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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第60話 忘れてた!

 1番キツイ授業は、魔闘気学の授業だ。

 座禅を組んで自分の内に集中し、己の魔力を感じなければならない。そんなの出来るかっ! 俺は日本人なんだよ!

 しかも、それは1人だけやっている。先生もどうしようも無い俺に、なかば投げやりになっていると思う。他の人は魔力を扱えるらしく、持続力と最大出力を伸ばす訓練をしていて、ヒトラ様とシェンユに至っては先生が教える事が無く、ほぼ自主トレの時間みたいになっている。


 1番楽しい授業は、亜人学の授業だ。

 その名の通り亜人について学ぶんだが、ほとんど獣人についてだ。奴隷ってシステムは好きじゃないが、いつか自分の獣人奴隷を持つ日がくる事を信じて、この授業での集中力は高い状態を維持している。


 次に好きなのはギルド学なんだが、この授業は必ず1コマ目にあるので、まだ頭が起ききってない事が多い。週末の風の日にあるギルド学なんて、どうしようも無く眠たいので、次の地形学と合わせて、半眠半起きで、流してる事が多い。


 ちなみに2番目に苦手な科目は地形学だ。


「土の日にF級E級の話はしたのは覚えてるか? 前の授業ではC級とB級の事をやったからD級について話す所だが、お前らが卒業して得られる資格がD級だから、ここは時間をかけて教える」


 F級からE級に上がるのに、スムーズに問題なくギルドの依頼を達成して1年ぐらいかかるらしい。E級からD級に上がるのも最短で、同じぐらいの時間を要するってフォルスト聞いた事がある。

 知識と技術を学びつつ、安全な実習で経験を積みながら、卒業したらD級の資格が得られる冒険者育成学校は、なかなか良い所だ。


「来週にD級についてやるから、今日はA級、AA級、MA()級について、簡単に終わらせていくぞ。この3つのランクは人間を超えた先にある力を持つ者しか到達できないと言われているから、なんとなく覚える程度でいいぞー」


 忘れてた!


 そうだった。MA級にサヤ様と戦隊なんて奴らがいるんだった! それについてノアと話をしようと思っていたのに、先週は忙しくて完全に忘れてたぞ!


「まずA級冒険者だが、もっとも数が少ない。魔闘気を極めて、宝物級の武器を扱える者が到達できる。ユウツオには2人いて騎士団の隊長と校長だな」


 何っ! あの老人フェイスのマッチョ校長は、ギルドマスターよりも強い人なのか! 騎士団の団長は見た事ないな。


「あと8年前なら、両断剣のセンギョクさんが有名だったな。冒険者を引退してしまったが、元A級冒険者だ。では、どうやってA級冒険者になれるかというと――」


 おぉ! センギョクさんは、やはり歴戦の猛者だったのか。しかも2つ名もあるのか、かっこいい!

 でも、センギョクさんから冒険者時代の話って聞いた事ないな。シェンユとかは知ってるのかな?


「次に、AA級冒険者だが、A級と違って世界にはたくさん存在する。力を追い求め人間を辞めると、だいたい辿り着くと言われているな」

「先生! 人間って、そんな簡単に辞めれるものなんですか? 怪人になるって事ですか?」

「怪人とは違うぞ。アレは討伐しないといけない危険生物だからな。AA級冒険者の8割がレシピエントと言われる改造人間だ。残りの2割が異常な訓練をしている戦隊候補者だな。とにかく普通に努力しているだけでは到達できない領域だ」


 なんだ? なんだ? なんか、さらっと不穏な言葉がたくさん出てきたぞ!

 怪人ってなんだ? 亜人学でもちょっと出てたけど、まだ習ってないな。危険生物なのか。改造人間って……。さすが異世界、そんな事があるのか。あと、戦隊候補者なんてのがあるのか。


「先生! 戦隊候補者には、どうやってなるんですか?」

「……。タツキ、まずは卒業してD級冒険者になろうか」


 そ、そうですね。

 クラスの8割が笑ってるじゃん! すっげー恥ずかしい。


「最後にMA()級冒険者だが、これは歴史上9人しか存在していない。現在、明確に存在しているは、代変わりして存在している戦隊6人と、英雄ジークだ。残りの2名は生きているのか分からないが、最初にMA()級とされた2名で――」


 戦隊候補者って、やっぱり後々に戦隊の正規メンバーになるのかな?


 どうやってならるのだろう? 冒険者ランクが与えられているって事は冒険者の括りで間違いなさそうだな。って事はやはりD級冒険者になって、活躍して順当ににランクを上げていったらスカウトとかで声がかかる感じかな? A級が人間の限界って話だから、そこまでいくとギルドの方から「君は優秀だね。人間やめる事になるけど、更なる高みを目指さないかい?」みたいな流れなのかなぁ。

 それで、戦隊候補者の中でも優れた成績の人が正規メンバー6人には入れる的な? だとすると必ずレッドになれるかは分からないかも。


 でもヒーローってそんな感じなのか? 会社のヘッドハンティングみたいなやり方でなるものなのか? どっちかというと選ばれし者だよな。やっぱり古の精霊賢者から任命だれるか、預言書とかで当てられるか、あとは世界の上位的存在の神とかから選ばれるとかが鉄板だよなぁ~。


 んっ? それって、俺じゃね? いい感じに神っぽい奴からヒーローしなさいって選ばれてるよな?


 ならば。ドラグマン・レッドの道を進むのが良い気がしてきた。必ずレッドになれるし。


「ターツーキー! 聞いてる? ご飯食べようよ」

「あれ? シェンユ。地形学は? 英雄学は?」

「もう! 終わったよ。大丈夫? 最近なんか、ボーっとしてない?」


 マズイ。戦隊の事を考えていたら、午前の授業が終わってしまっている。

 せめてギルド学はちゃんと聞いておくべきだった。戦隊について、もっと情報が欲しいんだけど、先生に聞いてみるか?


「なぁ。シェンユって戦隊に詳しかったりする?」

「えぇ?! もしかして、本当に戦隊になりたいの?」


 なんだよ。お前も笑うのかよ。


「うっける~! ありえねーよオッサン! 絶対にやめといた方がいいから」


 突然、肩を叩いて笑いながら否定してきたのは、隣の席の4ギャルリーダーだった。えーっと、名前はなんだったかな? トゥーイ氏だっけ?


「アイツ等は、MA()級冒険者は戦闘狂のクソ集団だよ。人族全体の事なんて考えていない我儘な奴等さ!」

「そんな事はありません!」


 おぉ。トゥーイ氏を大声で否定したのは、普段は暗くて地味で無口なサヤ様大好きっ子氏じゃないですか。この子にはいつか声をかけないといけないと思っていたが、このタイミングで絡んでくるとは。


「あぁ? 口出してんじゃねーよ。異常魔女崇拝者がっ!」

「そもそも、MA()級冒険者は、大魔女サヤ様とその弟子様だけです。御二方があまりにも素晴らしいお方なので、他の冒険者と同列にするわけにはいかない。それで後に新たに作られた御二方の為だけランクなのです! 戦隊はAA級冒険者とするべきです!」


 いや、なんか論点そこなのか? つまり戦隊がダメな奴等ってのは同意見なんだ。


「どっちでもいいわっ! むしろ、死んでる奴をいつまでもMA()級としてるのが問題だね。除名すればいいのに」

「なんて、罰当たりな! 大魔女サヤ様の名は永遠に残さなければなりません!」


 サヤ様はやはり、死んでいるのか……。


「ちょっと、トゥーイ。熱くなるなよ。向こう行こう」

「そうだよ。あんなのと関わるないほうがいいよ」

「ほっときなよ~」


 ちょっと言い方が酷いが、4ギャルの残りの3人がトゥーイ氏を、なだめに来てくれた。助かったぜ。俺の机の目の前でケンカしないでくれ。


「おーい! タツキ氏。何やってんだよ! 明日の約束の話するんだろ? ちょっと、食堂まで来てくれよ」


 アレ? 昼飯時間にそんな約束、ユウとしたっけな?


「えっ、何それ? オイラ聞いてないよ!」

「俺も覚えてないな。ユウー、今行くわ」


 目の前に、大魔女サヤ様大好きっ子さんが立っていて、通りにくいんだが。

 名前ぐらいは聞いておくか? おちつけ~大丈夫だ。最近ダリアさんと話せるようになったんだ。どうって事ない。よーし!


「あ、あの、すみません。お名前は何でしたっけ?」

「あ、えっと、ヒルデです。ヒルデ=トルギーサです」

「えっと、ヒルデさん。いつか、サヤ様の話を聞かせてくださいね」


 俺の一言で、ヒルデさんは目を大きく見開いて、それから笑顔になった。

 とは、対照的にシェンユは驚いて、周りのクラスメイト達も驚愕の顔してる。


「はい! ぜひ!」

「ちょっと、タツキ行くよ! 早く、ユウが待ってるよ」

「待てよ。お前もついてくるのか? 別にいいけど」


 シェンユに手を引かれて、廊下まで小走りで行くと、ダリアさんと、3階の(リョウ)クラスから降りてきたと思われるジョノも一緒に待っていた。


「タツキ氏。悪い事は言わん。アイツとは関わらないほうが良いぞ」

「そうよ。私のユウに同意見だわ」

「んっ? 何かあったの?」

「うんとね、タツキが魔女教団の子と仲良くしてたの」

「えぇ~。タツキ氏、本当かよ。それは、やめた方がいい」


 えっ? えっ? あの子って、ヤバイ子なの?


「魔女教団って何?」

「「「「えぇ~!?」」」」


 まずいっ! 世界共通認識のヤバイ団体だったのか。


「あなたって人は……」

「タツキが常識外れなのは、今に始まった事じゃないからね~。慣れたけど、魔女教団を知らないのは、驚いたなぁ~」

「大魔女サヤ様を異常に崇拝して信仰している団体よ。世界中に教団員がいて、時々問題を起こすから少し厄介な人達よ。あまり関わらないほうがいいわ」

「えっと、しかしですね。あの子は、いつも地味で目立ってないし、危ない人には見えないと思うのですが……」

「そうね。でも、関わらないほうが賢明よ」

「俺もダリアに同意見だ」


 そうなのか。ハブられてる子なのかな? 俺的には、そういうのって嫌なんだけど、本当に危ない人だったら困るなぁ。

 そういや、昼飯時間に食堂でも教室でも見た事無いけど、まさか、女子トイレで弁当食べてたり、しないよな?


「それよりさ! 約束って何だよ。オイラ聞いてないぞ?」

「あっそうだ。ユウ、昼飯を一緒に食べる約束なんてしたっけ?」

「はぁ~。タツキ氏を助ける為の嘘だよ。そんな約束はしてない」

「えぇ~! じゃ、どうしよう。もう教室に戻りにくいぞ?」

「タツキ氏も貴族専用食堂にご一緒なられますか? シェンユも一緒に」


 そっか。ユウ達は貴族専用食堂を利用してるんだっけ? シャン・レン=ワン家の専用小部屋があるって前に聞いた気がするな。そこをユウもジョノも使ってるとか。


「ちょっと、オイラは嫌だなぁ~。3人だけじゃなくて、2年生の人、3人もいるでしょ? それに小部屋って6人用だから狭くなるよ?」

「そうね。先輩方は良い人だけど、勝手に外部者を連れて行くのは良くないわ」

「しゃーねぇな。ジョノ、俺等がタツキ達と一緒にに一般食堂に行こうぜ!」

「それ、いいですね」

「私は先輩方と食べるわ」


 お昼時間に友達と一緒って、ちょっと幸せだな。まぁ、いつもシェンユがいてくれたんだけど。シェンユに感謝だ。


「そんな事じゃなくて! 明日は雷の日だよ。約束って何さ? もしかして、ユウの所に遊びに行くの?」

「そうそう、ノアさんも誘ってる。エクスィをやるんだ」

「オイラ、誘われてない!」


 すまん。一緒なのは昼だけでいいかな。

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