんのか?


 ルビアンはブラッドパールが王都の中にある事自体を疑問に思った。彼は探索水晶をしまい込むと、倉庫の扉を恐る恐ると開ける。


「!」


 ルビアンが光の魔法を使い、丸く黄色く光る明かりをつけ、倉庫の中にある木箱を開けると、そこにはたくさんのブラッドパールが保管されており、ルビアンはジルコニア人の誰かが王都を混乱に陥れている事を確信する。


 なるほどな、誰かがブラッドパールをここから持ち出してモンスターに装着していたんだ。


 ルビアンはしばらくの間、光の魔法を解除してからここで待つ事に。


 夜中になるとルビアンは眠気との戦いが始まる。ガーネたちには遅くなるかもしれないと言っていたが、長期戦になる事は予想だにしていなかった。


「!」


 ルビアンは何者かの足音を察知すると、気配を隠し息を殺しながら入ってくる人物を見守った。入ってきた怪しい人物は灰色のローブに身をまとっている。木箱を開ける音がした後、少し間が置かれたところで何者かが出ていった。


 怪しい人物は王都の南門から出ると森の中へと入る。


 そこには野生のビッグコングが眠っており、目の前に怪しい人物がいるにもかかわらずスヤスヤと眠っている。


 ビッグコングは真っ黒で毛深く筋肉質のボディを持つ巨大なゴリラのような外見のモンスターであり、森に住む他のモンスターたちと仲良く住み分けをしている。


「今度はこいつの番だ」


 怪しい人物がブラッドパールを持ち、ビッグコングの額にまで持って行ったその時――。


「今度はそいつを暴れさせるのか?」

「! ルビアン! どうしてここに?」

「そりゃこっちの台詞だよ。まさかお前が犯人だったとはな」


 怪しい人物がローブの帽子部分を。正体は香だった。ルビアンの意外な登場に驚きながらも警戒の目で彼を見つめている。


「何でこんな事をしてるんだ?」

「……全ては……御影様のため」


 香は鋭い眼光をルビアンに向けながら空気が凍るような声で身の上話をする。


「もしかして、花崗御影の事か?」

「ええ。私は御影様の懐刀としてずっとあの方に仕えてきました。かつて私が住んでいた金剛島はアモルファス軍によって奪われ、私は両親と家を失った。孤児となって荒廃した街をさまよっていた私を、御影様は助けてくださったのです」

「じゃあ俺を襲ってきたフェンリルもお前の仕業か?」

「そうです。もうお気づきかと思われますが、全ては時間稼ぎだったのですよ。今王都部隊に金剛島を攻められては困るので」

「お前そんなにペラペラ話しても良いのかよ」

「ええ、構いません。あなたにはここで死んでもらいますから」


 ルビアンは殺気を感じた。すると、香が思わぬスピードで突っ込んでくる。


「ガハッ!」


 ルビアンが香の刀に直撃して腹部を切り裂かれる。


 香が離れるとルビアンがその場へ倒れ込む。そこにもう1人灰色のローブを着た人物が現れる。正体は鉱次だった。


「始末し終わったか?」

「ええ、予定より少し遅れましたけど、今度はあのビッグコングで試そうかと――」

「そういうわけにはいかねえな」

「「!」」


 さっきまで倒れていたルビアンが平然とした顔で立ち上がった。


 刺された箇所の傷はすっかり癒えていた。


「お前、何故平気でいられる?」


 鉱次が驚いた顔でルビアンに尋ねる。


「お前ら、瞬間回復って知ってるか?」

「瞬間回復だとっ! それは伝説の回復担当(ヒーラー)にしか使いこなせない秘伝の回復魔法のはずだぞっ! 何故それをお前が使える!?」

「知らねえよ。昔いたパーティの連中と一緒に遠征してたらいつの間にかできちまってたんだよ。でも魔力を消費するから一度に何度も使えるわけじゃねえし、そもそもダメージを受けるのが前提だからあんまり使いたくねえんだけどな」

「どうやらただ者ではなさそうですね。殺りますよ、方鉛」

「ああ、こっちは2人だ。1人で俺たち2人には勝てねえよなぁ」


 まずい――確かにあいつらの言う通りだ。


 このままじゃいくら回復したところで、いずれ魔力に限界がきて殺される。逃げるか? いや、ここで逃げたらまたモンスターが暴れちまう。どうすりゃ良いんだ?


 攻撃力が低く回復魔法ばかりが充実しているルビアン1人では限界があった。迷いが生じたルビアンの元へ2人が迫ってくる。


「おやおや、2対1とは随分と卑怯だな。面白そうだ。あたしも混ぜてくれ」

「「「!」」」


 何者かが現れルビアンに加勢する事を宣言すると、ルビアンを庇うように彼の前へと立ち剣を構えた。3人共何故ここに来たのかと思いながらも戸惑っている。


 ルビアンは立ち上がり、共に2人に立ち向かう事を決意する。

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