表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
41/223

第40話 シャンウィ危ないよ。落ちないでよー

モンハンサンブレイクを買ってしまったが、プレイする時間が無い(泣)

「いやぁ~。エクスィやってたんだけどね~。まさか1戦も終わらす事が出来ないとは思っていなかったなぁ~。早く来たね君達」


 ダリア氏の予想通り兵団詰所に目的の人物はいた。もっと遅くなると予想してたらしくカードゲームをするつもりだったらしい。


「皆、貴族区画に行ってしまうんだよ。大隊長に会いに行ったのか? 兵団と騎士団の管理施設に行ったのか? ユウツオギルド本部からだと反対方向にあるから、気づいて戻ってくるまでに時間がかかるもんだけどね」

「なんで、お前が説明しているんだよジャンウ。この子達が持ってる依頼書に書いてあるのはウギマだから私じゃないか」

「いいじゃん。だって、もう片方のチームが来るまで1人で待ってるのヒマなんだから、今日はこの仕事しかないんだよ?」


 たぶん俺よりは年上っぽい2人のオジサンが漫才みたいな事を始めていた。丸顔で目も大きく丸い、ずんぐりした体系も丸い方が目的のウギマさんのようだ。


「私がウギマだ。冒険者では無い。ユウツオ兵団に所属していて、主に街の治安維持と施設の整備点検をするのが仕事だ。君達は今日から3日間、私と一緒に同じ仕事をしてもらう。人手が足りない時は冒険者に兵団の仕事を手伝ってもらう事もあるし、ユウツオを拠点に冒険者をやっていくなら兵団や騎士団と連携して依頼をする機会もあるので、この実習は為になるぞ?」

「えっと、リーダーをしているタツキです。こちらがダリアさん。こっちが双子のシャンウィ君とシェンファさんです。よろしくお願いします」

「うむ。しっかりしてるな。では、街の巡回任務と大防壁の点検任務があるが、先に来たチームが選べる事になっている。どちらを先に行うかね?」


 おぉ、選べるのか。街の巡回がいいなぁ~。治安維持といったらパトロールが大事だろうし、兵団の巡回なら俺の知らない道とかも通りそうだし。


「ねぇ、兵団のおじさん。大防壁の点検って、もしかして壁の上にいけるんですか?」

「お、おじさん? 行けるぞ。上から周辺に、どの程度の砂獣が徘徊してるのか確認する作業もあるからな。あと私の事はウギマ隊長と呼ぶように!」

「おぉ! 本当か! 壁の上になんて行った事がないぜ。先に整備点検の仕事からにしようぜ! なっ、リーダー」

「そうですね。疲れの出てくる2日目、3日目に街の巡回をするのが良いかと思います。ここは彼の意見に賛成ですね」


 なんと! ダリア氏とシャンウィ君の意見が一致するとは!

 これは俺の意見を言うわけにはいかないですね。俺はこっそり4回ほど登った事あるから新鮮さが無いんだけど、普通は上には行けないのか。


「ウギマ隊長。大防壁の整備点検の仕事から先にやらして下さい」

「了解だ。よーし、ついてこい。奥に行くぞ」


 ウギマ隊長について奥へと進んでいく。来る時に外から見て予想していたのだが、やはりこの詰所は大防壁と一体化しているようだ。

 円柱地形から始まって南北に8キロ程、そこから曲がって南南東にさらに6キロ程度ある巨大な壁のちょうど中心、折れる部分に街側へと円柱状に突き出た部分が、この詰所になっているみたいだ。


「よぉー、リキル。例の実習生だ。昇降機の使用許可は出ているだろ? 頼むわ」「ウギマ隊長。お疲れ様です! どうぞ皆さん乗って下さい」


 今から乗る予定の物体は、もちろん電動式のエレベーターでは無く、木製の歯車とロープのついた人が10人ぐらい乗れそうなリフトだった。見た目で判断できる限り全て木製に見える。

 これで、あの12メートルほどの壁を上がるのか…… 階段の方がいいな。


「おーい。起きろ仕事だぞ。昇降機を上げるぞ」


 リキルという人が声をかけると昇降機から少し離れた所にある部屋から牛頭の獣人が3人出てきた。

直径2メートルはありそうな舵輪のような装置に手をかけて、左右に1人づつスタンバイをしており、交代役なのか、もう1人も近くにスタンバイしている。


 ってか、これ人力? 獣力? で動かすのか…… ますます階段で上りたい。


「おぉぉ。こんなデカい獣人式昇降機も初めてだぜ! わくわくするなぁ。おーいオッサン早く乗れよ。おいてくぞー」


 衝撃で固まっているいる間に、皆、すまし顔でカゴに乗っているじゃないか! 怖くないのか? 異世界では普通なのか?


「危ないから、奥の壁側に立ってくれよ。私が扉側に立つから、少し時間がかかるから、この施設について説明をしよう。リキル上げてくれ」

「了解です! よーし、上げろー」


 2人の牛獣人が舵輪を回していくと、ゆっくりと篭が上がり始めた。予想外に揺れが少なく、安定している。


「大防壁とここの建物は大昔に大魔女サヤ様が作ったらしい」


 何! また大魔女サヤ様か。大体の凄い物とか制度とかは、あの人が関わっているなぁ~。


「大魔女サヤ様が魔法国家エルデ・ミデリオを砂漠に変えたのは知っていると思うが、その後、疲弊したサヤ様はこのユウツオの近くに1年程住んでいたらと伝えられている。砂漠化によって時々砂嵐が街を襲ったり、砂漠に適応した砂獣が現れたりとユウツオにとって大きな問題が起きたので、サヤ様は魔法国家エルデ・ミデリオを滅ぼした理由をちゃんと説明し、謝罪までしてくれたそうだ。そして3か月かけて、この大防壁を作ってくださったと記録が残っている」

「えっ? 記録が残っているんですか?」

「あぁ。私は見た事ないが、重要な書物を保管している領主様の館にあると聞いた事があるな」


 うん。今度タイミングをみてノアと一緒に領主の館に行くべきだな。


「建物自体は何もない5階建てだったので、ユウツオ兵団が改造して使いやすくして今の状態になっている。1階は主に倉庫と受付だな。さっき過ぎた2階は休憩所だ。非常時用に宿泊もできるから、明日は皆1泊してもらうぞー」

「いやですわ。絶対に宿泊しないといけないのです?」

「実習の内容だからな。冒険者になったら野宿もよくある事だぞ。屋根のある所で寝れるだけ良いと思わないと。おっと、今通り過ぎててる3階が戦略所で作戦を立てたり、毎日集められている砂漠や防壁の状態などの情報を整理したりしている」


 乗っている昇降機は、現代日本のデパートにあるエレベーターとは呼べない物で、木のフレームの中をフレームと最低限の手すりが付いたカゴが上昇する程度の構造なので、もちろん外が見える。各階に扉なんてものは無い。工場などにある昇降リフトが近い。


「さぁ着いた、ここで降りるぞ。ここは4階で1階と同じく倉庫みたいなものだが、違いとして武器や点検器材、補修材など、大防壁の維持と周辺にいる砂獣に対して攻撃する物だけが置かれている。上の階は大防壁の上と繋がっているから、必要な物がある時は左右にあるスロープから5階に移動させるんだよ。さぁ、我々も上に行くぞ」


 ちょうど、兵士4人で大きな物体を5階に上げている所だった。車輪のついた大きな投擲兵器で、動かしている物以外にも10台ぐらいが整備中である。全てに丸太で出来た大きな木杭が装填されていて、木杭バリスタって感じの物だ。

 砂獣がどんなのか知らないが、こんなので倒せるのだろうか? 


「おぉぉぉ! すっげーな!」

「シャンウィ危ないよ。落ちないでよー」

「おいおい、はしゃぐなよ。君達は冒険者として、実習中だぞ?」

「はぁ~。これだから子供ってのは」


 確かに中央であるこの場所から見た大防壁は、その存在感を普段以上に発揮して大きく見える。右を向けば北側に円柱地形にぶつかるまで伸びており、左を向けば南南東にあるユウツオの正門まである。行った事はないが万里の長城はこんな感じなんだろうな。


「ウギマ隊長! アイツまだいますよ」

「何? 変なのがいるもんだな。よーし1発、撃ってみるか」


 1人の兵士が声をかけてきた。なんか変なのがいるらしい。変なのって何だ?


「実習生の諸君、予定ならばと南北に2人づつ分かれて大防壁周辺の砂漠にどんな砂獣がいるのか確認する仕事なのだが、5日前からずっと居座っているサンダイルがいる為、木槍を1発打ち込む事とする。まず、そのサンダイルを確認してくれたまえ」


 サンダイルってなんだ? 実習生の3人も兵士も、ウギマ隊長が指さす砂漠側を大防壁から顔を出してを覗いているので、俺も落ちないように注意しながら見てみる。


 下にいたのは黄土色をした半魚ワニだった。


「見えたか? アレがサンダイルだ。ここからは小さく見えるが、20メートルの大きさに身体の3分の1が頭だ。人間4人程度ならひとくちで食われてしまう危険な砂獣だ。知力は低く、ひたすら大砂漠を獲物を求めて周回しているハズだが、変わり者がいるようなので、木槍にて撃退するので見学する事にしよう」

「俺だったら、あんな口だけヤロウ、退治してやるぜ!」

「ははは。確かに冒険者にはアイツを討伐する奴もいるが、それは腕の立つ奴が6人チームで、やっと倒せるらしいぞ。ボウズには、まだ無理だろうな」

「なんだと! 子供扱いしやがって、見てろよ。俺はドラゴンを倒せる凄い冒険者になってやるぜ!」

「ちょっと! シャンウィ危ない!」


 シャンウィ君が、立て掛けられてあった棒切れ握ると、かっこよく振り回すしたのだが。危なくて迷惑でしかない。人に当たったらどうするんだ。


「ちょっと、きゃぁっ!」


 ダリア氏が言わなさそうな高い声がして視線を移すと、イナバウアー決める彼女がそこにいた。振り回される棒を避けて、仰け反った身体は砂漠へと吸い込まれていく。


 目と目が合って、視線が繋がると、彼女の瞳には驚きと恐怖が入り混じった色が浮かび上がった。


 シャンウィ君は、驚愕の顔をして固まっている。


 シェンファさんは悲鳴を上げいていたように見えた。


 ウギマ隊長や他の兵士達が手を伸ばして駆け寄っていたが、俺とダリア氏には届かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ