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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第85話 100点をあげましょう

 いい感じの平原にやってきた。ユウツオから北東側に位置しており、背の低い草が見渡す限り続いているが、地平線は見えず東側の先は白く霞んでよく見えない。南側は森がかろうじて見えていて、北側は遠くまで山脈が続いていて、西側は、もちろんユウツオだ。

 不思議な事に所々にポツンと木が4、5本まとまって生えている場所がある。


 ロナウ達は、休みの日に許可をもらって、ここで木の上にいる猿っぽい獣を相手に狩りしているんだとか。


「それで、何をするんだ? 狩りよりも、つまんねー事じゃねーよなぁ?」

「チャイラちゃーん。そんな言い方良くない。タツキちゃんが主に話してくれたから、皆で一緒に休みがもらえたんだから! 皆が同じに日に休みって、年の初めだけだよ」

「そうよ。アタイはタツキちゃんに感謝してるぅ~。イアルフは?」

「私もありがたいと思ってます」

「はんっ。なんだよ。皆してタツキ、タツキってさぁ! 人族と仲良くできるかよ」


 このチャイラって奴は、初対面時の事を、まだ根に持ってるみたいだな。

 俺の勘違いもあったし、俺はもう気にしてないんだけどなぁ。


 さて、コレが楽しいかどうかは、分からないが、もしかしたら失礼になるかもしれん。ロナウ達の見た目で、もうどうしてもやりたくなって、ノアに聞いて作ってみたんだが……


「コレを使って遊ぼうと思うんだが、どうだろうか?」


 俺が肩掛け鞄から取り出したのは、木製の丸くて薄い物だ。しかし、ただの丸い板では無い。ちゃんと風に乗るように加工してある。

 そう、コレは木製フライングディスクだ!


「何ソレぇ? 的にしてぇ、蹴って折るとかぁ?」

「違うな。タツキ兄の事だ、もっと頭を使う遊びに違いない」

「ウルシュは、タツキちゃんと、戯れ合いたいんだけどなぁ~」


 実は結構前に1号機は完成してたんだが、ドラグマン・レッドの仮面になって、その後、廃棄してしまった。


「コレの遊び方を説明したいんだが、実演した方が分かりやすいと意見をもらったので、ノアさんがやってくれます。よく見てて下さい」


 俺は木製フライングディスクをノアの目の前でヒラヒラさせる。そして、ノアの頭をポンポンと撫でる。犬じゃないノアに、ここまでやる必要あるのか疑問だが、このデモンストレーションを要望してきたのはノアだ。

 よく分からんが、言われた通りにやるしかない。


 胸の内側に巻き込むように構えて、腕を伸ばして回転がかかるように、投げる。いい感じに空中を滑るように進んでいく。


 俺が投げた数秒後にノアは走り出した。角度を空に向かって投げたので高さを保ったまま距離を稼いでいたが、スピードが落ちて少し高度が下がってきた所で、ノアはスピードアップして追いつき、大ジャンプをした。

 2メートルぐらい跳んで、綺麗に空中でキャッチ。遠くてよく見えないが、そのシルエットからすると、わざわざ口で噛んで捕まえたみたいだ。そして、そのままダッシュで戻ってきた。


 やっぱり口に咥えた状態だ。そこまでやるか? 人間同士でやる時って、普通に手で掴むんじゃなかったっけ?


 とりあえず、ノアの咥えたフライングディスクを受け取って、頭を撫でてやる。目を閉じて頭を振る仕草は、犬っぽくて、めっちゃカワイイ。


「こんな感じなんだけど」

「なーんだ。簡単じゃねーか。つまんなさそーな遊びだな」

「以外と難しいんだぞ? なら、チャイラやってみるか? ちゃんとノアみたいに出来るかな?」

「おうよ。やってやる! ほら、投げてみな」


 俺はフライングディスクを空に向かって思いっきり投げた。

 同時にチャイラは走り始めて、高度が下がり始めたところで、ジャンプし、手を伸ばしてキャッチした。そして、怠そうに歩いて戻ってきた。


「ほらよ。簡単じゃねーか」

「30点!」


 左手でディスクをぶん取り、右手でビンタをしながらノアが吐き捨てた。


「いって! 何するんだよ」

「私の実演を見てなかったのですか? 手で取ってはダメです。犬っころが! 口で咥えて持ってきなさい!」

「な、なんだと!」


 ノア。わざわざ怒らせるなよ。


「よし! 次は俺だ。俺にやらせてくれ!」

「よーし。ロナウいくぞー」


 再度フライングディスクを空へと投げる。ロナウは動かない。だか、フライングディスクが高度を少し落とた途端にロケットスタート。

 四足状態の猛スピードで追いつくと、走りながら上手く口でディスクを咥えたようだ。そのまま四足状態で帰ってきた。


 ノアの前で立ち上がって、咥えた物を差し出す。何故かノアが回収係のルールになってる。


「ノアの姉御どうだ?」

「65点!」

「なっ! どうして?」

「空中で咥えるのが美しいのです。まぁ、悪くは無かったですよ」


 採点係もやるのか。


「俺もやってみたい。いいか?」


 以外! カムロはノアと組手したい。とか言い出すと思ってた。

 俺はアイコンタクトだけして、フライングディスクを投げた。ちょっと失敗して高くなりすぎて、垂直に近い角度で飛んでいく。最高到達点に達して落ちてくると、カムロは走り出して6メートルぐらい離れた所で止まり、かがんで空を見上げて待機している。

 タイミングを見計らってノアよりも大ジャンプし、口大きく開けてフライングディスクをしっかりと…… 噛み砕いた。

 着地すると、バラバラになった木片を拾ってノアの前に持ってきた。


「0点!」

「あっはっはっはっ! だっせぇ! カムロってば、ぜんぜんなってねーじゃん!」

「ちょっと! カムロちゃん、どうしてくれるのさ! せっかくタツキちゃんが作ってくれたのに、ウルシュ達はまだ遊んでないんだけどー?」

「待て! みんな落ち着いて。まだあるから大丈夫」


 犬と犬獣人は違うからな。こんな事もあるだろうと10枚作ったので、あと8枚ある。


「マスター、私がもう一度見本を見せましょうか?」

「いや、普通に口で説明しろよ。というかルールとかねぇーよ。適当に楽しめれば、それでいい」

「大丈夫よタツキちゃん! 私は分かってるから! 投げて、投げて」


 ウルシュが凄いやる気を出してるので、さっきのような失敗をしないようしっかりと構えて投げる。この5投の内、1番のいい感じで投げれた。


 驚いた事にウルシュは有言実行をしてみせた。

 走り出すまでの待機時間、キメに行くスパートをかけるタイミング、跳び方に完璧な口でのキャッチ、着地と同時にすぐに切り返して戻ってくるなど、ノアの見本と同じように全て綺麗にこなしてみせた。


「100点をあげましょう」

「やった! 姉御ちゃんから100点を貰ったよ~」

「ちなみに、私は空中で回転しながら咥えられますよ」


 何を張り合っているんだ、お前は!


「そんな、やり方もあるんだ。タツキちゃん投げて、アタシも回転するから!」

「ちょっとぉ~。ウルテフは、まだ、やってないんですけどぉ!」

「私もやりたいです」

「よーし! なら、3枚連続で投げるからな。いくぞー!」


 思ってたよりも好評みたいで良かった。


 ただ、真っすぐ飛ぶ円盤を口で捕まえるだけでは、つまらないと思って、カーブをかけてみたり、低めに投げてみたり、障害物になりそうな木のスレスレを狙って飛ばしたりしてみた。

 皆、ノリノリで走り回ってくれて、俺は大型犬と遊んでるみたいで、すごく癒された。


 なんだかんが、文句を言いながらもチャイラも一緒に楽しんでたし。


 それから日が暮れるまでフライングディスクを投げたり、途中ノアに投手を変わってもらって、俺は草原で寝転んだり、と思ったら犬っ娘達に戯れられたりと、ゆったりとした休みを満喫する事ができた。


 そして、やっぱりカムロとロナウは、途中でノアと激しい組手をやったりしていた。以外だったのは、ウルシュも参加して、かなり良い動きをしていた事だ。

 帰りに知ったんだが、この6人ではウルシュが1番戦闘能力が高いらしく、次にカムロ、そしてロナウ、イアルフ、チャイラ、ウルテフとなるそうだ。


 ちなみに、フライングディスクは全てコウにプレゼントした。遊び方はロナウ達から聞いてくれと言ったので、人間と奴隷獣人との関係がもっと良好なものになる事を願う。

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