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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第36話 先生ー。今日も歴史ですか?

「おはよー」

「おう。おはよう!」


「よう! 昨日はちゃんと休んだか?」

「ヤバいな。自主訓練しすぎて、身体が痛い」


「休みに~ちょっと稼ごうと思って~ギルドの仕事したらさ~」

「どうせ、一緒になった冒険者がカッコよかった話でしょ」


 月曜日だ。もとい、土の日(つちのひ)だ。

 休み明けの生徒達が学校に登校して、各々の友達と挨拶したり、雑談したりしながら自分の教室に向かっていく。1週間が始まる学生らしい光景だ。


「タツキは昨日、なんかノアちゃんと出かけてたよねー。いいなぁ。オイラはずっと我儘亭で働いてたよ~。そういえば、知ってた? あの店って休みないんだよ! だから昨日はミンメイさんが休みだったので、代わりをしてたんだけど。センギョクさんは休まないんだよ。ずっと。すごくない? 『冒険者は休まない。ギルドにも休みなんてもんは無い!』とか言ってさぁ~。皆、交換して休んでるっての! センギョクさんも、たまには休めばいいのに」


 俺は毎朝シェンユと登校するので、この時間はボッチでは無い。だが、最近はちょっと1人になりたいというか、シェンユ以外の人と話がしたい。なんたって、この子、ずっと喋ってるんだもん。


「そうか~。センギョクさんは休まないのか。それよりもシェンユちょっと聞きたいのだが、土の日(つちのひ)ってなんか変だよな。なんで土なんだ?」


 字面だけでみたら、明日休みと思ってしまう。

 だが、明日は、火の日(ひのひ)だ。そして明後日は水の日(みずのひ)で明々後日は樹の日(きのひ)だ。火水木だけは一緒なんだ。金曜日は風の日(かぜのひ)なんだけど。


「変かなぁ? 生まれた時からこれだし、気にした事ないけど。タツキはフラタギス共和国からきたのよね? 世界共通だとおもうけど、同じじゃなかったの?」

「いやいや! 何をおしゃる! ちゃんと同じでしたよ! もちろんそれは、同じです。ただね。なんか思っただけですよ。関連性が無いというか。なんでこんな呼び方になったんだろう? って」

「言われてみれば、確かに……。時間については、この世界を作った神龍様ってのが決めたって言い伝えがあるから、土、火、水、樹、風、雷はそれぞれ、龍人(リュート)の種族の名前が使われていると思う。けどね、これをちゃんと日常で使えるようにしたのはサヤ様だったはず」


 また、サヤ様か。この世界を作ったのは龍神様で、人間が住みやすいようにしたのはサヤ様って感じなのかぁ。


 教室に着くと、廊下に見覚えのある2人がいた。


「次は樹の日(きのひ)が仕事休みだから、その時なら時間あるぜ」

「分かった。もう行けよジョノ。遅刻するぞ」

「じゃぁな。あっタツキ氏だ。おはよう」


 お、おぉぉぉぉおおおおお


「おはよう!! ジョノ!」

「なんだよ。声がでかいな! そっか、昨日は楽しかったか? おっと遅刻しそうだ。俺は(リョウ)クラスだから。じゃぁな」


 これは、友達だよな? 朝の挨拶をされるなんて。


「おはようタツキ氏。朝から元気だな。やっぱり昨日、楽しんだからか?」

「おはよう! ユウ!」

「まさか、オッサンのタツキ氏にあんな美人な女がいるなんて意外だぞ」

「美人? 昨日? ノアの事か。お前達いたのかよ」

「誰なんだ? 彼女か? 嫁か?」

「ノアちゃんは、タツキの侍女だよ」

「へぇ。そうなのか。遠くからしか見てないからな、今度ちゃんと紹介してくれよ! シェンユ君、俺はユウだ。よろしくな」

「あっ。どうも、よろしくです」


 ん? こいつらって関わり無かったのか。意外だな。シェンユはお喋りだし、街では誰にでも声かけるし、クラス全員と話してると思ってたけど……


「おーい! 授業始めるぞ? 早く席につけー」


 背後から今日の1コマ目、ギルド学の先生が注意してきたので、急いでに席に座って教科書とか必要な物を取り出す。俺の席は一番後ろの窓際という、素晴らしい位置にあるが、こっそり居眠りをしたりはしない。


 ギルド学の担当マイロス=オルトコナ先生は名前に合った見た目をしていて、金髪パーマの丸眼鏡で、細身の長身といった米国産のスクール映画に出てきそうな見た目をしている。

 出身はメリアルア連邦国という所で、放浪の冒険者をしながら、歴史を研究し、中年になって帝都でギルドの運営側の仕事をした後、今はこのユウツオで先生をしている。


「席についたかぁ? うーん。よし、空いてる席は無いな。授業をはじめるぞー。今日は教科書は使わない。他の本なども使わないから、しまえー」

「先生ー。今日も歴史ですか?」

「そうだ」

「「えぇー」」

「俺は、早く冒険者ランクの事が知りたいよー」

「大丈夫だ。どうせ、お前らは教えても覚えない。ギルドのシステムについては、ちゃんと別の教え方を考えてある。だが歴史は体験する事は出来ないし、見に行く事も出来ない。こうして残された書物を通して覚えるしかない」

「歴史など、覚えて何の意味がある?」

「あるぞ! ギルドの成り立ちを覚える事で冒険者とは何か? 冒険者のあるべき姿を身に刻むんだ! そもそも冒険者育成学校とは、それを主な目的としている! 歴史を知らなければ、真の冒険者にははれない。特にお前みたいなのはな、ゼルトワ」

「なんだと!」

「ゼルトワ様、抑えて」


 この先生は、冒険者に対して熱い。なので、いつも話が脱線して授業が進まないのだが、俺は面白い話が聞けて良いと思うけどなぁ。それを煩わしいと思っている生徒は多い。


「それじゃ、今日はこれまで2週間分のおさらいをしようか。もちろん何も見ずにだ。お前らがギルドのおおまかな歴史を覚えたか確認するとしよう。まずは、ギルドの前進が出来た理由は何だ? ゼルトワ」

「龍人に対して反撃する為だろ?」

「正解ではあるが、なぜ、そうなったのか? を聞いてるんだがな。イーゼァ」

「龍人達の権力争いが起こり、その戦争の代理を人間がやっていたからです」

「そうだ! では、なぜ人間が龍人達の戦争の代理をやらされていたんだ? ベムわかるか?」

「……。わかりません」

「ふぅ。ガリャンは?」

「わかりません」


 こいつらは、試験の日に絡んできた4人組だ。帝都の偉い貴族らしく威張り散らしているので、あまり誰も近づかない。おそらくゼルトワって奴が一番偉くて、ガリャンとベムは取り巻きで、イーゼァってのが世話役だろう。


「分かるやついるか?」

「では、(わらわ)が」

「ヒトラか。頼む」

「うむ。世界の始まり、龍神が世界を作り6源龍が世界を治めた時、人間は龍人の劣化種族として生まれた。その後、何百年の年月の後に、人間は龍人の奴隷となっていた為、龍権戦争が起きた際に代理をやらされたのだ」

「正解だ。ヒトラ。さすがだ」


 クラス分け試験を免除された、この学校唯一の特待生だ。この国の隣の国の貴族らしく、わざわざ遠くからこのユウツオ冒険者育成学校に入学した留学生みたいな人で、頭がよく、運動もできて、魔力の扱いも上手という、まさに優等生だ。


「付け足すと、龍人達は自分達自身の力が強すぎて、戦争をすれば、龍人の世界であるアーカディアを自分達で破壊してしまう可能性があったからでもある。人間がかつては龍人の奴隷であった。この事実を権力者達は否定する者が多いが、この事実こそがギルドを立ち上げる事になった要素であるので、絶対に覚えてくれ! では歴史を進めよう。龍人への反抗勢力であったギルドの前身は、今とは全く違う組織であった。龍人に対抗する事だけを考え、冒険者などは無く戦士や兵士といった人達で構成されていた。さて、何故、今のギルドとなったか? わかる奴――」

「はい! それは私がっ!」

「お、おう。ヒルデよろしく」

「はい。任せて下さい。ズバリ! 大魔女サヤ様のおかげです! 新界歴260年頃からサヤ様がエデンの各地で人々に呼びかけていた事が記録に残ってます。その後たった2年でギルドを創設しました。当時は戦う為に作られた組織と人々は勘違いをし、人族軍などと呼ばれていましたが、サヤ様はギルドは人族の発展の為にあるべきと仰られ、冒険者、研究者、運営者の3つの体制を作り、龍人よりも人族が繁栄すれば、奴隷など関係無いと、戦う以外の道を示してくれたのです! それから――」

「分かった。ありがとう! もう大丈夫だ」


  なんだ?! このサヤ様大好きっ子は! こんな奴いたか? いろいろと詳しそうだけど、なんか怖いなぁ。でも今度、それとなく声かけてみよう


「今、ヒルデが答えた通り。ギルドはサヤ様が創設された。3つの役割が違う仕事や冒険者のランク、支部に1人いるギルドマスター、国に1人の最高位グランドギルドマスターなど、あらゆる基礎を作ってくれた。そのギルドを中心に龍人へと抵抗し、発展し、新界歴1297年の1000年以上たった今日まで人族は繁栄する事が出来ている。では、サヤ様が作ってくれた最も大切な事は何か? タツキ」


 えっ! 俺? ここでいきなりかよ!


「えっと……。ギルドの精神とかですかね?」

「そうだ! よく分かってるなタツキ」


 ふぅ。先生が好きそうなワードを出して上手く切り抜けたぜ。

 なんか視線を感じるので、教室を見渡して見ると何故か目が合う奴が多い。というか、生徒全員の視線が俺に刺さる。

 あっ。これは、スイッチを入れてしまったかも。


「最も大切なのは、ギルドの精神だ! 今の冒険者は、金さえ出せば何でも引き受けてくれる何でも屋に成り下がっている。本来、冒険者とは人族の発展の為に、新天地に向かい、新素材を探し、新食材を見つけ、未知の領域を冒険をする者の事を指すのだ! そして、その冒険者を支える為にギルドはあるのだよ。世界各地で冒険者が人族の為に命を賭けて行動できるのは、運営者達の献身的なサポートがあっての事だ!」


 これは、長くなりそうだ。

 毎週、週の初めが、この熱ーい授業から始まるのだから、皆さん午後の身体を動かす授業が待ち遠しいみたいで。身体を動かすのは嫌いじゃないけど、俺はクラスメイトについていけないから、ちょっと憂鬱になるんだよなぁ~。


 まっ。今週も頑張りますかね。

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