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魔女が真龍に仕掛けた我儘戦争(仮です。迷走中です。少し変えるかもです)  作者: 漆本李彩(しつもと りあ)
第一章 旅立ちは機械少女と共に
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第10話 えっ!? 俺達いつのまにか友達になってたのか。

「そこの4人! ちょっと、話があるから止まりなさい!」


 シェンユがこちらを指さしながら、何故か命令して歩いてくる。実はフォルストとパメラよりも偉いのか? さすがにそうは見えないが。

 ほかの人達は、なんだシェンユか。みたいな態度で、自分の事に戻る。


「おはようございます。シェンユさん」

「おはよう! タツキ。ノア。昨日はゴメンね。突然あんな事になってしまって、オイラも予想外だったんだよ。本当は皆いい人達なんだけど、ちょっとオイラに対して過保護でさぁ~。乱暴はしてないと思うけど、大丈夫だった? ちゃんと眠れたかい? ご飯は食べた?」


 相変わらず、よく喋る。この様子だと、別に俺とノアを陥れようとかしたワケではなく、思ってたよりも大事(おおごと)になってしまった感じかな。

 特に何もしてないのに、第一街人に、いきなり罠を掛けられて拘束されるとか、異世界人不信に陥るところだった。


「ストップはお前だよ。俺ら仕事中だ。後にしてくれよ」

「そうよシェンユ。ほら、二人も止まらないで行くわよ」


 やはりシェンユに、俺らを止める権限はなかったか。パメラが無視して進んでいくので、付いていくいかない。


 普段は通れないのであろう、入口にロープのかかった階段の前に見張りが一人立っている。その人に会釈してロープを外してもらい、階段を上がろうとした時、シェンユが諦めず追いかけて来て、フォルストを掴んだ。


「なんでさ! おかしいじゃないか! オイラを助けてくれた人達だよ? 牢屋に入れて、尋問までするなんて間違ってる! それに」

「いーや、おかしいのはお前だ! まず、尋問じゃねー。ちょっと話をするだけだ。それに牢屋に入れったってのも、悪人とは離れた所にしてたし、中では拘束もしていない。なぜコイツ等の事で、そんなにムキになる?」

「友達だからだよ! 昨日、森で迷って、助けてもらって、友達になったんだ」


 えっ!? 俺達いつのまにか友達になってたのか。


「いいか、落ち着け。別に街から追放しようとしてるワケじゃねー。罰金とか、ましてや処刑とかのつもりも全くない。うちの領主様のお気に入りのシェンユちゃんが、夜に森で迷子になったんだ。そして身元の分からぬ怪しい二人と出てきた。少し話をするだけだよ」

「だったら、牢屋に入れなくてもいいだろう? 酷いじゃないか」

「そこは、お前の立場を考えろよ。領主様がお前を思ってした事だ。何より日が落ちてまで森にいたお前も悪い!」

「けどさぁ」

「これ以上は無し! 話は終わりだ! パメラ、二人を連れて先に行ってろ」


 シェンユがフォルストに足止めされている間に、ふたりを置いて先に行く事になった。本当は俺もシェンユと話したい事があるのだが、ギルドマスターをかなり待たせているとの事で仕方ない。


2階は壁沿いにコの字型の廊下があり、中央が吹き抜けになっていて、上から受付カウンターやクエストボード、正面入口などが見える。もちろん階段前で言い合いしてる2人も。


「さて、かなり待たてせてしまったわ。怒られないといいけど」


 パメラは不安な顔をしている。ギルドマスターは怖い人なのだろうか? 俺も不安になってきた。


「パメラです! 昨夜の2人を連れてきました」


 両開きの扉をノックしてパメラが言うと、向こうから扉が開いた。


「中に入りたまえ」

「失礼します」


 彼女に続いて中に入る。赤い絨毯が一面にしかれており、オシャレな照明と壁や天井に炎をモチーフにしたような装飾が目を引く。


 扉のすぐ横に大きな人が立っていた。この人が扉を開けたようだ。

お団子ヘヤ―で、顔は厳つく右目には眼帯をしているおじさんだ。袖の無いワイシャツの様な上着に鳶職の様なズボンと恰好はラフだが、右足は膝から下がなく木の棒の義足をしていて、歴戦の戦士感がスゴイ。


「かなり、待たされましたね。それにフォルストはどうしました?」

「彼がなかなか起きなかったのもありますが、途中でシェンユに捕まりましたよ。今、フォルストが対応しています。店番してるハズでは?」


 パメラは扉の開けた歴戦の男を睨みつけた。凄い度胸だ。


「すまねぇ。ミンレイと一緒に店を任せてきたんだがな。アイツ、押し付けてこっちに着やがったな。まったく。いや、俺の考えが甘かったな。リトワウ、パメラを責めないでやってくれ」


 以外にも腰の低い男だった。パメラは責任転化を狙っていたな。ついでに俺の寝坊も転化できたみたいだからナイスだ。

 この人、多分だけど、昨夜、森でシェンユにおじさんと呼ばれていた人だな。父親かな? なら、この場にいるのが納得だ。


「まぁ、いいでしょう。パメラは扉の外で待機。フォルストが来たら交代して休憩して下さい。ノアさんは話を終えてますので、センギョクさんの隣で待機をお願いします。貴方は部屋の中央へ」


 歴戦のおじさんは、ノアの見張りも兼ねているのかもしれないな。俺の後ろか。顔色を伺えないし、アイコンタクトも取れないな。俺1人でギルドマスターと話が出来るだろうか。不安だ。


「どうも、初めまして。私はこの街、ユウツオのギルド支部で、ギルドマスターをしています。クー・リトワウと申します」


 圧が凄くて、ちょっと怖い。執務机に両肘をついて手を組んで丸眼鏡を光らせてるので、息子を人型決戦兵器に乗せようといた、あの人の様な威圧感。

 服装が中華っぽい事と黒髪の長髪で聡明な空気を漂わせている事もあって、かの有名な羽扇の似合う智将の様でもある。


「では、いくつか質問に答えて頂きます」


 質問か。緊張してきた。30のオッサンになっても、職務質問の様な疑惑を掛けられる質問は冷汗が出てくる。

 ギルドマスターの両隣も気になる。俺から見て左側はアジアンビューティーな女性だが、目つきが鋭く悪魔の様な形相で、ずっと俺を睨みつけている。

 右側は人間ですらない、上半身裸で胸毛が毛深く、そのまま首から上が毛に覆われた獣の顔をしている。半開きされた口から除く鋭い牙と、三角形の耳からすると、犬か狼の獣人だろうか。


 獣人か。感動だ。ぜひ女性の獣人も見てみたい。


「名前を教えていただけますか?」

「サトウ・タツキです」

「森で、シェンユと会ったと聞いてますが、どうやって森に?」


 さっそく困ったぞ。はて? 俺はどうやって、あの森に来たんだろうか? 王族に召喚されたワケでもなく。どこにでも行けるドアをくぐって来たワケでもない。神に会って、それから…… 気づいたら森の中で寝ていたんだ。


「すみません。覚えていないです」

「……」


 ギルドマスターは隣の女性とと目を合わせている。何か思われたかな? 正直に言ったんだが、それらしい嘘をついていた方が信用できただろうか。


「タツキさんは、お名前がワナン国の特徴をしていますが、フラタギス公国の貴族の方だそうですね。どこの血筋なのかお聞きしても?」


 えっ!! ええええぇぇぇぇえ??

 俺って貴族なの? 絶対に違うと思うんだけど、なんでそうなったんだ? もしかして、神のいた所とノアと会った森の間に、貴族に召喚されたイベントがあったのだろうか? 何か問題が起きて、森に転移か、召喚自体が失敗して森に出てきてしまったとか。

 だが、分からないものは、分からない! 真実はノアに聞くしかない。上手く言い繕える自信もないし、今は正直に答えよう。


「分からないです」

「……」


 ギルドマスターは隣の女性とと目を合わせている。2度目だ。


「では最後に、そちらのノアさんは貴方の侍女と聞きましたが、とても大切になされている様子ですね。彼女はどこの者でしょうか? 名家の血筋ですか?」


 いや、名家とかではない。そもそも血なんて通ってないし、親とか祖父とかもいないだろうし。でもあれかな? 神が作ったって事はアイツが生みの親か、それで通じるだろうか。


「ノアは、神が授けてくれたのです。血筋などは知りませんが、たった1人の味方なので、大切にしなければならない相手です」

「ククククク」


 獣人の方が笑い出した。正直に答えたんだが、思い返すとクサいセリフかもしれない。しかし神に就けてもらったのは事実だし。


「俺は、白でいいと思うなぁ。嘘の臭いも、しないな」

「クー、私も白で良いかと思います」

「そうですか」


 なんだ? やっぱり、疑われていたのか。嘘の臭いって、獣人スゲーな。そんな事も分かるのか。女性の方も嘘を判別していたんだろうか? まさか心が読める能力とかじゃないよね~。


「ノアさんも反応はありませんでしたので、両名にある疑いは無し。自由としますが、センギョクさん、何か言いたい事はありますか?」

「言いたい事はありますか? じゃねーだろうよ。最初っから疑う事なんて無かったと俺は思うがね」

「そう言われましてもね。これが、私の仕事なので」

「相変わらず、かたいなクー。まぁいい。ノア。タツキ。すまなかったな。コイツは仕事に真面目な奴でよぉ」


 このセンギョクって人、強面だが、物腰が低く話の分かる人のようだ。あのシェンユの保護者みたいだし、そりゃあ、話を聞けるよな。


「いえ、私もマスターもしっかりとした身分を明かせる物を持っていませんでしたので、ギルドの方々は、自らの仕事をしただけでしょう」

「そう言ってもらえると、助かるなぁ。シェンユの事はありがとうよ。アイツは領主様のお気に入りでなぁ、本人は嫌がっているが。じゃ、俺は店があるから帰らせてもらうぜ。クー、こいつらに親切にしてやれよ」


 片足が木の棒で出来た義足なのに、器用に扉を開けて、しっかりと歩いて出て行った。廊下にはパメラが1人で待っていた。フォルストはまだシェンユと話してるのか。


「あぁ、パメラ。扉はそのままで。二人を下のカウンターのルーファンの所に連れて行って下さい。ノアさん、タツキさん、そこで今後の説明を受けて下さい」


 よかったぁ。これで、自由か。ギルドマスターの圧が凄いから、あまり長居したいとは思えない部屋だよ。この人何歳だろう? 貫禄あるけど、若そうに見えるし。って、じっと見てたら急に立ち上がった。なんだ? 不快に思われたか?


「私も心が無いと思われては、嫌ですからね。要らぬ疑いをかけてしまい。失礼いたしました。ユウツオにいる間はギルドが出来る限りの事はしましょう」


 驚いた事に、ギルドマスターが頭を下げた。両隣の二人も一緒に。


「マスターに対して、手荒な事をせず、紳士な対応、感謝致します」


 俺がボケっとしている間にノアは、即座に言葉とお辞儀を返した。さすがだ。

 俺も、慌てて頭を下げる。怒ってなくてよかったわ~。

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