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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第一章 旅立ちは機械少女と共に
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第26話 お願い?

「さすがですね。マスター」


 妖怪床舐め娘が妖艶に立ち上がった瞬間、色っぽい女子高生に様変わりした。


 両腕をクロスさせて、ニットを躊躇なく脱ぎ捨てて、ブラウスのボタンを下からゆっくりと外してしく。3つめを外すと胸に引っ張られて開いたブラウスの隙間から小さなおへそが見えている。

 全てのボタンを外しブラウスを床へと投げ捨てると、すぐにスカートのホックを外してチャックを下げる。スカートがストンッと床へ落ちて3日前ににも見た下着姿の女子高生が完成した。


 脱衣を初めてから2分も経っていないだろう。ノアはその間、流れるように止まる事なく、戸惑う事なく、迷う事も無かったように見える。一方で俺はだんだんと罪悪感が増していき、後悔が膨れ上がり、最後には目を閉じてしまった。


 何をやってるんだ。俺は。


 本当にこれは必要な命令だったのか? 俺の好奇心と下心を満足させたかっただけじゃないのか?


 目を開くと、ノアは両手を後ろにまわして、ブラのホックを外そうとしているところだった。


「ちょっと待てノア!」

「どうかしましたか?」

「後ろ向きなさい」

「なぜですか?」

「いいから。命令だ」

「わかりました」


 ここまできたら最後まで、やらねばならない。だがしかし、ノアのお胸を俺以外の誰かに披露するワケにはいかない! いや、俺が見たいワケではない。もしそうなら俺は今、ノアの向こう側、入ってきた入口の方へと移動しているだろう。

 俺は、ノアに恥ずかしい思いをして欲しくないのだ。今さら何言ってるんだ? となるかもしれない。それについては俺が悪かった。

 後がないと思って、焦ったのかもしれない。領主に気に入られなければ、この先の冒険が苦労する事になる。そんな事はどうでもいい。

 忘れていた。

 俺にとって大事なのはノアだ! ノアと一緒なら、どんな困難も乗り切れる。アイツはロボットかもしれない。そういうプログラムで動いているアンドロイドなのかもしれない。けど、俺の事を1番知ってる。理解してくれる。たった1人の信頼できる仲間じゃないか!


 気づいたら、ノアは裸になっていた。


「ノア。すまなかった」

「いえいえ。で? 前を向きますか?」

「いや。服を着てくれ」

「タツキ君。もういいかね?」

「いいえ! もういいのは俺の方です! そもそも俺とノアの信頼を証明しろってのが間違っている。そんなものはいらない! 俺はノアを信じている! 誰に何と言われようが、間違いない。絶対の信頼がある! 俺もどうかしていました。領主というこの街で1番の権力者に言われて、証明しなければならないと勘違いしてしまったんだ。だから、この失態については俺も何も言いません。けどこれ以上何かを要求するなら。もういい! 俺はノアとこの街を出ていく!」


 俺は叫びながら、振り返って領主を睨みつけた。


「いやぁ。ワシは止めようと思っていたのだが。変なダンスのあたりから……」


 えぇえええ?


 そういえば、声がかかっていた気はしたけど、更なる要求をしているのだと思っていた。違ったの?


「今、タツキ君が言うたとおり、君がノア君をどれだけ信頼しているかは、どう証明のしようも無い」

「えっ? だって。証明しろって……」

「証明しろとは言ってない。証明できるのか問うただけなのだが。まぁワシもちょっと意地悪がすぎたかもしれんな。タツキ君が証明できると宣言してみせれば、それで良かったんだ。なにしろワシは君を信用すると言っているからね」


 領主は笑顔で、料理を食べ始めた。しかし隣の2人は俺の事を睨みつけている。


「アリムフ様に向かって今の言い方は許されないな」

「いくらなんでも、ちょっと失礼すぎるとは思わないのか?」


 おっと、怒っていらっしゃる。


「ロン。トゥーモ。よい。ワシにも悪いところはあった。2人とも下がってくれ」


 領主に言われて護衛は初期の位置へと戻っていった。代わりに俺の護衛が初期位置へと戻ってきた。ちゃんと服をきた状態でだ。


「脱衣を命じられるのは予想していましたが、後ろ向きになれと言われるのは予想外でしたね。マスターどうしたんです?」

「どうもしてないよ! お前の大切さをちょっと忘れていただけだよ」

「そうなんですか? 大切さなんて、忘れているどころか、最初から入ってないと思っていましたよ。驚きです」

「お前なぁ…… まぁいいや。今のは俺が悪かったから何も言うまい」


 コイツはロボットだ。多分、俺が気を使わなければ、気にする事は無いだろう。だからこそ気をつけないといけない。俺の為になら悪魔にでもなれるこの機械娘をちゃんと見てやらないといけない。なんとなくノアだけではダメだったんだろうなと理解した。


「それでは、領主様。そろそろ本題を話し合ってもらっても良いでしょうか?」

「何言ってんだノア? 俺達が信用できるかどうかの話だろ? もう結果が出たから良しとするんじゃないのか?」


 領主のお気に入りのシェンユと仲良くする怪しい2人が信用できるのか? それを確かめる為の昼食会じゃないのか?


「ノア君の言う通りだ。実はな。オネガイがあってのぅ」

「「お願い?」」


 どうやら、本当に話の続きがあったみたいだ。領主からのお願いって何だ? しかもそれが本題って……


「シェンユの事なのだが。そうだな。まず、2人はシェンユの親の事を何か聞いておるかの? 親ではなく親族についてでもいいんだが」

「いいえ。特には何も聞いていません。あっ。けど確か、実家は離れた所にあるってだけ聞いています」

「うむ。そうかぁ」


 領主はサンタさんみたいな髭を撫でながら何かを考えているようだ。時々そうするんだが、きっと癖なんだろう。


「よし。親や親族に関してはシェンユ本人から聞くといい。確証はないが、タツキ君には話してくれるだろう。少し長い話になるのでは、料理を食べながら聞いてて欲しいの。まだ、あまり食べてないだろう? ワシはもう食べたのでな」


 よく見ると領主の皿にあったナンもどきが無くなっていた。そういえばこの人、タイミングがあればモグモグしていたからなぁ。


 この料理も結局は中華まん達と同じなんだが、具材を2種類混ぜて食べてたりできるし、少し食べ方が違うので、中華まんに飽きてた俺には嬉しい料理だ。これが貴族の料理なら今しか食べられないかもしれない。しっかり味わっておこう。


「2人は街でシェンユはワシのお気に入りという話は聞いておるかもしれんが、それは間違いない。彼はとってもいい子でな、個人的に深い関りを持って仲良くしたいと思っておる。本人は少し煙たがっているようだがな。だがそれだけでは無い。ワシはシェンユの親族から訳あって彼を託されているのだ。詳しい事は言えんが、ワシだけでなく、このユウツオの街は彼の親、祖父、先祖など昔から親交があり、大きな借りがあるのだ」

「ハオラン様から伺いましたが、この街は元々、亡国となった魔法国家エルデ・ミデリオとの交易の為に造られた交易拠点が発展したものだと。もしやシェンユさんは魔法国家エルデ・ミデリオの生き残りでしょうか?」

「いや、それは違うな。その事も本人から聞くとよい」


 そういや、あの兎車の人が、そんな話をしていたな。シェンユの一族が魔法国家の人では無いとなると、交易拠点の発展に力を貸してくれた人々って感じかな? だとしたら、なんでユウツオに住んでないんだ?


「まぁ今は、シェンユの親族に、この街が大きな借りがあるという事を理解していればよい。それで、シェンユを託された時にできる限りの事をすると約束しておるのだ。ワシとしては彼が願う事は全て叶えてやりたいと思っておる。なんならワシの子供達の誰かと一緒になってユウツオの街で何不自由無く暮らして欲しいと思っておる。義理だが、ワシの子供になってくれるし」


 凄い愛されてるな。これはシェンユが煙たがるの分かるな。


「だが、本人はそれを望んでいない。そして欲というものが無いぐらいに謙虚であり、これまでも大して我儘を言った事が無いのだ。また、ワシの私財でできる事は限られている。もしもシェンユが帝都を攻めたいからユウツオの兵を貸してと言ってもワシは貸してやると言うであろう」


 えっ! そこは貸すの? なだめるとかじゃないの?


「もちろん、それはできない。それはワシ個人でできる事では無いからな。もしかするとシェンユに賛同する兵が個人的にいるかもしれぬが、領主としてそれを許可する事はできない。ギルドマスターにしてくれと言われてもできないな。彼がギルドマスターとは素晴らしいと思うが、ワシとワシの私兵ではクー君、ラガルガ君、ローゼス君とを倒す事ができないからな」


 溺愛というか、何というか、このおじぃさん少しヤバイ人じゃないか?


「それで本人と話し合って決め事をしたのだ。まず、この街にいる限りは、何不自由無く生活できるという事。もちろんシェンユの望む形でだ。ワシは貴族としてこの館に住んで欲しかったのぉ。それから、ワシ個人の力とユウツオの街で可能な範囲で、3つの願いを叶えるという事だ」


 もしかしてシェンユは星の絵柄の入った7つの玉を集めたのかしら?


「この取り決めをしたのは10年ほど前の事なのだが、これまでシェンユは1度も頼み事をしてこなかった。だというのに昨日の夜、突然やってきて頼み事をしてきたのだ。それも信じられない内容だ。何度も確認したが間違いなど無く、脅されたでも無く、自分の意志で考えた主張であるとハッキリと言いおった。まったく困った事だ。なによりも困っているのが、その内容がワシ個人の力とユウツオの街で可能な範囲に収まっているという事だ。断る事が出来ない」


 叶えれるのに、溺愛しているシェンユのお願いなのに、断りたいとは、かなり変な望みだったんだな。アイツ変わってるからなぁ~。いったいどんな事をお願いしたのやら。


「なるほどですね。それで私達を見極める必要があったと」

「そういう事だ。では肝心は話をするかのぉ」


 えっ? どういう事だ? 俺は後を振り向いたが、ノアはまっすぐ領主を見たままで、何も合図をくれなかった。

 咳払いが聞こえたので向き直って姿勢を正すと、領主は両手を椅子の肘掛けに置き、ふんぞり返って偉そうにしていた。


「何かお願いはあるかの?」

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