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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第68話 裸になったら変身しないと

「今回も鞄、持ってるんだね?」

「俺はいらないって言ったんだけどな。ノアが持っていけって、うるさくて」

「そういえば朝から言い合いしてたね~。で、ノアちゃんは今日、どうする事になったの?」

「ミンメイさんとセンギョクさんと我儘亭の手伝いをしてるそうだ。何かあれば、仕事を放り出して駆けつけるんだとよ」

「愛されてるね~」


 早いもので、あの砂漠落下事件から1月が経ち、今日は月に1回、月末にある冒険者実習の日だ。

 先週で補修がやっと終わり、今週の最初の3日間は放課後の自主トレをサボって、ユウやジョノ、シャンウィ君とエクスィをしてたのを、ノアはお気に召さなかったようで、今日の実習が不安だからついて行くなんて言い出した。

 先月の事があったから、心配してくれるのは分かるが、学校の授業に付いてくるなんてオカンやん! 俺はもう30歳だぞ? 恥ずかしすぎる。


 最終的に、迎えにきたダリアさんに「私もよく見ておきますから」と話をつけてもらったんだが、絶対に鞄を持っていけと渡されてしまった。

 俺は使わないからと言ったが、「裸になったら変身しないと」なんて言い出すんで、慌てて鞄を持って出る事になってしまった。


「おーし。そろそろ時間だな。始めるぞ!」


 今回もラガルハ先生が進行するみたいだ。


「2回目なので、今日も一通り説明をするので、しっかりと聞いておくように」


 おぉ。それは、ありがたい。ちょっと忘れてたんだよな


「だが、その前に! 言っておく事がある!」


 声がデカいな。あんな怒気をまぜて、なんだろう?


「前回、冒険者にお世話になる大事件を起こしたチームがあった!」


 あっ……。すみません。


「これは、学校の訓練であるが、実戦に近い形式をとっており遊びでは無い! ふざけていると命を落とす事もある! 常に集中して真剣に――」


 きっと、これを聞いてるシャンウィ君も小さくなってるに違いない。

 ちょっと長ーい説教と、始まりの挨拶が終わったあとに、前回と同じくクーファン先生からの説明があり、ギルドへと移動する事となった。


 前回と違うのは、牛車にて貴族区画にあるギルド支部に行くって事ぐらい。


 牛車を引く牛は、ほぼ前の世界の牛と同じで、違いとしてはライオンみたいな鬣があるのと、角の形状が個体によって、かなり個性がある。

 街でもよくに見かけるが、貴族は兎車を利用してる人が多い。兎車はそこそこ力があってスピードも出るし小回りが効く。あと見た目が美しいとされている。あのダチョウみたいな足とフォルムにウサギの尻尾と顔がついたのが美しいのか? 毛並みはいいけど。

 牛車は兎車よりも速度は出せないが、力があって20人乗りの大きなキャビンを引ける。兵団や商人などは、資材や商品を運ぶのに、力のある牛車のほうを好んで使っている。


 中央校舎裏に移動して、2台用意されていた牛車に乗り込む。ダリアさんも今回は貴族区画の支店行きだったらしく、ユウとジョノも、シェンユも一緒。 というか優クラスの20名のうち貴族じゃないのは双子と魔女教団の人と4ギャルのトゥーイ氏じゃない3人の6人だけらしく、ほぼ1台は優クラス専用みたいになっていた。ちなみにトゥーイ氏は今回も本店行きで、自分から希望したそうだ。


 到着までは、1時間の道のりで、いつもの面子と話をしていたら、なんだか中学生の時の、電車に乗って行く遠足に行った事を思いだした。


「降りたら、速やかにギルドの中に入って、部屋の少し左側で待機するように。他の冒険者の邪魔にならないようにしろよ!」


 引率はラガルハ先生、クーファン先生、マイロス先生、リー先生だ。ここに来るって事はおそらく4人は貴族出身なんだろうか? 先生は関係ないのかな?


 貴族区画にあるギルド支部は、建物は本店の半分ぐらいの大きさだが、兎車や牛車などが止められるように、敷地はかなり広く、兎獣を繋ぎ留めておく場所も20匹分もある。空いてるスペースに管理の人を付けて寝かしている兎獣もいる。


 中に入ると、正面入り口からすぐ目の前は広い円形のロビーになっていて、壁に沿って3人ぐらい通れる円形の通路があり、その内側に部屋に合わせた円形のソファーがある。正面入口から少し離れた左右に通路があって、正面も受付カウンターがある左右にも通路がある作りだ。

 見上げると天井も部屋に合わせた円形の並びでガラスが張ってあり、周囲から光がさしている。天井自体には何やら神秘的な絵が面積いっぱいに描かれている。


 全体的に本店よりも、装飾が多く、豪華でオシャレになっていて、人が少ないのも相まって、かなり広く感じる。


「通路が4本見えると思うが、それぞれは冒険者ランクに合わせた部屋に繋がっている。手前の右の通路がC級用だ。カウンターの右隣がA級用で、左隣はB級用。左のすぐ目の前にあるのがD級用になる。E級とF級は用の部屋は存在しない。お前らは冒険者では無いが、実習では特別にD級の部屋を使えるので、奥へと進め」


 貴族のほとんどが冒険者育成学校を卒業して、すぐにD級冒険者から始めるので、下2つのランクの部屋は存在しないのか。


 奥の部屋に着くと、周りが騒めき始めた。少し前を歩いてたダリアさんが、わざわざ歩速を落として、話しかけてきたんだが、なんだってんだ?


「見て、タツキ。ギルドマスターよ」


 えぇ? 学生の実習の相手をギルドマスターがやるのか?


「おい、アレってギルドマスターのクーさんじゃないのか?」

「前回はいなかったぞ」

「俺、初めて見たよ」

「私も初めて見た。かっこいい」


 さすがギルドマスター。普通に生活してたら会えない存在か。


「おーい。お前ら静かにしろー! クー。それじゃよろしく」

「皆さん、初めまして。もしかしたら、初めてでは無い方もいますかね?」


 目が合っちまった。なんか嫌だな。


「未来の冒険者の修行だという事で、少しだけ手伝いに来ました。それと少し忠告を。冒険者は素晴らしく憧れる仕事ですが、簡単ではありません。命を落とす事も稀ではありません。訓練の時点から真剣に取組み――」


 これは……。わざわざギルドのトップを出して来てまでの説教だ。

 あの事件の当事者でここにいるのは俺とダリアさんだけなんだが、念のいれようだな。もしかしたらギルド本店ではローゼス氏が説教してるんじゃないのか?

 今日はこっちで良かったわ。ローゼス氏よりは、まだ、ギルマスがいい。


「――以上。よろしくお願いしますよ。では、チーム分けが終わった後にリーダーを決めたら、私の所に依頼書を取りに来て下さい」


 依頼書の渡しまでやるの? それは、予想外だな。


「まずは、エミリオ、ロザリンダ、イザベル、シェンユ」


 シェンユとは別チーム確定だ。ちょっと心細い気もするが、こいつとはいっつも一緒だからな。たまには別々での授業もあってもいい。


「あっ。オイラ呼ばれた。今回もタツキとは別チームかぁ。じゃあね! タツキ、変な事に巻き込まれないでよ!」

「大丈夫だ! 心配するな」

「あら、私も呼ばれたわ。今回は違うチームみたいね。タツキ、ノアさんに言われているんだから、気をつけてよ。でも、私みたいな人がいたら助けてあげてね」

「は、はい。がんばります」

「俺とジョノは同じチームみたいだ。よかったぁ~。それじゃタツキ氏、無茶するなよ。ノアさんを悲しませたら、俺の所の使用人にきちゃうかもよ?」

「そんなわけあるか」


 皆、好き放題言いやがって。


「次は、ガリャン。ベム。それから、ホアン。あと、リエン」


 俺は、誰とチームだろうか? ここにいる3分の1ぐらいは同じクラスの人だから、知ってる人と組む可能性が高い。全く知らない人と一緒よりは、幾分か、やりやすいな。

「次は~、ゼルトワ。イーゼァ。ジャオ。あと~」


 出来れば、男がいいけどな~。


「タツキ」


 おぉ。呼ばれた。


 名前を呼ぶのは、よく声が通るラガルハ先生が担当していて、ほかの3人が案内をしていた。手招きしているクーファン先生の所に行って、案内されるまま、他の3人と合流する。


「この4人でチームだねぇ。話し合ってリーダーを決めてねぇ」


 3人とも知ってる人だった。


 1人は女の子で、試験の時にロナウとの追いかけっこを、見られてしまった子だ。あの時はこの子のおかげでラッキーを拾う事ができた。ありがとう。


 あと2人は同じクラスの人だ。あまり喋らない。怖そうな人と、よく喋って他人を見下し、からかって楽しんでいる人だ。


「あれぇ? ここはオッサンみたいな奴が来る所じゃねーぞ? 貴族専用のギルド支部だ。砂漠はもっと西の方だぜ?」


 最悪だ。

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