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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第二章 冒険者学校は才女だらけ?!
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第104話 元気ニ、ナリマシタカ?

夏休みだー! とても嬉しい。

しばらくは、ペースを上げて、たくさん書きたいと思います。

でも、遊びにも行きたいなぁ~

 目が覚めた。


 どのぐらい寝てたのだろうか? 丸1日ぐらいか? それとも2時間ぐらいだろうか? 少し前までの怠さがスッキリしてるから、結構長時間、寝ていたような気がする。


 いや、コレはまだ夢だな。


 俺には分かる。間違いなく夢だ。身体がスッキリしすぎてるし、心もスッキリしてる。

 なによりも、透き通るような青い髪で綺麗な青い眼をした女子高生の美少女が、俺を見つめ返して寝ているのだから。


 ゆっくりと手を伸ばして、消えてしまいそうな、彼女の頬に触れる。彼女は無言で動かずに、じっと俺を見つめている。


 幻なんだろうか? しかし、しっかりとそこに触れた感触がある。でも、やはり夢だ。現実なら、こんな事したら辛辣な言葉をどれだけ打ってくるか。


 夢だけど、会えて良かった。夢でさえ出てきてくれなかったら悲しい。

 あの人は、もうハッキリとは思い出せなくなってしまったから。夢に出てくる事はあっても、どんな顔だったか思い出せない。


 両手を伸ばして、彼女の肩の上から背中へと回して、強く抱きしめる。

 普通なら出来ないが、夢ならいいじゃないか! だって、もう、覚めてしまったら会えないんだから。


 彼女の身体を引き寄せると、腕を俺の背中へと回してくれる。こんな優しいのは初めてかもしれない。

 密着したので、彼女の大きくて柔らかい胸が、俺の身体に当たる。

 不謹慎ながらドキドキしてしまう。まさか、死者の幻に興奮してしまうとは。


「元気ニ、ナリマシタカ?」


 なんかイントネーションが変だけど、1週間ぶりの懐かしい声だ。


「まだ、立ち上がれそうにないな」

「昨日ヨリハ、元気カト見受ケラレマス。生殖機能ニ至ッテハ、全ク問題ナイ、ト思ワレマス」


 昨日? この夢は昨日から続いてるのか?


「っ!」


 これは夢じゃない! 現実だ。


 俺は飛び起きて、ベッドから2メートルほど離れる。


「お前。誰だ!」


 ノアの姿をしていてノアの声をしているが、こいつはノアじゃない!


 ジークから送られてきた刺客か?


 ここは異世界だ。姿や声を変える方法はあるだろう。もしかしたらヒトラ様が使ってた魔闘気の(シン)(イン)で、幻覚を見せられているのかもしれない。


 ノアらしき奴は起き上がってベッドから降りて、俺の対面に立った。


「初メマシテ、マスター。私ハ、KATANA-HIPP-004-Dト申シマス」

「…… は?」

「KATANA-HIPP-003-Dカラノ命令ニヨリ、マスターヲ護衛スベク、参リマシタ。敵デハ、アリマセン」


 えっ? なんだって?


「あの~、誰が、誰に命令したのですか?」

「マスタート、コレマデ共ニ行動シテキタノハ、KATANA-HIPP-003-Dデ、私ハKATANA-HIPP-004-Dニ、ナリマス。

04-Dデモ、ノア4号機デモ、ノア4デモ、好キニ、オ呼ビ下サイ」

「なんだって!?」


 衝撃的事実! ノアは複数機、存在した。


「ドウゾ、椅子ニ、オ座リ下サイ。マスターガ、元気ニナッタラ、話ヲスルヨウニ、指示ヲ受ケテイマス」

「お、おう」


 俺はKATANA-HIPP-004-Dが机から引き出してくれた椅子に座った。

 名前、長いな。そういえばノアも会った初日に、なんか言ってたっけ? とりあえずノア(ヨン)と呼ぼう。そしたらアイツはノア(サン)か。ノアさん…… なんか〈さん〉付けになってしまうな。


「ノア(ヨン)はノアさんの命令を受けて、俺の護衛とサポートに来てくれたんですか?」

「ソウデス。ノア3から手紙を預カッテマスノデ、ドウゾ」

「何故、手紙?」

「ソノ方ガ、温カミガ、アル。トノ事デス」

「……そうっスか。ノアさんは、無事なのか?」

「現在ハ修理中デス」


 修理…… そうか、生きてるのか。というか修理できるのか!


 勝手に予備パーツとか無いワンオフ機だと思ってた。もしかして、いろいろと置いてある倉庫って、予備パーツとか修理する設備とかもあるのかな? そうかもしれん。


 ビックリ情報が多すぎて、素直に喜ぶタイミングを逃してしまった。


「そうか。生きてるか」


 俺はこれからも1人じゃない。


「良かったぁ」


 とりあえず手紙を読むか。もしかしたら遺書かもしれないからな。


 んっ?


「……これは手書きですか?」

「プリントアウトデス」


 温かみ半減じゃん。


『マスター。ユウツオに帰れましたか?

 マスターがこの手紙を読んでいるという事は、私はもう、この世には居ませんね。私の代わりKATANA-HIPP-004-Dを可愛がってあげて下さい。



 冗談です。』


 やめろっ! アホ! マジで死んだと思ってたんだから、ふざけた冗談を書くんじゃねぇ!


『まずは、ちゃんと逃げて生きていてくれて、ありがとうございます。私にとってマスターが生きている事が最重要案件になります。マスターがいるからこそ私の存在意義があります。

 これを機に魂に刻んでおいて下さい。今後また同じような事があったら、自分の命を優先して下さい』


 それは考えておくよ。でも次は、お前を失わないように強くなっておくつもりだ。


『次に、その後と現状です。ジークと戦闘となってすぐにKATANA-HIPP-004-Dをターン・システムで呼び寄せて、大平原へと走らせました。囮にするつもりでしたが見破られた為、そのままユウツオへと走らせ、私の代役を務めるように命令しました』


 マジかぁ。ノア4は、あの大平原を単独で走ってきたのか。まぁ、ノアさんと同じなら、休憩は必要ないし、それなりに戦闘力もあるだろうし、でも怪人とか、あのデカいワームとかと出会ったらマズイんじゃないのか?


あっ、でも、索敵能力も高いのか。万能すぎるだろ!


『右腕を失ったのは見てましたよね? マスターを投げた後に左脚を切断されたので、ユニットBBごと爆破しました。さらに右脚のユニットBBも失った所で、ジークの目的が私の左腕が欲しい。との事でしたので、情報を与えるのは嫌でしたが、左腕を差し出すと、上機嫌で帰っていきました。謎です。


 その後ターンシステムで、私自身を倉庫に移動させました。ですので私は今、両腕と左脚が無い状態で修理中です。いろいろと情報の整理、修復、テスト稼働を含めて10日ぐらいでは戻ってくる予定です。その間の事はKATANA-HIPP-004-Dに任せてます。


それから、今後の事です。今回の事は、強者である私が人族最強のジークと幸運にも出会えたので、居ても立っても居られずに、手合わせを申し込んだ。という事にしてあります。

 そして、多くの方に迷惑をかけ、マスターの顔に泥を塗ってしまった故に、自分の行動にショックし、自室にて引きこもり兼自宅謹慎を10日ほどしている事にしています。

 ユウツオへの帰還は、大平原横断ルートを、和解したジークに送ってもらった事にしています。


 フォルスト様の住まい、シャンウィ様シェンファ様の孤児院にも説明の手紙を出しています。私が戻ったら一緒に謝罪に行きましょう! ギルドとか学校にも。よろしくお願いします。


 マスター自身は無能で愚かなメイドを、優しく励ます為に一緒に引きこりをして下さい。何かあると困りますので、KATANA-HIPP-004-Dと一緒に部屋に閉じこもっていてくれると助かります。あまり変な事をしないで欲しいのですが、部屋に閉じこもりっぱなしはストレスかと思いますので、どーしても我慢できなかったら、胸を揉むぐらいはしてもいいですよ?』


 しねーよっ!


『最後にKATANA-HIPP-004-Dについてです。基本スペックは私と同じです。なんでも出来ます。違いは魔導コアがありません。

 これは大きな問題になりまして、まず、疑似感情プログラムが無いので人間との円滑なコミュニケーションが出来ません。ロボットっぽい喋りをします。あとターンシステムが使えません。なので、倉庫から拡張ユニットを持ってこれませんし、カップ麺も出せませんし、なによりエネルギーを供給出来ません。現在の貯蔵量で問題ありませんが、有事の際には、逃げの一手でお願いします。

 何かあればKATANA-HIPP-004-Dに言って下さい。以上になります』


 とりあえず、遺書じゃなくて良かった。

 それにしてもKATANA-HIPP-004-Dって書きすぎ! 読みにくいよ。略しても良いじゃないか。


 もう、いろいろと気になってしまった事がある。


「質問いいかな?」

「ドウゾ」

「ノアって、何人いるんです?」

「ソレニツイテ回答権限ガアリマセン。ノア3二、確認イタシマス」


 確認? もしかして、ノア同士は通信できるのか! 便利だな。


「他ノ、質問ハ、アリマスカ?」

「ジークについては、知ってるのか?」

「ソノ件ニツイテハ、後日ノア3ガ、回答スルソウデス」

「そうか。じゃぁ、拡張ユニットについて聞いても良いですか?」

「ソレニツイテモ、後日ノア3ガ、回答スルソウデス」


 まっ、だいたい予想はつくけど。


「KATANA-HIPP-000-Dシリーズ、ニツイテ、回答許可ガ出マシタ。答エマス」


 おっ! ノアさんから返信きたのか。結構早かったな。


「私達ハ、8機マデ、存在シマス」

「8っ!?」


 8人全員来たら無敵じゃん! ジークも倒せるんじゃね? あっ。でも、魔導コアがあるノアは1人だけなのか。

 しかし、あの可愛い女子高生が8人か・・・ ノアハーレムも夢じゃないな。


「001ト002ハ、マスターガ、コノ世界二来ル以前二、世界ノ調査任務中二、破壊サレマシタ」


 ノアを破壊できる奴がいるのか! もしかしてジークか? だからノアさんは、ジークを知ってる感じだったのか。


「008ハ002ノ修理ニ、使用サレタ為、40%ノ、パーツシカ残ッテ無イ、ノデ、動キマセン。007ハ003ノ修理ニ、使用中ノ為、今後ハ、稼働不可能トナリマス。005ハ、私ノ代ワリニ、倉庫ノ管理ト003ノ修理ヲシテイマス。006ハ、機能停止中デス」

「そうか。ありがとう」


 なんか、喋ってると、だんだん違和感が強くなってきたな。短いセリフなら良いけど、長い間喋らせると、アカンな。


 誰かと会話させると、問題が起きそうだな。だから自宅謹慎なのか。


「なんにせよ、ノアさんは戻ってくるだな。本当に良かった」

「他ニ、命令ハ、アリマスカ?」

「えーっと。無いかな」

「デハ、ノア3カラノ命令ヲ遂行シマス」

「お、おう」


 ノアは4はベッドへと戻ると横たわり、頭までシーツを被った。顔が少しだけ見てえていて、影の中から蒼い2つの瞳が光るように、俺を見つめている。


 昨日、抱き枕と思ったのは、コイツだったのか。


「あの~。何してるんですか?」

「引キコモリ兼、自宅謹慎デス。ベッドで喋ラズニ、寝テイルヨウニ、指示ヲ、受ケテイマス」

「って事は、俺はそばで励ましてれば良いのかな?」

「部屋ノ中ニ、居ルナラ、好キナ事ヲ、ドウゾ」


 どうしようか……


 特にやる事は無いし、やりたい事もない。強いて言えば、フォルストに謝りに行きたいが、それはノアさんが帰ってきてからだ。

 聞きたい事も、ほとんどノアさんしか知らないだろうし、ノア4の声は長文だと聞き取り辛い。


 ノアさんが帰って来ないと何も出来ないな。なら、それまでは俺も休むか。


 ノア4が壁際ギリギリまで詰めて寝ているので、シングルベッドだか、なんとか2人でも寝れる。俺はノア4と向かい合って、もう少しだけ寝る事にした。


 この1週間の喪失感が嘘のようだ。


 死んだと思ってたノアが生きてる。ここにいるのは、ノアさんでは無いが、ノアさんと全く同じ見た目の存在だ。


「ちょっと、顔を見てもいい?」

「ドウゾ」


 ノア4の顔まで被ってるシーツを剥がす。


 可愛い。


 そういえば、特徴的な蒼い髪は、いつものツインテールじゃない。落ち込んでいる感の演出だろうか?

 それも相まってだろうか? それとも従順だからか? いつもと違って可憐で純粋な感じに見える。


 おとなしめで、清楚系な、王道ヒロインの設定でも良かったかもしれないな。


 ノア4は、ノアさんと違って、何というか守ってあげたい存在だ。そう感じる。


「ちょっと、抱きしめても良いですか? それだけなので! 変な事は――」

「ドウゾ」

「えっ? あっ。どうも」


 下心は無いぞー! 乳を揉んだりしねぇーからな! 絶対に!


 ただ、ちょっと、喪失感を胸に開いたあなたを埋めたいだけ。

 まだ、ちょっと、幻ののようで疑いたくなるノアの存在を、確かめて、感じておきたいだけなんだ。


 被ってるシーツの上から、ノア4の身体を抱きしめる。


 その瞬間、扉が少しだけ開いて、誰かが顔を覗かせた。


「タツキ~。ご飯は食べないと……」


 その声は、気をつかって昼食を持ってきてくれた、ミンレイさんのようだ。


「こ、こ、ここに置いとくから! ゴメンね! 邪魔したね。失礼しました」


 ミンレイさんは、間違えた状況把握をしたまま、扉を閉めて去っていった。


 違う! 違うんだ!


「あっ」


 そういや、俺って、今、パンイチだ……

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