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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第64話 これは、俺が勝ったかな?

ちょっと、長くなってしまった。

「シェンユさん。少し早めにいきますよ? 分からなかったら、止めるかマスターに聞いて下さいね」

「うん。オイラの事はいいから、負けないでね」

「Aフェイズ、もう一度〝獲物からの魔石収集家、ドルパット〟をチームに加えます。Bフェイズ、〝鉄魔従大陸の第4製造都市〟の効果で毎ターン組織力1消費するので、組織力Aから除籍エリアに1枚置きます。第2ステップで〝>>2〟地点に〝帝都テンルウ工業区ガルーパフ駅〟を配置してコスト2を組織力Eから消費します」

「あっ。帝都だ。カードがあるんだね」

「第3ステップ、待機エリアに〝武器密輸人の女スパイ、アン=ラーソン〟を組織力Eからコスト1消費して出します。あとは出来る事がないので進めてEフェイズ、第2ステップにてエースのルールを適応しますので、先程と同じ動きを致します。〝獲物からの魔石収集家、ドルパット〟を戻して指揮値分を組織力Aから消費しますが、その中からアームズカードがあれば1枚手札に加えます。〝ドルトータスの甲羅の大盾〟を回収します。今回はAからドローしてエンドです。ユウ様どうぞ」


 このターンは組織力9も失ったぞ。本当に大丈夫か?


「さすがに、2度も同じ動きをされてはデッキの型が分かってしまいますよ。ノアさんはデッキの相性が勝敗に影響するのは3割程度あるって聞いた事ありますか?」

「ありますよ。ですが、私はそうは思いません」

「そうなんですか。それは以外です。相性によってある程度勝敗が左右されてしまう、だから高みを目指すカード使いは、ゲーム環境を研究して勝率の良いいくつかの上位デッキを使用するのでしょう?」

「そうですね」

「ねぇ、タツキ。デッキの相性って?」

「えっとな。デッキには使ってるカードでそれぞれ特徴が出るんだ。出来る事とか得意な事とかが変わってくる。例えば、早いデッキは遅いデッキに対して強い。けど遅いデッキは一撃が大きくて長期戦をするデッキに対して強い。長期戦をするデッキは試合を長引かせるから早期決着をしたい早いデッキに対して強い。なんて感じだな。でもこれは、デッキを構築まで出来るようになって、真剣に勝ちを狙いにいくようになってから、考えるといいよ」

「へぇ~。難しそうだね」

「俺なんて、いまだに考えてないからな。相性とかよりも好きなカードを使いたいんでね」


 前の世界でもそうだったが、TCGはやっていくと勝ちたくなるし、勝つためには環境の研究とか、デッキの型の相性とかは、やっぱり出てくる。

 そうなってくると、どうしても深くは楽しめないんだよな。カードを買うお金が無いってものあるが、やっぱり好きなカードを使いたいからな。


「タツキ氏は、そういう考えだから、いつまでもユウに勝てないんですよ」

「分かってるわい。そう言うジョノはゲーム環境を研究してるわりには、俺に負ける時あるよな」

「やっぱり、相性があるからな」


 デッキの相性を言い訳にするなよ。俺の実力だぜ。


「私は、マスターの考えた方が好きですよ。真剣であっても、これはカードゲームなので、どうせなら楽しみたいじゃないですか。好きなカード達で、やりたい戦い方をする。素晴らしいと思います」


 ありがとうノア。でも俺は、そのやり方で君に勝った事ないよ。


「なら、エクスィはそんな甘くないって事をタツキ氏にもノアさんにも教えてあげないといけないな。俺の第2ターン。Aフェイズでエースカード〝シン帝国兵士団の奴隷使い、パキャオ=ロルトルゴ〟をセカンドチームに加えて、Bフェイズ。〝追撃部隊の犬獣人、ポチ〟をコスト1を組織力Eから消費して出しますが、待機エリアに置かずにセカンドチームに加えて、移動力の指定を自分の〝2<〟地点にします。Cフェイズ、ファーストチームでスキル『直撃』で中距離攻撃をノアさんの組織力Eを目標に攻撃します」

「2ダメージですね」

「さらに、セカンドチームはスキル『追撃』があるので、本来の攻撃範囲的には届かないですがノアさんの組織力Eを目標に攻撃します」

「先に攻撃した自分チームと縦で並んでいた場合、同じ地点を攻撃出来るスキルですね。合計で4ダメージを受けます」

「Dフェイズで、エンカウントカード1枚を〝3▲〟地点に配置。Bフェイズにエンフォースカードを出してなかったので〝敵陣での補給拠点〟を相手〝2>〟地点に配置、コスト2を組織力Eから消費します」

「ユウ、それ持ってたなら前のターンに置いてた方が地点潰しが出来たんじゃないのか?」

「ジョノ、これは2チームいないと効果が発揮できないし、破壊される可能性があるから今のタイミングだと思うんだ。地点潰ししても空いてる所が多すぎるから、効果もあまりないから」

「んん? ジョノ、地点潰しって何さ?」

戦場(いくさば)の空いてる地点に配置できるカードは1つの地点につき1枚までなんだ。だから先に置かれるとそのカードを破壊しないと置けなくなる。ほとんどが自分戦場(いくさば)にしかおけないので、今のユウみたいに相手戦場(いくさば)におけるエンフォースで置ける地点を減らす事が出来るのさ」

「なるほどぉ~」


 序盤はそうでもないけど、終盤にはカードを置ける場所が無くて使いたいエンフォースとエンカウントカードが使えなくなる地味に嫌な戦法だよ。頭使うから俺には出来ないけど、ユウは得意だよな。何度、苦しめられた事か。


「Eフェイズに組織力Aから通常のドローして〝敵陣での補給拠点〟の効果で組織力Aからもう1枚ドローしてエンド」

「ノアちゃんが攻撃してないのに、ユウの組織力も少しは減ったね」

「そうだな。攻められてなくても、ああやって強い動きをすると減っていくんだよ。大きな事をするには組織の力を大きく消費するだろ?」

「現実を参考してる遊びなんだね~。って事はノアちゃんは自分で組織力を減らしているけど、大きな事をしようとしてるの?」

「どうだろうなぁ~。俺には引き運が無かったように見える。逆転して欲しいけど、戦況はノアが不利だろうな」

「でもさ、でもさ、ユウは使えるエースカードがもういないよ。裏向きなのは使えないんでしょ? ノアちゃんは指揮値6と指揮値9のエースカードが表向きだから逆転出来るよ」


 ユウのデッキは見た事あるから、これからどうなるかわかる。手札を補充して戦力を増やしてさらにダメージを加速していくだろう。3枚目のエースは必ず出てくる。ノアのデッキは何がしたいのか分からん。


 俺は、冷や汗が出てきて、心臓が早鐘みたいになってるんだが、負けないよな?


「では私の第3ターンです。Aフェイズに指揮値6の〝開拓者、ユウ=ツゥ・オ=アーイラ〟をチームに加えます。ユウ様、効果は知ってますか?」

「それは人気カードですから、もちろん知ってます」

「さすがです。では効果で組織力Eから特徴『拠点』を持ち名前に『ユウツオ』と入るカードを探して手札に加えます。〝ユウツオ商業区ガルーパフ駅〟にしますね。そして〝武器密輸人の女スパイ、アン=ラーソン〟を縦向きに起こします。Bフェイズ、まずは〝鉄魔従大陸の第4製造都市〟の効果で組織力Aを1消費します。第1ステップにてエンカウントカード1枚を〝3▲〟地点に配置。第2ステップでエンフォースカード〝ユウツオ商業区ガルーパフ駅〟は自分戦場(いくさば)の前列にしか配置出来ないですので〝1<<〟地点に配置してコスト1を組織力Aから消費します。そして第3ステップ、待望のアクターカード〝武器密輸人の女スパイ、アン=ラーソン〟を〝開拓者、ユウ=ツゥ・オ=アーイラ〟のチームに加えます。さらに手札から〝最前線の防衛者〟を組織力Aからコスト1を消費してチーム加えます」

「おぉ。ノアちゃんも手札からすぐにチーム入りさせたよ。戦力が増えてるね」

「けど、全部のカード、攻撃値が0じゃないか。ノア大丈夫か?」

「問題ありません。ちょっと守りを固めたいので。〝最前線の防衛者〟の効果は〝特徴『拠点』か『基地』を持つカードを3枚以上自分が使用しているなら、手札からチームに加えて、そのチームを自分の『拠点』か『基地』のある地点に移動させる。特徴『拠点』のある地点にいるならスキル『防衛戦』を得る〟ですので、ファーストチームを〝ユウツオ商業区ガルーパフ駅〟の地点に移動させます」

「ユウツオ防衛コンボですか。ノアさんやりますね。ですが〝最前線の防衛者〟はあまり見ないカードだ。〝拠点守護の冒険者〟がいいのでは?」

「あちらの方は、出現条件が緩くて近距離攻撃値2がありますけど、〝最前線の防衛者〟は耐久値が高くて『拠点』だけでなく『基地』も参照出来ますから。そのぶん展開速度が遅くなりますけどね」

「タツキ。コンボって何? ノアちゃんは有利になったの?」

「有利にはなってないかな。コンボってのは特定のカードを組み合わせて、相乗効果で1枚だけよりも強い結果を出す事かな。〝開拓者、ユウ=ツゥ・オ=アーイラ〟は特徴『拠点』を持つ地点にいないと強くないけど、〝最前線の防衛者〟のおかげで拠点の地点に移動できたんだ。そして〝最前線の防衛者〟は拠点がないと移動も出来ないしスキルも無いけど、〝開拓者、ユウ=ツゥ・オ=アーイラ〟の効果で必ず特徴『拠点』を持つカードを組織力Eから手札に加えられるんだよ」

「いいね、それ! 助け合って強くなるみたいで」

「おう! しかもスキル『防衛戦』は相手のスキル『痛撃』と『直撃』を無効にするんだ。これでユウは直接攻撃で組織力を減らす事は出来なくなったんだよ」

「そうなると、ユウは邪魔なその2枚のカードを狙うんじゃない?」

「おっ、分かってるな。でも、それも出来ない」

「なんで?」

「〝開拓者、ユウ=ツゥ・オ=アーイラ〟の2つ目の効果は〝このチームは攻撃できない。特徴『拠点』名称『ユウツオ』のある地点にいるなら、攻撃目標にされない〟があるから簡単には対処出来ないんだ。これがコンボだな」


 けど、ユウの言うとおり、そのコンボは別のカードを使ってもっと序盤に決めてるのがセオリーだぞ。拠点破壊をされたら崩されるコンボなんだ、拠点破壊はどんなデッキでも4ターン目ぐらいからは出来るようになるぞ?


「Cフェイズは攻撃できませんので、何もいたしません」

「ちょっと待った。ノアさんのCフェイズ第2ステップでエンカウントカードを発動させてもらいたい」

「いいですよ」

「さっき〝3▲〟配置したエンカウントカードを表にして発動する」


 ヤバイ! 罠か? もう拠点破壊をしてくるのか?


「〝チームへの補給と救出〟を使ってファーストチームの内の全アクターカードを待機エリアに移動させ、組織力から2枚ドロー出来る。〝鳥族の奴隷獣人、イグアル〟を移動させてEから2枚ドローします。どうぞ」

「Eフェイズを致します。今回は私のチームに全滅状態がいないので、組織力の消費は無いです。ユウ様の処理をどうぞ」

「俺のファーストチームは全滅状態だからエースカードをエースエリアに戻して指揮値4を組織力Eから消費します」

「ノアちゃんのターンなのに、ユウの組織力が減ったよ」

「そうだな。このEフェイズでは戦場にいるチーム全部の全滅状態をチェックするからな」

「最後に組織力Eからドローしてエンドです。ユウ様のターンをどうぞ」


 この戦況はどうなんだ? えーっと計算するとノアの組織力はAが20でE11ぐらいか? 完全に押されてないか? 自分で消費しすぎなんだよ。これから逆転出来るのだろうか……。

 2戦目があるとはいえ、次はユウが先手だし、勝てても1試合目と2試合目の残り組織力で判定するから、この試合でも、もっとユウの組織力を減らさないと危ないぞ。


「これは、俺が勝ったかな?」

「ちょっと待ってよ。まだ分からないじゃないか。ノアちゃんの所はいろいろ置いてあるし、これからなんだから」

「実はこうなる事は少し予想していたんだよ。こんなに攻めきれるとは思っていなかったけど、こういう試合展開になると予想してたんだ」

「嘘だね。オイラは信じないよ」

「いや、ユウの言ってる事は本当だよ」

「ジョノもユウの味方だから、そういう事言うんだぁ~」

「シェンユ、すまんが、俺も1ターン目の終わりぐらいにちょっと予期してた」

「えぇ~。タツキはそんな事言ったらダメだよ!」

「ユウ様は相性の話をしておりますか?」


 そうだ。どうみてもノアのデッキとユウのデッキでは相性が悪い。ノアの引き運が悪くなければ、もう少し良い試合になったかもしれないが、運も味方してくれないとなるとユウが勝ちを口にしても、しかたない事だ。


「3ターンも経過したら、お互いのデッキの型は読めていると思いますが、どうでしょうか?」

「そうですね。ユウ様のデッキは、おそらく1番流行りのデッキを対処した、祖人軸獣人補助のスピード重視型ですが、全てのチームで相手組織力を狙うスピード重視型では無く、3つのチームを上手く使って、1つは相手組織力狙い。1つは相手チーム破壊狙い。1つは守りと相手の厄介な拠点破壊をする、スピード少し犠牲にして状況によってある程度、対応力を高めたバランス寄りの型ってところでしょうか?」

「正解です。さすがです」


 そうなのか。俺はてっきりスピード重視型と思ってたわ。


「そして、ノアさんのデッキは、おそらく1番流行りの祖人と武器軸拠点補助のミッドレンジ型の少し変化をつけた型でしょう? 1、2ターン目は拠点を配置して準備をして3ターン目から少し動き始めて、4ターン目から本格的に攻めに転じてくる。流行りと違うのは除籍エリアを利用して武器を集める事でしょうか。除籍エリアはほとんど利用できませんが、アームズカードならば回収するエフェクトカードなとがありますからね」

「正解とは言わないでおきましょう」


 正解だろ。どうみても言い当てられてるじゃないか。


「それを予測できたって言うのかい? どうしてさ?」

「いいかシェンユ。タツキは普段、俺に勝つ為にノアさんと試合をしてると聞いている。ならノアさんは俺と同等レベルの知識を持つカード使いなんだよ」

「そうだね。ノアちゃは何やっても凄いからね。カードゲームも、とっても強そうだよ」

「だろ? なら、この大一番で使ってくるのは勝率が最も高い1番流行りの型って予想できるんだよ。だから俺は、そこに強い型のデッキを選択したんだ」

「な、なんとっ! それは確かに!」


 さすが、自称ユウツオ1のエクシィカード使い。

 もう自称じゃなくていいよ。誰もが認めると思うぞ!


「真のカード使いは、試合の前から勝負が始まっているんだよ!」

「おぉ! ユウ、ちょっとカッコイイよ」

「エクシィやってる時は、お前の世話役で良かったと思えるよ」


 3人が盛り上がってるのにノアは無表情だな。本当は悔しいんじゃないのか? 何でも出来る奴だからな。こんな事は初めてじゃないのか?

 負けるのは嫌だけど、ちょっとノアが悔しがるのを見てみたいかも。


「マスター! 今、良からぬ事を思いましたね!」

「いやいや! な、何も。マズイと思っただけだよ。俺はノアの味方だから」


 鋭い奴め。


「まったく、慌てずに黙って見ててくださいって言ってるでしょう?」

「ノアさんは、まだ勝てると? 普通は2試合目の事まで考えて、ここからはどうやって組織力の差を少なくするか考えるのが多いんですが」

「どうしたんですか? 3ターンを始めないのですか? それともターンが進むにつれて不利になっていくのが怖いですか?」

「「「!?」」」


 もしかして、怒っていらっしゃる?


「いいでしょう。俺もちょっと、調子にのってました。ちゃんと試合を終わらせて、ノアさんには俺の使用人になってもらいます。第3ターンAフェイズ、エースカード指揮力6の〝冒険者ギルドの戦略家〟を出します。Bフェイズにエンフォースカード〝始まりの冒険者ギルド〟を組織力Eからコスト2消費して、自分〝1>>〟地点に配置、アクターカード〝冒険者ギルドの暗殺者〟を組織力Eからコスト1を消費して横向きで待機エリアに出します。そして、〝鳥族の奴隷獣人〟を〝冒険者ギルドの戦略家〟のチームに加えます。第6ステップの移動で、〝始まりの冒険者ギルド〟の効果を発動! 〝自分の全てのチームをこの地点に移動させてもよい〟なので集めます。Cフェイズ、第1ステップの攻撃目標指定」

「ノアちゃんのチームは攻撃出来ないよ~」

「分かってるさ。まずは〝冒険者ギルドの戦略家〟の効果で、このチームのアクター1枚と待機エリアにあるアクター1枚を交換する事ができる」

「あっ。ノア、これマズくない?」

「〝鳥族の奴隷獣人〟を待機エリアに〝冒険者ギルドの暗殺者〟をチームに加えます。そして効果を発動。〝冒険者ギルドの暗殺者〟は2つのチームで1地点隣のチームを攻撃する代わりに、そのチーム内のアクターカード1枚を破壊できる! 〝最前線の防衛者〟を破壊します」

「わかりました。除籍エリアに移動させます」

「やったなユウ。これでスキル『防衛戦』が無くなったよ」

「おうよ。次のターンで決めに行くぜ。Dフェイズでエンカウントカードを〝3▲〟地点に配置して、そのままエンド」

「次のターンで決まりますでしょうか?」


 おっとぉ。ノアさんが殺気を放っている気がするぞ~。

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