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シーズン・レコード  作者: KiiCHi
1/2

第一話

 廃ビルの柱の影に隠れ、乱れた息を整える。


 そっと“敵”の方を覗くと、当たりを見回し私を探しているようだ。


 私は今、オーガという魔物と戦っている。

 知能は低いが巨大な体躯で力が強く、そのうえ動きが素早い。

 危険度の高い魔物の一種として登録されている。

 回避に専念して隠れることができたが、狭いこの地下駐車場だとあまり長く持たないだろう。


 反撃の隙を伺ってはいるものの、たとえ攻撃できても私のブレードじゃ、あの巨体に与えるダメージが小さいことは、先の攻撃で感じた。

 何か打開策はないか思考を巡らしていると、突然スマホが鳴り出した。


 ――――気づかれた!


 音に反応して、雄叫びをあげながらオーガが迫ってくる。

 急いでビルの外へ走り出すが、もちろんオーガも後を追いかける。

 素早いとはいえ、単純に逃げるだけなら私の方がまだ早い。


 走りながらスマホを取り出し電話にでる。

「もうタイミング悪い!」

「うわっ!なんだよ急に!かえでは…その様子だとやばそうだな?」

「まじやばだよ!オーガだもん!」

「オーガ!?急いであたしもそっち向かう!」

「お願い!」


 相手は同じチームの凪沙なぎさだった。

 自分が戦っていた魔物が片付いて連絡してきたのだろう。


 凪沙が来るまで5分程度だろうか。


 それまで何とか抑えないと。


 変わらずオーガはこちらに全力で向かってくる。


 とはいえ、真正面からぶつかっても力負けしてしまう。


 なら―――


 私は足を止め、オーガの方へ振り返る。


 オーガとの距離は50mほど。


 私は全身の力を抜いて攻撃に備える。

 同時にブレードを持つ右肩から腕全体に強化の魔法を唱え、さらにブレードの先へ魔力を集中させる。



 あと30m。



 オーガは腕を高く持ち上げ、勢いに乗せて拳をぶつけようとしている。



 あと10m。



 オーガは私めがけて拳を振り下ろす。




 ―――今!




 私は左足を軸に、回転しながら振り下ろされた拳から身を躱す。

 背後を拳が抜けていく。


 そのまま右手に持つブレードを腕の間接めがけて叩き込んだ。


 しかし、勢いの弱いブレードは、腕に少し食い込んだ程度で血管までは届かない。



 だが、問題はない。



「ブロウっ!!!」

 私は叫び魔法を唱える。


 瞬間、オーガは態勢を崩して勢いよく転倒した。



 よくある護身術の一つだ。

 本来は飛んできた拳を手で後ろに引きながら受け、関節を横に押して流す。

 私はオーガの拳をギリギリで躱し、ブレードで関節を狙った。

 けれど、勢いのない攻撃では転倒させることができない。

 だからブーストの魔法でブレードからオーガの腕に衝撃を放った。

 もちろん、衝撃をただ放っただけでは反作用で私のブレードや腕も吹き飛んでしまうから、強化の魔法でそれは防いでいる。


 走ってきた勢いもあり、頭から空き家に突っ込んだオーガはそれなりのダメージを受けたようだ。

 今のうちに距離をとって、凪沙と合流しよう。

 私ひとりじゃかなわない。


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