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03 出合3

 「えぇ~とですね、みすぼらしい?とか、たいしたものじゃない?、てな感じ」

 青年は少し”落ちて”いた。

 「んふ、ごめんなさい、オッケーです」

 エミリアは含み笑いをして、受け答えた、手袋をしたままだが、手の平に書く仕草は続いてる。

 そして青年は思った。

 (「あぁ、あしらわれてますね、まぁいいけど、カワイイし、笑うと特に」←注

 エミリアが青年から顔を背け、頬が赤く染まる、青年がそれに気付き。

 「あ、ゴメン、漏れちゃったのね」

 「あ、いえいえ大丈夫です、そそっそれにですね!、この手袋!」


 エミリアが青年の方に、両手の平を大きく開きながら小刻みに振る、顔を青年から隠す様に、そして両手の平を自分の顔へ向け、手袋を見ながら話を続けた。

 「これ、本当にいいですよ!、庭の草むしりとか、畑仕事とか、凄くつかって……、マジ!いいですよ!、チョォ!使ってみたいです!」

 青年を見、両手を”グッ”と握りエミリアが語った、青年は嬉しそうな笑みを浮かべながら、エミリアに言う。

 「そういう作業用の手袋なんだ、もともとはね、”軍手”て言ううんだけど、あっ、でもね、”ツルツル”した物とか、ハンマーとか鎌の柄の部分見たいのは、あぁハンマーは金槌のことね、『はい、金槌は解ります』、ほら!木で出来た握る物て、使い込むと”ツルツル”してくるよね、『はい』、そぉいうのを振り回してちゃうと、すっぽ抜けちゃう事があっから、『なるほどぉ』」

 青年の話を聞くエミリアは、また手の平の上で指を滑らせていた、青年は話を続けた。

 「そだ!、コレ!触ってみて!、それとぉ、もちっと材料貰っても?いいかな?」

 「はい、構いません」

 青年は頭からカチューシャを左手で取り、エミリアに手渡した、エミリアは、それを両手で受け取り、顔の前で見入っていた。


 カチューシャを渡した青年は、エミリアの了承を受けるとすぐ、先程の若木に目を送った、そして”シュゥッ……シュゥッ”と二回音を立てて、湯気と共に若木が根元まで消えた、代わりに青年の前には、黒い小さめの箱が一つ、黒い箱よりも一回り大きめの、白い箱が二つ出来ていた。

 青年は呟きながら箱をかたづけた、白い箱はベスト下段ポケットの左右に各一つづつ、黒い箱は左膝の上に乗せた。

 「うっし!、色もいける、数もオッケ!」

 エミリアは、カチューシャを受け取ってから思考していた、青年の一連の行動も視界に入れて。

 (「あ、本当だ!少し滑る、あれ?よく見ると布地に見える?、あ!手袋も布地だから?、えぇ?同じ素材でこんなに硬さが変わるの?、不思議だなぁ?、ん?、今度は箱?、さっきの白いやつより大きいよね、色?、数?、えぇ~!、しまっちゃうの?!、うぅ~……、聞きたい事多すぎて、何から訊ねればいいのかなぁ?」)

 青年はズボンの左ポケットから、先程イシィリアから受け取った銀色の塊をだし右手に持ち替えて、一言。

 「ほな!いっぷく!」


 青年は、先程から銜えていた物の傍に、銀色の塊を近づけながら親指で蓋らしき部分を”カァチャ”と言う音と共にはじき開る、返す指で小さな部品をさすると”ジィ”と言う音と共に、蓋の空いた本体中心部の先に小さな火が灯った。

 その火を、銜えている物の先にあてながら”スゥー”と息を吸いながら、人差し指の中程を使い、銀色の塊の蓋を閉め、手の平の中へとしまう、そして青年が”フゥー”と、白い煙と共に息を吹く、煙は直ぐに空気中に拡散された。

 それを見ていたエミリアが問いかけた。

 「葉巻?ですよね?、それ?、それとランタン?と火打石?ですか?」

 「お!、どっちとも正解に近いかな?、てか?、葉巻あるんだぁ?」

 青年がこたえ、そしてエミリアに問いかける。

 「はい、隣りの領地で少し栽培してます、”煙草”の葉っぱですよね?、原料て?、でも?、本で見たものと形が……細い、それとランタンは家にも有りますが、大きさが……小さい」

 「そいう感じかぁ、うん!、これは”タバコ”て名前で、葉巻と違うのは作り方かな、葉巻て煙草の葉を、乾燥さて、それを”グリグリグリ”てきつく巻いたやつでしょう?、『はい』、こっちは乾燥させたヤツを細かく刻んで、薄い紙で巻いた物ね、まぁ、どっちも嗜好品だから、イマイチかな?」

 青年がタバコの説明を終える前に、右手の平を開け銀色の塊を、エミリアに差し出し、話を続けた。

 エミリアは、それを左手で受け取り、右手に持ち替えてたカチューシャを、青年の右手にわたしていた。


 「これは明かりを灯す道具ではなく、火を付ける為の道具で、”オイル・ライター”という物です、あ、オイルは油て言う意味で、似たような物をひっくるめて”ライター”と言ってるの、あぁ、火ぃ付ける時は、手袋!、燃えやすいから!、気ぃ付けてね!」

 エミリアは手袋を外し膝の上に置き、ヒンジの部分が左に来るよに、ライターを右手にとった、そして青年が話を続ける。

 「片手じゃなく両手で開けてみて、『”カァチャ”』、んで、親指でそのちっこい円い所を、下に軽く回すン、『”ジィ”』、もちっと強く、下に押し込む感じで、『”ジィ、ポォポォ……”おぉ~』、あぁ、あんまり付けて置くと、周りが熱くなっちゃうからね、『は、はい!、”カァチャ”』」

 エミリアは目を”キラキラ”させながら、一言。

 「カ、カ、カルチャーショックです!」

 青年は先程の説明会で、自身が後々使うであろう怪しい日本語をエミリアに教えていた、勿論、説明中に出て来た言葉も、その為にそこそこの時間を要していたのだ、そして青年は、銜えタバコのまま、頭にカチューシャを付け、してやったりと言わんばかりの笑顔を見せていた。


 エミリアは、まだライターに夢中である、ライター自体はオールステンレス製で鏡面仕上げされてた、そこに少し歪んで写し出される自身が、何とも言えない楽しさを感じていた。

 青年は、そんなエミリアを”ニコニコ”しながら見ていた、そして短くなってきたタバコのフィルター部分を、右手の親指と人差し指で摘まみ、顔の50cm程前に持って来て、一瞬だけ目を光らせた。

 青年の親指と人差し指は”ピタ”とくっ付いていた、煙を少し残しタバコは消えていた、そして左手で、左膝の上にある黒い箱を取り、片手で蓋を開けながら右手の傍まで近づけた。

 右手の人差し指がゆっくりと上がると、親指の上には黒い小さな粒が乗っている、それを”そぉ”と、箱の中に落とす、”コッコッ”と軽い音がした、そして片手で蓋を閉めベストの右上ポケットにそれをしまった。

ライター越しに青年を見ていたエミリアが問いかける。

 「いまのは?……」

 「ゴミを片付けたところ、”ゴミ”は解る?、『不要な物ですよね?』、そそ!同じだね、タバコのオレンジ色の部分、あ、橙色かな?、『オレンジ色!解ります、果物ですよね?、本で見たことありますけど……、色はあんな感じなんですね?』、あ、うん、そっかぁ本には色がついてないかぁ」

 オレンジ色の件で少し驚く青年であったが、話を続けた。

 「でね、そのオレンジ色の部分てのが、中々土に帰れない素材で出来ていて、燃やして処分するのね、でもここで燃やすのもなんだから、とりま!”ちっこぃ燃えるゴミ!”てなイメージで、作ってみたの、ゴミだけどね」

 青年はまた”ニコニコ”しながら、エミリアに答えた。


 エミリアは話を聞いた後、少し考えてから、また青年に問いかける。

 「あの?、その”素材を小さく圧縮したゴミ”とか、もっと具体的な想像……”イメージ”とかじゃなくっても……、作れちゃうって、事ですよね?」

 「お!、やっぱ頭いいね!、てか?色々聞きたい事が溜まってると思うんだけどぉ、そろそろ?オレと女神様の話、聞いてもらえるかな?」

 青年の話に、”ハッ!”とするエミリア、青年がもたらした一連の行為で、イシィリアとの再会で動揺していた精神状態が、新しい物への興味、好奇心などに移行していた事に気付いた為だ、そしてまた問いかけた。

 「あ、あの?、今までのって……、”フリ”なんですか?、あ!誘導ですよね?……、え?でも?わたしの為ですか?……、えぇえ~!」

 エミリアは実際に頭がいい、思考するにあたっても回転も速い、しかしながら、こう言う様な出来事に遭遇うした事が一度しかない、イシィリアとの初遭遇の時だ、その時はイシィリアに身を任せるだけの状態が多かった為、問題点はほぼなかった。

 現在は違う、エミリアにとって、青年の行動は悪く言えば”ハメられた”もしくは”陥れられた”様な感覚もあった、しかしながら、イシィリアへの意識を断ち、尚且つエミリア自身の精神状態を、ほぼ安定に導いた事実が残る、そういった思考から絞り出した質問であった。

 「ん~ん、一応そのつもり、なのかな?、あ!誘導の方ね、てか!、ほら!あの状況で!オレがやらなきゃいけない事って?、解るかな?」

 青年の問返しにエミリアがこたえる。


 「わたしを、泣き止ませる……、落ち着かせるですか?」

 「うん、それも含めてだけど、オレの方としてはね、オレと女神さんの話を聞いて貰いたい、その為に必須なのはキミの落ち着きだけど、そこでオレが話をしても、オレの事、解らないままだとぉ聞いたとしても、納得出来ないと思うのよ、そもそも!まったく話を聞き入れない!ちゅう確率の方が高かったと思うし、んでぇ、やろうとしてた事の順番を、大きく替えただけ、なんだけどね」

 「でも、やっぱり、わたし……、心配されてますよね?」

 青年の話に、少し納得の行かないエミリアが、また問いただす。

 「うん!、だってオレ”女の子が()()()”だもん!、心配しちゃうよ!普通に、でも、あれだよ、オレの方は話を聞いて貰えるし、キミの方も”そこそこ?”冷静になれたよね?、『は、はひぃ』、どっちも損してないから?、問題ないよね!」

 青年の話に、エミリアが返事をした時、エミリアは困惑の表情で頬を染めていた、勿論、話の内容は理解しているが、一つの言葉(ワード)が、冷静になりつつあった心を、揺らしていた。

 (「だ、だ、だいすき?て、”お肉が、大好き!”て言うのと、違う方のだよね……」)

 エミリアには、友達と呼べる者がいなかった、同世代の者は皆、家の手伝いをしてるからだ。

 思春期ではあるものの、交流事態が少ない為に気になる人もいなかった、イシィリアを除いて、しかもイシィリアとて、まだ二回しか会えてない、そこへ異性から初めて発せられた言葉に、反応しない事は出来なかった。

 エミリアを含めその他大勢を意味する言葉が、前に付いている事は分かっているものの、頭の中で鐘が鳴り響く様に、その言葉に支配されつつあった。

 青年はエミリアから少し目を離していた為、おかしな返事は分かっていたものの、何に反応したのかまでは解らないでいた、それでも話を続けた。


 「じゃぁねぇ、オレの住んでいた所だけど、地球て星の日本て言う国なのね、あ、”星”て解る?」

 「はい!、お月様や太陽!、それと大地です!」

 エミリアは、右手の人差し指で指示すように、空へ向け腕を伸ばした、そして大地へも。

 それを見て、青年が続けた。

 「お!、天文学!解るんだ?、『あ!、聞いた事ありません!』、あぁ、んじゃそれ”パス”で、『はい、了解しま……”(りょ)』、でね、地球にも、ここの女神さんの様に、管理してる人?見たいなのがいて、神様てのかな?、まぁ会ったことないけど、神さんでいいゃ、んでね、女神さんと神さんてお友達みたいな間柄なんだって。」

 「んで、女神さんチョクチョク地球に遊び(しさつ)に来てて、その……日本をチョォ気に入っちゃたみたいなのね、”チョォ~いいンですけど!、メッチャ欲しいンですけど!、あぁあ!作っちゃっていいかな?いいとも!、うン!作っちゃう!”てなノリで、ここを作ったんだって、『あ、あの……、イシィリア様がですよね?』、あ、うん、本人はそう言ってたよ」

 エミリアは、納得出来ない表情だ。


 「ところがね、そのぉ神さんの方から連絡が来なくなったんだって、まぁ気になるよね普通、んで、日本観光かねて、様子見に地球に来たのね、『かんこう?とは?』、あぁパスで!、『了!』、したら神さん、スンゲェエふて腐れてて”あ、もういい!、アイツらめんどくさ!、しばらく仕事しね!”てな感じで、職場放棄してたんだって、『アイツら?て、だれ?ですか?』、人間だべ、『えぇ、神様ですよね?その方』、あぁ、そう考えるよね、ん~パス!、『えぇぇ、り、りょぉ!』、ゴメン後でね」

 エミリア、再び納得出来ない表情に。

 「んでぇ、そん時にオレと友人二人、んと”イチロウ”てのと、さっきの”ハナ”てのとの三人が……、事故に遭っちゃって、死んじゃったのね、『え?、でも?……、その……』、あ、うん!体ね?、もちっと聞いててね」

 エミリアの表情から、笑みが消える、青年は今まで感じていた気がかりな事が、頭を過る。

(「あぁ~、神技だけじゃなのねぇ、死んじゃう系も絡むんだぁ、ん~、そこパス!ては、出来ないよねぇ、でも?後回しかなぁ」)

 「でね!、オレとイチロウが、ほら!さっきの扉見たいな”光!?”、あんな感じの空間?を、”フヤフヤ”漂ってたのね、したら女神さんが来てね、”ねぇ?、アンタら暇?暇よね?、てかさ?もすぐアンタらの体!、無くなっちゃうンだけどぉ、もしさぁ、あ!もしだよ?、もちっと人生楽しみたいなぁて、気があるならぁ、あたしの星に住んでみない?、てか!住んで欲しい!、うン!住んで!、てか?転生物語(そういうの)、スキだよね?日本人て、それに今なら!新しい体!あげちゃうから、ね!ね!いこ!?、うン!決まりね!”てな感じに、拾われたのね」

 

 「ほんとに?イシィリア様ですよねぇ?……、あ、それと以前のお体は、それとハナさんは?」

エミリアは、イシィリアの件に、まだ疑いを抱いている、そして青年が応える。

 「女神さんて、いつもあんな感じだよ、こう”フワフワ、フヤフヤ”みたいな?、『あ!』、思い当たるることあるのね?、『はぃ』、”シャン!”としてっとこ一回しか見たことないよ、『しゃん?とは?』、”キリ!”としてる?みたいな?かな、『了!』、でね?体だけど」

 「日本では、遺体を”火葬”て言って、少量の骨になるまで燃やしちゃうの、『えぇぇ!』、こっちは土葬かな?まだ、『あ、はい』、日本て土地が少ないんだよねぇ、昔は土葬だったんだけどぉ、ほら!何百年も埋めてたら、森とか畑とか減ってちゃうよね?、でね、一家族とか一族とかでお墓を一個にしちゃったの、そこに!ちっこぃ穴掘って!、纏めておさめるン!、()()と似てるね」

 青年は話の最後に、左の人差し指を、ベストの右ポケットに指していた、それを見てエミリアが問う。

 「でも?……、何か違う様なきが?……」

 不満げな表情のエミリアに、青年が応える。

 「あぁ、似てるだけで、”ゴミ”扱いしてないからね、ちゃんと敬われてるから!、ただ文明が”ドンドン”進んじゃうと、捉え方は違っても、同じ答えになるのかなぁ?、あ、専門家じゃないから!、当てにしないでね」

 そして青年が続ける。


 「ほいで続きだけど、オレ達ぃ体貰うのに女神さんの部屋に連れてこられたのね、あ、ほら!さっきの窓の様なヤツの向こう側にあるんだけど」

 エミリアは、青年の左側を”キョロキョロ”と見回している。

 「あぁぁ、窓が開いてる時しか繋がってないちゅうか……、パス!『えぇぇえ』、うン!ゴメン!」

 エミリアの挙動を無視(スルー)して、話を続ける青年。

 「そこでね、”ハナ”はどうなってるの?て聞いたら、”まだ病院で頑張ってる”て言うのよ、あ、病院!解る、『はい、王都に一軒あります!』、うんオッケ、でね、死んじゃうのは確定事項なんだけど、その……、この世に未練とか、ん~、心残りだろうなぁアイツの場合は、んで!生死の境目とこで!チョォ頑張ってるみたいだったのね」

 「んでね、女神さんが”ハナ!もちっと時間かかるからぁ、暇潰しに遊ばねぇ?!”て言うのよ、『はぁ……』、まぁオレ達も?死んだばっかで、色々考え込むよりましだし、新しい体にも慣れておきたかったから、付き合う事にしたんだけどね」

 「あのぉ、どんな?お遊びをしたのですか?」

 イシィリアとのお遊び話に、エミリアが食いついた。


 「あぁ、”麻雀”て言うゲーム、あ、ゲームは遊びて言う感じ?おおむねね、『了!』、そだ!、“カード”なんてないかなぁ?、『はい!、あります!、絵柄が四種類で、各1から13までの数字が付いているんです、そして追加で一枚”ババ”というカードがあります!』、あぁ、あるんだぁ、あ!ちと拝借!」

 青年が話を止めて、神技を使い、右手の平の上に、小さな直方体の駒を作り、説明しだした。

「こんな感じの”駒”を使うんだけど、『こま?、小さいレンガ、ブロック?みたい……』、あぁぁ、まぁパスで、『はい』、んで、”麻雀牌”て呼ばれてます、見ての通り、上の方が丸みを帯びてるよね?、『はい』、ひっくり返すと裏は平!、『はい』、この平な方にカードの様な絵柄が付くの!、『あぁ、なるほどぉ」、で!使う量がカードの約4倍くらいかな、『結構多いですね』、まぁ?遊び方は後回しかな、ちとムズイんで、『そうなんですかぁ?』」

 エミリアの左手に、麻雀牌擬きを手渡す青年が続けた。

 「本来は四人で遊ぶんだけど、三人でも遊べるのね、んで、その時のオレの前髪が、3cmないくらだったのね、『はぁ?はい?』、あ、うん!まぁまぁ、ほいでハナがやっと来たんだけどね、そん時がこう眉に掛かるくらいに伸びてて、『え?はぃ?』、で!三人揃ったし、ココへ行こうか!て時に、女神さんがね、”えぇぇ、一回だけ!一回でいいからぁ!、四人で麻雀したいぃい!、お願い!一回だけ!”て言うのね、まぁハナが一番、精神的に参ってたし、気晴らしになりゃ程度で遊んだんだけど……」

 青年の話が止まった、そして一呼吸置いて、また話し出した。

 「まぁ、想像つくと思うけどね、一応ね、オレ数えてたんだ、()()()()までは、『えぇ!』、うん、ハナの話だと()()()()超えてたらしいんだけどね、『えぇぇぇえ!』、ほら!その結果が!」

 青年が右手でカチューシャを外した、前髪が垂れ下がり鼻まで隠す、そして続けた。

 「まぁ?、ビックリするよね?、てか?それはいいとして!、もっと酷いのが今!なんだよね!」

 カチューシャを戻し、更に続ける青年、エミリアは、呆然とも啞然とも取れる表情、そして手の平に書く仕草は止まっていた。


 「ココに来る前なんだけど、もぅいきなり!”ほら!時間ないから!早く!早く!”てさぁ、自分で”ギリギリ”まで、”もう一回!もぉぉう一回!”て遊んでたくせに!、さっきの顔!見たでしょ?」

 「んでね、ほら!さっきの窓みたいなやつ、アレで出来たベット?ん~、長椅子かな、そこに寝せられたのね、こう三列に、んで、女神さんが”ほら!、手伸ばして!、足ものばぁす!、力抜いて!目つむったら!、直ぐに送るからね!”て、言ううんだけどねぇ……、なんか?こう、目が怪しいて言うか、目尻と眉がね”ピクピク”してたのよ」

 エミリアの表情は戻っていた、手は止まったまま、そして青年が話を続けた。

 「まぁ、寝かされた時点で分かってはいたけどね、一応ね”アレだよね?落とすつもりだよね?……、あぁぁ、落とすんだぁ”聞いたら、”あぁあ、なんで?あたしが!そんなことするの!、いいから!目!つむって!”で!、ほら!最初のアレ!”ドン!ゴロゴロ!”」

 「えぇぇぇえ!」

 エミリアの表情が、また前に戻った。

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