07 神技2
エミリアが、猪から少し離れ、話し出した。
「あのぁ、タロウさん!、少しだけ我慢してくださいね?、『はい?』、我慢と言うよりも?覚悟です!、『はいぃ?』、あ、結構臭います!くさいです!、なので!、『え?、あ、うん……、ちょっ、ちょっと待って!』、え?、はぃ?」
エミリアを止めて、タロウが神技を使うと、タロウの左手に、タロウ製木製有機臭防止使い捨てマスクが、二つ出来ていた。
タロウはマスクを装着しながら、説明をする。
「こういうふに!付けるの!、鼻と口を覆うようにね!、はい!どうぞ!、『え?、あ、はぃ』」
エミリアはマスクを受け取り、タロウの様にそれを装着している、それを見てタロウが話す。
「そそ、そんな感じで、で!鼻!口!顎!と隙間ができない様にね!、『はい』、ちと?息苦しいけど?、そこは?我慢で!、『はい』、ほいじゃ!よろしく!、『はい!やります!』」
マスクを付けたエミリアが、神技で猪の内臓を取り分けた、猪の腹部は少し凹み、その手前側に、喉から肛門まで繋がった状態の各消化器官と、その周りに各臓器があった、言葉では表現しづらいグロテスクな!それを目にして、タロウが”ウッ”と声を上げる。
エミリアはその声を聴き、心配そうにタロウへ訊ねる。
「大丈夫ですか?、『あ、うん、へいき!へいき!、いあぁ、パーツごとなら気にならないけど?、纏まって見るの初めてだったから』、そうだったんですかぁ、あ、”ぱーつ”とは?部位て事ですよね?、『そそ、部品なんかも一緒ね』、了!、あ?でも、これも凄いですね!、『あ、マスクと言います、ないよりましかと思って』、臭いが、殆どしな『ああ!、あけちゃだめ!』、”ウッ”……」
エミリアは臭いを確認する為、マスクの鼻のところを軽く持ち上げてしまった、そしてタロウが話し出す。
「ゴメェン!、ちゃんと言っとくべきだったねぇ、大丈夫?、『あ、大丈夫です!、いつもどうりの臭いでした、少し油断しちゃいましたけど』、そう?、『はい』、それにしても?……、『どうしました?』、いあ?慣れてるエミちゃんでも”ウッ”てなるのに、オレ?耐えられるかな?……、『あぁ……』、ん~……、ん!」
少し考えてたタロウが、何かを思い付き、森の出口と奥を、首を左右に振り確認して話し出した。
「よし!、やってみよ!、エミちゃん!ちと?下がってて、『あ、はぃ』、ほいじゃ!」
話し終えるとタロウは神技を使った、すると猪の後ろ側、小道の50cm程上に、中に薄い黄色の霧状の物が詰まった、直径40cm程の薄い膜で出来た球体が出来ていた。
球体は地面に落ち始めているが、森の出口から吹き込む弱い風に乗り、小道に合わせて森の奥へと流される、そして、少し弾みながら森の奥へと転がっていく。
球体が7~8m離れると、タロウが再び神技を使う、すると球体が消えて、中にあった霧状の物が、風に乗り、拡散されつつ消えて行った、一連を見てエミリアが問い掛ける。
「今のは?、『臭いだけを、袋に詰めて、向こうへ飛ばした?、簡単に言うとね』、はぁ?、『ん~、あ、へいきぽい?、ん?ちと臭うかな?、今度は外してもいいよ』、はぃ……、あ、ほんとだ、『あ!、マスク!嗅がないでね!、これは燃やしちゃうから頂戴!』、え?、燃やすんですか?、『臭いが染み付いてるからね!、あああ!』、”ウッ”、『嗅いじゃダメて言ったのに』、ごめんなさい↘、『うん、オッケオッケ』」
タロウは少し笑いながらマスクを受け取り、自身のマスクと合わせ、神技で”小さい燃えるゴミ”を作る、エミリアは、それを見ながら再び問いかけた。
「タロウさん?、臭いだけ?て、どんなイメージですか?、『あ?、うん、ちと待って、これ!燃やしちゃうから!』、あ、はい」
タロウがゴミを地面に置き、右手でライターを出し火を付けた、そして神技を使うと、火が触れていないゴミが、”ボォオ”と言う音と30cm程の火柱を上げ一瞬で灰になった、それを確認したタロウは、ライターを消して、直ぐにポケットにしまった。
エミリアは、タロウの作業を見守るさい、火柱が上がると”ビク!”としたものの、ゴミが灰になった場所を見つめている、それを見てタロウが話し出す。
「マスクは材料が木材だから!、臭い付いてたし!、『あ、はい』、んで、”高温で燃えているゴミ”てな感じ、火は無くても行けたと思うけど?、”高温高圧”みたいな感じで燃やすと?、ゴミが弾けちゃったら?、また臭くなっかも?と思って、火種にライター使ったの、『え?、そこまで考えてたいたんですか?』、いあ?臭いのいやだし」
「ほいで”臭い”だけど、『あ、はい』、さっき転がした風船に包まれてた黄色のヤツて、目で見えない!ちっこい物なのよ、『はぁ?』、んとね、血液と同じで色んな成分があってね、その中に臭い素があるの、
ほら!マスク臭かったでしょ、『はい』、空気を吸った時に、その成分がマスクに引っ掛かったから、『裏漉しや、篩みたいな感じですね?マスクて?』、そそ、『そっかぁ、最初から省ける物として、解っていたからですね?』、あ?、専門家じゃないから!詳しくないけどね」
タロウが頑張って説明を終えるが、エミリアの質問が続く。
「タロウさん?、『ほぃ』、風船て紙風船と同じですよね?、『ん?』、あれも?木材からですよね?、『あぁ、そっちか、んとね?、ソーセージとかウインナーとか分かる?』、いえ?聞いた事ないです?、『ん~?、あ!、腸詰めは?』、あ!、分かります!、挽き肉を小腸に詰めて燻製にしてます!、あ、クリオの特産品です!、あるんですね!↗』、あ、うん……、で!その小腸で風船を作りました!て?ことです、『あぁあ↗、すごい!↗』、そう?↘」
情報化社会の日本に住んでいた、タロウの知識は驚く程のものではない、タロウもそれは分かっている、ただ少しだけ応用が効くだけだと、一方、エミリアに取っては、殆どが未知の知識の為、何を聞いても気分が上がっている、そして共通認識出来ることは、タロウへの好意な思いが加わり、更に気分を上げていた。
「それじゃ!タロウさん!、これ!ぶつ切りにしてバケツに入れちゃいますね、『あ!、ちと待って』、はい?」
上機嫌のエミリアを、タロウが止めて話し出す。
「さっきの様に!水分だけ!飛ばしてくれる?、『え?、構いませんけど?、干し肉みたいな感じになりますよ?』、やった事あるのね?、『はい』、でも?それでいいから!、おねぇがぃ!、『はぃ?、それじゃ!」
エミリアが神技を使い、先程と同じ位置に水分を分けた、そして猪の前にあった、グロテスクなアレが進化している、それを目にしてタロウが再び”ウッ!と声になる。
エミリアが再び、心配そうにタロウへ訊ねる。
「大丈夫ですか?、『あ、うん、想像してたよりも”グロ”かったから』、”ぐろ”とは?、『気持ち悪い?みたいな?』、了!、それで?ここで?ぶつ切りですか?、『いあ!、今度はオレにやらして!』、あ、はぃ」
タロウは、空のバケツ四つをグロイ!アレの前に並べ神技を使うと、四つのバケツの中に、それぞれ約半分まで、こげ茶色の細粒になった肥料が出来ていた。
それを眺めるエミリアに、タロウが説明をする。
「肥料なのは?分かるよね?、『はぃ』、ほら?腸の中に残ってるよね?アレが?、『あ、はい』、それを、全部纏めて練り合わせてから、バラバラにした!みたいな感じかな?、『じゃ?、これも直ぐに使えちゃうんですね?』、たぶんね?」
更にタロウが、付け足す様に続ける。
「んで、先に水分!飛ばしてもらったのは、その下の敷物!”シート”て言うんだけど、『はぃ』、熱に弱いのね、薄いし!木材だし!、『あ、はい』、ほら!オレの場合?水分抜こうとすると?、『あ、多いと水蒸気に!』、そそ!、んで?エミちゃんの協力が必要だった?みたいな?、『…………』、ん?」
説明を聞き終えたエミリアが、真っ赤な顔で話し出す。
「あのぉ、私、バラバラにする事しか考えて無かったから↘、『いいから!いいから!、オレも色々試せたしね!、それよりも!楽しかった?』、え?、はい!↗、『それは何より、ほいじゃ?バケツ持って行こっか?』、あ、はい、あぁ!、捨てる事ないなら、これもコレットさんにお願いしちゃいます!、余ってる三個は!私が貰っても?……、『ん?、どぞどぞ』、ありがとうございます!↗、それじゃ?行きましょうか!、『ほぉい!』」
森の出口に向け、エミリアは三個重なったバケツを両手で抱え歩き出してた、タロウが後に続いた。
森の出口付近までくると、タロウは歩きながら神技で、コップとストローを一組作って、ベストの左横ポケットにコップを、右上ポケットにストローを其々入れていた、エミリアは気付いていない。
エミリアは森を先に出て数メートル先にいた、そしてタロウは森を出ると足を止めてた。
タロウの目前に広がる景色は、正面に、なだらかな斜面が数キロ続く綿花の畑、その先の平地には黄金色に染まった小麦であろう畑が、畑から右を見ると海岸線と海、そのまま視線を戻すと、綿花畑に沿って真っ直ぐに伸びる用水路、その右側には、まだ緑色のリンゴと思われる実の付いた木々が斜面に沿って生えていた。
「うお!、すげぇ!きれい!」
タロウがクリオ領の全景を見ての第一声だった。
実際に美しい風景ではあるものの、タロウの知識からすれば驚く程では無かったが、イシィリアの部屋に、数ヶ月監禁されてた為に、久しぶりの開けた世界が、より美しく感じさせていた。
「そうですか?、よかったぁ!↗」
タロウが、クリオの景色を気にいったと感じたエミリアが、歩きながら答えた。
タロウは歩き出しながら、小道の両脇に目を向けて話し出す。
「お!ヒマワリ!、『おなじですね!↗』、ウンウン、おなじかな?、『それ!今年から始めたんですよ、食用油を取るために』、ほいじゃ?畑なのね?、『はい』、お?、”ワタ”は収穫時期なのね?、『はい、たぶん?コレットさん達がそこら辺いるはずなんですが?』」
エミリアは小道が十字路になった所で、タロウを待ちつつ答えてた、そして綿花畑に振り向きコレットを捜す。
タロウは、十字路に着く、そこからは幅約2mの良く踏み固められた道に変わり、小道からの直進方向も交わった左右歩行も、制度はそこそこだが真っ直ぐに伸びていた、そしてタロウが思考していた。
(「あ、ここからは、広いのね!道、2m超えてるかな?、それにしても?、水路も道も、農道かな?、かなり整理されてるのに?、森は放置?…………ん?、ん!?」)
「あ!、いた、よかったぁ、丁度通り道だ」
エミリアは小道を左に曲がり、タロウから数メートルの位置にいた、そして話し終えると、タロウの方へ振り向いた。
タロウは、エミリアの方を向いているものの、視線はエミリアの高さよりも上にあった、そして再びの硬直に気付いたエミリアが、呼び掛けた。
「タロウさん?……、タロウさん!」
反応がないタロウに、エミリアが歩み寄り、再び呼び掛ける。
「タロウさん?、大丈夫ですか?、『え!、あ、うん……、びっくりしてただけ!』、そうですかぁ」
タロウの再起動に、”ホッ”とする”とするエミリア、そしてタロウが問い掛ける。
「ねぇ?エミちゃん?、『はい?』、あれって?”石の山”だよね?、『え?、ああ、はい、石山ですよ?……、あ!あるんですね!↗』、ないないない!ないから!、『えぇ、そうですかぁ↘』」
タロウが目にした石山は、尖った山頂を頂き、激しく切り立った石の山々だった、そしてタロウには、昔のRPGに出て来た、歩けない山を実体化した様にしか見えなかった為の硬直であった。
再びタロウが思考を始める。
(「ありえねぇ、登山家でも育成する気なのか?女神さん!、てか?何を基準に作ったんだよ?、あれ?おかしくね?時間軸?、『べーす?とは?』、え?あ、基準とか?みたいな?、『了!』、『それで?、何がおかしいんですか?』、え?、ん~!パス!、『えぇぇ』」)
「うん!エミちゃん!、『はい!』、少し?考え辛いかも?、『ああ!、ごめんなさい↘』、いあぁ、あんな石山!あっていいの?て感じなのねぇ、『そうなんですか?、あ!』、ん?」
会話中に、タロウの顔を見ていたエミリアが異変に気付き、話し出す。
「タロウさん?、『ほぃ?』、だいぶ瞳の色が変わって来ましたね?、『ん?、やっぱ?黄色になるのね?』、え?、あ、はい、気付いていたのですね?、神技を使うと変わっていく事を、『いあ?エミちゃんの昔の様相聞いたし、女神さんと同じだべ?』、あ!そうですよね?、でも私、四日掛かったんですよ、変わるまでに……、『早すぎるって事かぁ?』、はぃ、『ん!心配かけて?ゴメンねぇ』、あ、いぇ」
そして、タロウが続けた。
「でもね?、神技!、使ってみたくって!仕方ないんだよね、”いい歳”して、ガキみたいだよね?、『ああ!、分かります!、私もはじ……め……の……』、ん?、どったのかな?」
エミリアが”いい歳”と言う言葉で、要約今迄の違和感に気付き思考する。
(「え?、歳?、娘?、おじさん?、あれ?、あ!確かに、父様や爺様の様に私をあしらうのは上手だ!、あ!でも?心を読まれてたら?、でもでも?おじさん?……、確かめなくっちゃ!」)
「あ、あのぉ、タロウさん?、『ほぃ』、えっとですね、タロウさんも私の考えが見えてるんでしょうか?」
真剣な表情で問い掛けるエミリアに、タロウが答える。
「ん?、見えても?聞こえてもいないけど?、とりま!ゴメン!、『え?』、いあ?先にあやまっとこかと、『……』、んとねエミちゃん?、『はい?』、表情からも、行動からも、感情が漏れてます、『えええ!、そうなんですか?』、あぁ、ゴメンゴメン!、そっかぁ、色々気になるよねぇ?、『あのぉ?、そんなに?酷い漏れ方でしたか?』、ん?、どうだろ?、オレ、頭は良くないけど?そこそこ生きてるからね、経験豊富?、豊富はモリました、ゴメン!」
赤面になるエミリア、それでもタロウに問いかけを続ける。
「そんなに?歳が離れて見えないんですけど?……、あ!、あのですね?、『ほぃ?』、”しじゅうし”とは?、『あぁ、四十四と言う意味です』、……、えっと?年齢ですよね?、『ほぃ』、
そっかぁ、だから?大人びて…………、えぇえ!、父様よりも年上……」
エミリアは、ダダ漏れ赤面状態から困惑状態へと移行していた、それを見てタロウが問い掛ける。
「あれだよね?、挨拶の頃から、手に書く”暗記術”見たいのやめてたからかな?、気付かなかったの?」
困惑状態から引き戻された、エミリアが答える。
「え?、アレもやってました?、『ん?、無意識だったの?』、はぁ、手に書かなくても出来るんですけど、『相当練習したの?』、いえ?そんなには、あ?、あるんですね?、『ないない!、あ?、似たようなやり方は?あるけどね』、あるんですね!、『けど?、練習したら出来るてもんじゃないからねぇ』、そうなんですか?、『うん、取得するのは才能ないとダメだと思うよ』、タロウさんは?、『むりむり!、オレ覚えるの?チョォ~苦手だもん!、名前とか単語とかね、それにぃ……、なんか?物忘れが酷くなった感じ?』、え?、あぁ」
タロウの色々な事から、気遣いも出来ない程に言葉を失っている、エミリアを置いて、タロウが思考する。
(「うん!、画鋲じゃない?”釘”だった!、まぁそれはいいとして?、本題に取っかかれないなぁ……、もちっと時間かけるかぁ、そすっと?次のアイテムは?……、リンゴか?」)
考えが纏まったタロウが、後ろへ振り向いて、エミリアに問い掛けた。
「ねぇ?エミちゃん?、『え?、はい』、あの青リンゴ?貰ってもいいかな?、『え?、いいですけど?まだ酸っぱいですよ?、小さいですし』、あ!それは問題ないかな?、ん?、んん?、『どうかしましたか?』」
タロウが思考し話す間に、エミリアは、極端な年齢差による困惑からは解き放たれ、落ち着きを取り戻していた、そしてエミリアが思考した。
(「そっかぁ……、30才離れてるんだぁ……、優しい訳だぁ……」)
タロウの方はリンゴの木以外にも興味をそそる物を見つけている、その為、エミリアが早々に落ち着きを取り戻している事に気付いていない。
「ねね!エミちゃん?、『はい?』、リンゴの木の前に生えてる!一回り小さ木てさ?、柑橘系のヤツだと思うんだけど?、葉っぱが!、『あぁ、あれはレモンです、野生ですね、あ!、どっちも』うん!あるよ!、たぶんだけど!、『え?』、あ?食って見ないと分かんない!て意味ね、『あ、はい』」
タロウが続けて問い掛ける。
「オレンジはないけど?、レモンはあるんだぁ、『はい、レモンはかなり前からあるみたいです、私も家の近くで育てますよ』、そなの?、『3年前からですけどね』、ん?試験的て訳じゃないのね?、『えぇ、人気ないんです、アウラでは、私もたべないですし』、え?、じゃぁ?何で?、『ほら!、同じ色だから!レモンの実と』」
タロウへ両目を”パッチリ”と見せるエミリア、それを見てタロウが話し出す。
「そっかぁ、でも?勿体ない!、『お好きなんですか?』、バクバク食う訳じゃないけどね、『あぁぁ』、ん?、『いえ、冬だったら?ご馳走出来たなぁ?と』、収穫て11月ごろだっけ?、『はぃ』、でぇもぉ?、タロさんには!考えがあるんですよ!、『え?、また何かを?』、さっき言ったじゃん!、”ウズウズ”してます!、じゃ?レモンの木使ってもいいよね?、『はい?』、あ!、エミちゃん!、バケツ!しっかり抱いててね!、『え?、はい!』、ほいじゃ!……、『わっ!』、思った通り!」
タロウが神技を使うと、エミリアの抱えてたバケツの中に、十数個の黄色に熟したレモンが出来ていた。
ドヤ顔のタロウが、エミリアに問い掛ける。
『どう?、『凄いですよ!↗、でも?』、ん?だって?あの木からレモンが出来るんだから!、『え?、えぇ』、そんかわり?ほら?、見事に枯れちゃった見たい?木の方は、『あっ……、ほんとだ』、でも?いいよね?野生だし?、『あ、はぃ』、ほいじゃ?バケツ!下に置いて!、重いでしょ?、『あ、はぃ』」
タロウは、左手でポケットからコップを出していた、それを見てエミリアが問い掛ける。
「あ?、いつの間に作ったんですか?、『あ、森の出口で、こっそりと』、……同じ作りですね?、『そそ!、あ、エミちゃん?、炭酸水て分かる?』、はい!飲んだことあります、あっちの石山で湧いてる所があるんですよ、『むぅ、少し遠いな?、なら!そこら辺から!』、あ!、『ちょっと待って、毒味するから!、”コクコク”、……うま!、なにコレ?、自分で作ってなんだけど?、あ!、飲んでみて?、はい』、あ、はい……、頂きます、”クビ”……、”クビクビクビ”、なんですか?コレ!、チョォ!美味しいんですけど!、”クビクビ…… 『あぁぁ、エミちゃん、そんなに一気に飲んじゃうと……』、”フゥ”、はい?……、”ゲッフ”……、『うん?ゴメェン』、ぁ、ぃぇ、こちらこそ↘」
タロウは、エミリアが平静に戻っていることに、違和感を感じた。
(「ん~?、もっと?”グダグダ”になると思ってたけど?……、まっいっか!」)
そしてタロウが、話し出す。
「ほいじゃ!、いこっか!、コットンさん所に!」
エミリアが答える。
「はい!、コレットさんですよ」
二人に笑みが零れた。