目覚め
チュンチュン
朝のようだが家に帰ってきた記憶はない。
ここは病院なのだろうか?
あの光景が頭から離れない。
そう思っていると声が聞こえてきた。検査か何かあるのかと重いその思い瞼を開けようとしたときに再度名前を呼ばれた。
「ゆうかー!いつまで寝てるの早く起きなさい!!」
それは紛れも無い母の声だった。
驚いた私は体を起こし周りを見渡す。
そこは私が高校まで住んでいた実家の自室だった。
混乱した私は現在の状況を把握するためにリビングへと行きニュースをかける。
「7月1日今日のニュースは……」
「え?」
現在の状況を理解しようとしても脳が追いつかない。
そんなはずない、そんなはずない。
心の中でそう思い次に新聞を見る。平成28年7日1日
それは高校に入学した年の夏であった。
一瞬頭が真っ白になった。
なんで?
今までのは全部、夢?
確かにあるサンサン食品で働いていた記憶、それは夢にしてはあまりにも鮮明すぎた記憶。
その日は体調不良という事で学校を休んだ。
皆勤賞になるはずだったのに。そう思いながら部屋のパソコンと向き合う。
タイムスリップ
某情報サイトにて自分に起きているであろう状況について調べる。
タイムトラベル?SF文学や映画などのフィクション作品の題材として用いられる表現?
タイムトラベルは不可能?
自分に起きているであろう状況について調べるつもりだったがその殆どが必要のない情報だった。