ハムスターと異世界②
一日置いて書いた文章を読み直すと改善点が見つかりますね。
先ほどまで歩いていた緑あふれる景色は、さらに緑と紫を増し、そして暗くなっていた。
別に夜っていう訳じゃない、なにせ夜まで歩ける体力が僕にはないからね。
森の中にいるんだ。あのまま歩き続けたら森が見えてね。
道は未知ってくらい見えないのに。
入ったのは引き返したり道を変えるより、食料や火の確保がしやすいんだろうなって思ったから。
でもよくよく考えると、火を出す道具なんてないし、何が食べれる物なのか見分けも付かない。
考えが浅はかだとこうなるって遭難初日に教えてくれた神様はとても優しいよ。
涙がでそうだ。
ばにらちゃんは何やってるのか分からないけどポケットから出てこない。
撫でまわしたいな、お腹を抓んでムニムニしてやりたい。
一部植物が紫色に変色…いや、元々こんな毒々しい色なのだろうか、食べれば死にそうなのが生えている。
「ばにらちゃん、あれ食べれると思う?」
赤紫色の小さい果実、見た目はキウイに近いけどやっぱり色が恐ろしい。
ばにらちゃんは顔だけポケットから出して、ギィギィ鳴いて首を横に振る。
うん、ばにらちゃん賢くなってるって言うか、僕の言葉わかるんですかね。
こんなのでもコミュニケーションが取れて嬉しいけどさ。
「ばにらちゃんが言うならダメなんだろうね他のを探すよ」
僕が残念そうに話すと、顔も引っ込めてしまう。
それから1時間近く歩き続けたが、成果はゼロ。暗さと疲れが増えていく。
「ばにらちゃん、僕疲れたから少し座って休むよ」
まともな色の樹に寄りかかり、ポケットからばにらちゃんを引っ張り出す。
「もう少し歩いて何もなかったら引き返そうね」
言いながらもばにらちゃんの頭を撫で、背中を撫でまわしお腹を人差し指でグリグリする。
いつも以上に嫌がられている気がする。
気がするだけだと思うのだけど、僕の指を避ける。それも凄まじい速さで。
「ねえばにらちゃん、嫌がってる?ごめんよ」
口ではそう言うものの手が、僕の指がばにらちゃんを撫でようとするのをやめない。
やめられない、そもそもやめる必要があるのだろうか。これは僕の栄養だからね。
僕の手から逃げるのが面倒になったのか、ピョンと地面を飛び降り当たりを見渡している。
隠れる場所でも探しているのかな、危ない物がいっぱいあるから帰ってきて。
でも慌てて手を伸ばしたり声をかけると、驚いて走りだしてしまう。
だから膝をつけて、ゆっくりと後ろから優しく手を伸ばす。
あと少しで届くといったところで、ばにらちゃんが急に首を右に曲げる。
なんだと思い僕もその方向に目を向けると、ガサガサと音を立てながら一匹の動物が姿を見せた。
距離にしておよそ10メートルほどだろうか、あれは僕を餌として見ている。
木漏れ日を浴びたその体は、薄黒い豹のようにも見える。
全長はおよそ2メートルぐらいだろうか、僕の頭なら一口で食べられるだろうね。
僕のハムスターは白いオブジェクトのように微動だにせず、黒い豹を見続けている。
「ばにらちゃん、どうしよ。逃げられないよね」
恐怖からか不自然なほど冷静な頭が逃げ道や方法を探すが見つからない。
木なんて登れないし、走って逃げるのは不可能。
武器なんて所持していないから立ち向かえもしない。
「ここが異世界で僕にすごい力がありました、なんてあるわけないし。」
黒豹は咆哮を上げ、僕に飛び掛かった。