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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第76話 明日から頑張るぞー

「うーん。まずは、やっぱり、魔法国家エルデ・ミデリオとの戦いが大事だね! あの一夜戦争は、大魔女サヤ様も後に後悔していたみたいだし、自分を制御出来ずに癇癪で滅ぼしてしまったと言ってて。どーしても自分の意見を押し通したかった、相手の考えなど聞く価値もなかった、ゆえに〈我儘戦争〉であった。なんて言い残しているんだ」


 癇癪で1つの国を滅ぼしたのかよ! ヤバイ人だな。本当に神の使いなのか?


「これは世の中には知られてないんだけど、魔法国家エルデ・ミデリオ滅亡の一夜戦争を〈第零次我儘戦争〉って呼ぶんだよ。そこから由来して大魔女サヤ様が先導した最初の龍人(リュート)との大規模な戦いを〈第一次我儘戦争〉って呼ぶようになったんだ。2回目の戦いは龍人(リュート)が先に起こしたけど、それも〈第二次我儘戦争〉って呼ぶよね。最後の大規模交戦は〈第三次我儘戦争〉と呼ばれてる。この3つの戦争は有名だし、ギルド学の歴史の授業で習ったでしょ?」

「そうだったな。変な名前がついてると思ったけど、最初の戦いの理由が我儘だったからなのか」

「シェンユさん、サヤ様は我儘な方だったんですか?」


 ノアはサヤ様の性格って知らないのか。


「どうだろう? 我儘かは分からないけど、激情的だったと伝わっているよ。どんな事にも一生懸命に取り組んで、相手が悪いと思った時は絶対に引かなかったって。対立した時は実力行使もしたんだって」


 ジャイアンだな。


「でも、勘違いしないでね。きっと、とっても優しくて情に厚い人だったんだよ。誰にでも真剣にぶつかって、話し合いも出来るけど、拳で語り合ったりも出来る人だったと思う。第零次我儘戦争した理由も、人族を魔法の力で助けよう、龍人(リュート)の支配から人間を守ってあげようって、魔法国家エルデ・ミデリオに提案して断られたから。と言い伝えが残っているんだ」


 サヤ様は本来、神からこの世界の調査を指示されて転移してきたハズだ。なのに人族を救う為に戦争をしたり、脅威への対処法を教えたり、戦う為の魔闘気を開発したりしている。

 自分の役目では無いのに、メリットも無かっただろうに。人を助ける為に尽力して命を落とすとは、ヒーローだぜ! 尊敬に値する。本当に好きになってきた。


 だとしても


「断られたからって滅ぼすのは、やり過ぎだよな」

「詳しい事は残って無いんだけど、1年ぐらい話し合いをしてたらしいよ。必死に説得したんじゃないかな? それでも無下にされて怒っちゃったんじゃない?」

「怒らすと、とっても怖い人だったのか」

「そうかもね。でもさ。さっきも言ったけど優しさも、ちゃんと持ち合わせていたんだよ。だからオイラは生きているんだ」

「んっ? どういう事?」

「魔法国家エルデ・ミデリオの魔女族には生き残りが数名いたんだ。大魔女サヤ様の考えに賛同して、特別な秘術を貰って、忠誠を誓い共に世界と戦う決意をした人達がいたんだよ。それが、オイラの最初の御先祖様、一族の始まりなのさ」


 なるほど。それで大魔女サヤの弟子の一族なのか。

 ノアの情報によると、サヤ様は弟子のつもりじゃなかったんだろうな。でも生き残り達は、その強大な力を目にして、弟子になろうと思ったのかもな。


 それからシェンユは淡々と一族の歴史について、口伝や書物などで残っていて、知っている事を話してくれた。


 新世歴242年頃に魔法国家エルデ・ミデリオは滅亡したらしい。生き残り達は、1年ほどユウツオで大魔女サヤに再会する事を望んで生活をしていたら、出会う事ができ、同じ道を歩む事を決意したそうだ。

 それから、かつて魔法国家エルデ・ミデリオの国境警備施設だった、この円柱地形の頂上に村を作り暮らし始めたとの事。


 一族には掟があり、繁栄してもかまわないが人口が増えすぎてはいけない。一族以外との関りは最低限とする。一族全員が強さを求める。8人の最強な戦士を育て秘術を継承し術を使いこなさないといけない。

 などがあり全ては大魔女サヤと共に戦う為の掟だそうだ。


 新世歴705年。第一次儘大戦が開戦となる。これは龍人(リュート)の支配から開放されようと大魔女サヤ様が人族をまとめあげ、人族側から宣戦布告をした出来事でギルド学でもしっかりと習う。

 この時に、大魔女サヤ様の直属の戦力として、一族の8人の戦士が共に戦ったそうだ。

 龍人(リュート)の圧倒的な強さに人族は劣勢で、一族の8人の戦士も秘術を継承し代変わりをしながら、100年もの間、戦争を戦い抜いたらしく、新世歴810年に人族最高戦力の英雄ジークが現れて、終戦を迎える事となった。


 終戦後に大魔女サヤ様は、いつか起こる次の大きな戦いに備えて、魔法などの研究をすると言い残し姿を消したが、一族も共に戦う為、戦いに備えて、掟に従う日々を送る事とした。


 新世歴852年ごろに村を訪れた大魔女サヤ様は、繁栄した一族を8つに分け、世界の主要国に新たな隠れ村を作り、人族の戦力として次の戦いに備えるように指示して、また姿を消したとの事。 


 新世歴938年に第二次儘大戦が始まる。この戦争は前の戦争で失った繁栄を取り戻し、戦力を整えた龍人(リュート)側から宣戦布告があり、人族の世界であるこのエデンを戦場として一気に攻め込まれる。この時に大魔女サヤ様は参戦しなかったそうだが、一族は人族の為に戦ったそうだ。

 準備をしていた龍人(リュート)軍は強く、たった10年ほどで3つの国を滅ぼされ、人族滅亡まで長くはない、まで追い込まれた。

 だが戦争開始から12年目の新世歴950年、龍人(リュート)の住む世界アーカディアにて異変が発生し、全龍人(リュート)軍は撤退したそうだ。その異変を起こしたのは大魔女サヤ様で、彼女の活躍によって終戦となる。


 勢いに乗った人族は12年後の新世歴962年に大魔女サヤ様の先導の元、再び人族から宣戦布告し第三次儘大戦が開戦される。もちろん、その時に8つの一族の村からそれぞれ8人の戦士達が集結して戦いに参加。人族軍も龍人(リュート)軍も全大戦での損耗が激しく、双方の力は拮抗していて、戦いは泥沼化し、300年近い長い戦争時代の幕開けとなった。

 その間の300年の間、大魔女サヤ様は戦争そっちのけで人族復興の為に尽くし、世界中を飛び回っていたらしく、各地にいた一族も必要とあれば、その手伝いをしてたと云う。


 新世歴1231年の大規模交戦の際に歴史的大きな事件が起きる。それが大魔女サヤ様の死亡だ。しっかりとその瞬間を確認した者はいなかったらしいが、英雄ジークの証言と、龍人(リュート)軍の最高戦力のキリュウが殺害したと、龍人(リュート)軍側から宣言があったらしい。

 大魔女サヤ様を欠いた人族に未来は無いと思われたが、弟子の一族の活躍により、なんとか陵いでいた19年後の新世歴1250年に大魔女サヤ様が残していた何かが、またもやアーカディアを襲い龍人(リュート)軍は壊滅的被害を受けて撤退、翌年の新世歴1251年に終戦宣言がされた。


 これまで1番大きく長かった第三次儘大戦により、双方の被害が甚大で、力の差が無くなった人族と龍人(リュート)が再び戦争を起こせば、互いに絶滅するであろうとされ新世歴1252年に以後エデンとアーカディアで戦争を起こさないという条約が結ばれた。


「って感じで、大きな戦いがなくなって、大魔女サヤ様も失ってしまったけど、一族はこれまでの忠誠と誓いに従って、新世歴1542年の今日まで300年近くも変わらずに生活してきたんだよ。もしかしたら、また戦争が起こるかもしれない。もしかしたら、これまでと違った戦いが起こるかもしれない。そうなった時に大魔女サヤ様無き今、人族を守るのは一族の使命だと考えて、掟に従った生き方をずーっとしてきたんだ。これがオイラ達一族と大魔女サヤ様との歴史だよ」


 かっこいい!


 なんて、かっこいい生き方なんだ。その暮らしは修行の日々で大変なものだったろうに、それでも託された使命の為に、その意志を何世代も繋いでいくとは。ちょっと、シェンユの見方が変わったぜ。


「大魔女サヤ様は、亡くなられてしまったのですね」

「ふぁ~。そうだね。オイラは生まれた頃から故人だったから、それが当たり前だったけど、当時は誰も信じなくて混乱したらしいよ。でも10年、50年、100年と経つにつれて、死亡は確定となったんだ」

「他に知ってる事はありませんか?」

「あとは言い伝ってる。性格とか、容姿とか、小さなエピソードとかかなぁ? ふぁ~。何が聞きたい? 知ってる事なら話すけど」


 サヤ様の敵は、俺等の敵になりえる。

 今の話の中では、龍人(リュート)側が最大の敵になりそうだ。そういえば、この世界に転移する前に神の野郎が、人族と龍族が争いあっているって言ってたし。サヤ様は人族の味方をしてしまったから、龍人(リュート)に狙われるようになったのかもしれん。


「知ってる事を全て、細かく教えて頂ければ嬉しいのですが、シェンユさんはもう眠たいようですね?」

「ゴメンよぉ~。ちょっと、眠い~」

「ノア、今日はもう寝ようぜ」

「そうですね」

「シェンユ、また明日な。おやすみって、もう寝てるし!」


 こいつ、本当に俺とノアを信じきってるんだな。無防備すぎないか?


「マスターもここで寝ますか?」

「そうだな。まだ眠くはないけど、ここで寝ようかな」

「では、荷物からかぶる物を持ってきますね」


 やりたい事、やるべき事、やるべき順序が分かってきた気がする。


 俺もサヤ様のように、この世界の人々を救えるヒーローになりたい。龍支配の空賊なんて奴は、やってる事に加えサヤ様の名を語るとは許せない。戦隊の災害魔力も無いほうがいい、戦隊に頼らずにドラゴンを倒せるなら、その方が良いだろう。戦争は無くなったが、まだまだ人族の脅威は多くある。


 俺がそれらを排除する為には強くならないといけない。知らない事もたくさんあった。この世界に対する知識も必要だ。


 となると、冒険者育成学校に集中する事はいい事かもしれない。知識を得られるし、強さや技術も学べる。シェンユみたいに素晴らしい人物とも繋がりを得られるかもしれない。


「ふぁ~。ノアは全て分かってて行動してたんだろうなぁ。感謝しねーと」


 現状で最適な行動は何か? 情報を集めて、その答えを出して、その為の行動と俺のサポートを影でずっと、やってたんだな。


 ならば、俺は応えるのみだ。


「明日から頑張るぞー」


 気合を入れたら、やり切った感があふれ出て、ノアが戻ってくる前に睡魔に負けてしまったのだった。

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