ダニエル
王様シリーズに度々登場するダニエルに関するお話です。
ダニエル……時空渡りの能力を持つ美しい青年
メトプレン………神話の時代から生きている魔道士
アラン……………エルフ連合軍参謀、元エルヴィア国王、イプの恋人
イプ………………エルフ連合軍アタッカー、翼の民の末裔、4次元空間を渡る能力を持つ
ラチェット…………エルフ連合軍、魔王に狙われている美しいハーフエルフ、元エルヴィア国王
フィカス……………エルフ連合軍タンク、神話の時代から生きているヴァンパイアの王
ドンドンドン……………。ドンドンドン……。
メトプレン
「ダニエル、いるか?
木製の扉が開いて、黒髪の一見女性のような若く美しい男が現れた。
肩より伸びた髪を一つにくくっている。
アイスブルーの瞳が美しい。
ダニエル
「いらっしゃい、ちょうどお茶にしようと思ってた所です。
一緒にいかがですか?
二ブラさん、じゃなかった、今はもうメトプレンさんですね。
メトプレン
「ああ、すまない、ちょっと揉め事が起こってね、
急いでるんだ。
アランご所望の薬、できてるか?
ダニエル
「ええ、ちょっとお待ちを。
ダニエルは奥へ行き、紙袋を取ってきてメトプレンに渡した。
メトプレン
「確かに、ではな、ダニエル。
ダニエル
「ええ……また。
メトプレン
「ああ、そうだ、アランが君にもこちらの国に来て欲しいと言っていたが、
考えてくれないか?
ダニエル
「……。今はまだ行けませんと、お伝えください。
メトプレン
「ああ、わかった。
メトプレンは黒い霧とともに姿を消した。
彼が消えた所を見つめながら、ダニエルはため息をついた。
……………………………10年後 エルフの大地 マロウ
アラン率いるエルフの連合軍はヴァンパイアのフィカスを仲間にし、
ジヒドロとの戦いは優勢に転じていた。
そんな中、魔道士メトプレンは森のエルフの国に行った帰り、
奇妙な人間を見つけた。
その人間は短い黒髪で全身黒い詰襟の服を着て、ヨタヨタと鬱蒼と生い茂る森の中を歩いている。
メトプレンは馬を置いて静かに近づいた。
メトプレン
「人間か?こんなところで何をしている?
その男はビクッと後ずさって、しりもちをついた。
メトプレン
「ん?ダニエルか?
髪型も着ているものも違うが、たしかにあのダニエルだった。
ダニエル
「%%%%%%%%%。
ダニエルは聞いたことのない言葉を喋った。
メトプレン
「何語だよ、それ。
ダニエルは首を傾げている、どうやら言葉がわからないようだ。
メトプレンは思念を送る事にした。
思念による会話は言語を介さない。
メトプレン
「どうした?ダニエル。俺がわからないのか?
ダニエルは突然頭の中に声が響いて面食らっている。
ダニエル
「あの、どうして僕の名前を知っているんですか?
それに、ここはどこでしょうか?
メトプレン
「君は、ダニエルだよな、エルヴィアに住んでる。違うのか?
ダニエル
「僕は、日本人で…、ああ、ハーフですが、今高校2年の……、
ダニエル : ケリーって言います。
旅行中に急にめまいがして、気づいたらこの森の中に…いたんです。
メトプレン
「ふむ、言っている意味がよくわからんが、
とりあえずここは危険だし、俺と一緒に来い。
アラン達のところに連れて行く。
さあ。
メトプレンは手を差し出すと、ダニエルは恐る恐る手を掴んだ。
自分の後ろに乗せ、馬を半日走らせて、ようやく海に面したマロウに到着した。
アラン
「だ……………ダニエル?
イプ
「ダニエル、僕だよ!
ラチェット
「ダニエルさん、どうされたのでしょう。
ダニエルはキョトンとしている。
メトプレン
「どうやら言葉がわからないらしい。
日本という国から来たと言っている。
アラン
「………………。まさかな……。
アランはダニエルの前で手のひらを上に向けて言った。
アラン
「karaage?
ダニエルはハッとした。
ダニエル
「か………、唐揚げ!
アラン
「RAーMENN?
ダニエル
「ラーメン!
ダニエルは嬉しそうに頷いている。
メトプレン
「なんだ?説明しろよ、アラン。
アラン
「これはみんなダニエルから教わった料理だ。
異世界の料理だと言っていた。
ダニエルは時空を渡る能力がある、
つまり、今ここにいるダニエルは初めてこの世界に来たダニエルだ。
メトプレン
「はあ…………?
アラン
「ああ………、ん………、つまりだな、
このダニエルはこの世界のことも知らないし、
私たちの事も知らない、という事だ。
イプ
「それなら、いろいろ教えてあげなくちゃ!
アラン
「まずは言葉だな。メトプレン、教えてやれ。
メトプレン
「何故、俺が!忙しいんだぞ、これでも。
アラン
「思念で教えるのが一番早いんだ。形のないものの言葉もあるのだから。
メトプレン
「はあ、わかったよ。来いよ、坊や。
メトプレンは久々にマロウで腰を落ち着けて
つきっきりでダニエルに言葉を教えた。
ダニエルは賢く、一月もした頃すっかりみんなと会話できるようになっていた。
ダニエルが語る異世界の話は面白く、
メトプレンは気づくといつもダニエルと一緒にいる。
ダニエルはアランから医術や料理を教わり、マロウの大図書館の本を片っ端から読みまくった。
一年ほど経ったある日、難しい敵の城の攻略についての作戦をダニエルが提示してきた。
それから軍師としての才覚をにょきにょき現したダニエルは、
ついにエルフ軍にとってなくてはならない存在にまでなっていた。
そんなある夜。
メトプレンとダニエルはバルコニーのガーデンチェアに座り星を眺めている。
メトプレンは好物のワインの香りをうっとりとした顔で楽しんでいる。
もちろんダニエルはお酒ではない、ブドウジュースだ。
ランタンのぼんやりとした灯りが二人を照らす。
メトプレン
「おい、坊や。
ダニエル
「坊やはやめてくださいって何回言えばわかるんですか。
メトプレン
「元の世界に帰りたいとか思わないのか?
ダニエル
「………、以前はよく考えていました。
両親や僕の可愛い妹エミリーにどうしてるかな、会いたいって。
だけどこの世界も、すごく好きになって来て、
もう、帰らなくてもいいなって……思って……。
ダニエルは長いまつ毛越しにメトプレンを見上げた。
ダニエルの瞳が少し潤みを帯びている。
メトプレン
「坊や………………?君…………………。
その瞬間ダニエルの姿が忽然と消えた。
……………………………………
軍師を失って一番困ったのはアランだった。
何から何まで一人でやらなければならなくなったからだ。
ダニエルほどの作戦を立てる事ができる人材はなかなかいない。
そういうこともあってメトプレンはイプの空間移動のスキルを利用して、
エルヴィアにあるダニエルの家に行ったがそこは荒れ果て人が住んでいる気配はなかった。
…………………
そして5年の月日が経ったある日。
メトプレンはアランの指示で活気のある港町に薬の材料を買い付けに訪れた。
そこでは奴隷市場が開かれている。
メトプレンは競りにかけられている奴隷を見て息を飲んだ。
それはあのダニエルだった。
ダニエルは両手両足を縛られ、奴隷市場の競りにかけられている。
珍しい白いローブのようなものを着ている。
売り手の商人がローブの胸元から手を差し入れてなでなでと弄る。
猿轡を嵌められたダニエルは口から呻き声を上げた。
「500!」
「はい、他にないか?」
メトプレン
「1万だ。」
集まった人々がざわつく。
「ほ、他にないか?
はい、一万のお客様、あなたのものですよ!」
メトプレンは札束を商人に投げつけるとダニエルを抱いて霧のように消えた。
港町の宿屋で手足の枷を解いてやる。
ダニエル
「あ、ありがとう、メトプレン、助かりました。
メトプレン
「坊や……、痛かったか?
ダニエルの手首が青紫になっている。
メトプレンは優しくさする。
メトプレン
「久しぶりだな。元気だったか?
ダニエル
「ええ………。
メトプレン
「まったく、あんな風にいなくなりやがって、
一応心配したんだぞ。
ダニエル
「すみません、変な能力ですよね。
ダニエルはクスッと笑って首を傾げた。
メトプレン
「ところで、その真っ白なローブなんだ、目立つぞ。
ダニエル
「ああ、これ、僕、元の世界に戻って、医者になったんですよ。
ちょうど回診中で…………、あ、まあ、脱いどきます。
ダニエルは白衣を脱いで黒いカットソーとジーンズ姿になった。
足元には赤いラインのスニーカーを履いている。
メトプレン
「なかなか、面白い格好だな。坊や。
ダニエル
「もう坊やじゃありませんよ。ちゃんと働いて稼いでるんですから。
メトプレン
「それにしては見た目が変わってないぞ。
ダニエル
「しょうがないじゃないですか。
エルフの大地に降り立って、成長が止まってしまったんですから。
メトプレン
「ああ、なるほど。で、恋人はできたか?
ダニエル
「いいえ、毎日僕に付き合えという患者はいますが。
メトプレン
「愛している奴はいるのか?
ダニエル
「いますよ。両親と妹を愛してます。心から。
メトプレン
「ふうん……………。誰かと体の関係、持ったことある?
ダニエル
「ありません……。
メトプレン
「俺、立候補したい。坊やの初めての相手に。
メトプレンはダニエルの下唇を親指でなぞった。
ダニエル
「……………、はい、立候補…受け付けます。
ダニエルは頰を桃色に染めて俯いた。
………………………………………………………
かくして、二人は一年かけてエルフの大地に戻り、
ダニエルは再び軍師として復職した。
アランは珍しく飛び上がるほど喜んだ。
アランがもう一つ喜ぶ事があった。
それは、メトプレンがイプにベタベタとくっつこうとすると、
軍師の手が振り下ろされ、
隣に控えたエルフの弓矢がメトプレンめがけて飛んでくるようになった事だ。
……………………………………
3年ほど経ったある晩、
メトプレンは腕の中のダニエルに紫の宝石がついたペンダントを二つ見せた。
メトプレン
「やっとできた、俺からのプレゼント。
メトプレン
「大昔に誰かから貰ったやつなんだが、それを元にもう一つ俺が作った。
ダニエル
「綺麗ですね。
メトプレン
「綺麗なだけじゃない、これは俺と君の意識をつなげてくれる。
君がもし、異世界に行ったとしても、繋がっていられる。
危険なめにあった時、スーパーヒーローのように助けに行くさ。
だから、肌身離さず持っていろよ。
ダニエル
「あ…、ありがとうございます……。
ダニエルは蚊の鳴く声で言うと、俯いた。
メトプレン
「ん、気に入らないか?
メトプレンはダニエルの顎をつまんで上に上げた、その瞬間心臓が跳ねた。
ダニエルは真っ赤になって涙を流している。
メトプレン
「坊や……………………。泣いてるの、初めて見た。
ダニエル
「僕だって…嬉し泣きくらいします………。
あんまり、見ないでください………。
ダニエルは顔を背ける。
メトプレンはもう一度強引に顎をあげると涙に濡れた唇にキスをした。
………
翌朝、ダニエルはメトプレンの腕の中から忽然と姿を消していた。
……………………………
さらに2年ほど経ったある日、突然メトプレンの脳内にダニエルの悲鳴が響いた。
メトプレンはダニエルとお揃いのネックレスを握りしめた。
「どこだ………、もっと俺を呼べ、ダニエル。
くそっ………、なんて遠い……………。
メトプレン
「イプはいるか!!!!!
アラン
「!ダニエル………。だな!
イプ
「いるよ!いつでも飛べるよ!
イプはメトプレンを掴むと空間を指で切り裂いてその中に飛び込んだ。
メトプレン
「どこだ!ダニエル、俺を呼べ!
………やめて……………
思念がネックレスにかすかに届く。
イプ
「ここだ!
イプは必死に空間を開こうとするが大きく開かない。
イプ
「ああ、これが限界!メト!ごめん!
小さな裂け目からダニエルが見えた。
黒髪は長く伸び、エルフ達が着るような薄衣の服を着ている。
周りには裸の男女が入り乱れて快楽を貪っている。
ダニエルは走って逃げている様子だが、
その中の王冠を被った男に引きずり倒されて、服を破られた。
イプ
「メト………、ごめん……、もう。
メトプレン
「もうちょい、待って!
メトプレンは裂け目に手を入れると、何やら呪文を唱えながら空中に文字を書いた。
指を振ると、裸の連中の身体が発火し始め、悲鳴を上げながら逃げ惑う。
冠の男もダニエルから離れて噴水の水に飛び込む。
ダニエルの視線とメトプレンの視線が重なった。
ダニエルは必死に走ってメトプレンに手を伸ばすが、
裂け目は閉じてしまった。
イプ
「うう………、ごめん。
メトプレン
「大丈夫、救えたよ。
ありがとう、イプ。帰ろう、疲れただろ。
おそらく、ダニエルの危険は去ったのだろう。
ネックレスはうんともすんとも言わなくなった。
…………………………………
それから一年ほど経って、またネックレスから思念が伝わってきた。
………にく、にく、肉、たくさん肉!………
メトプレン
「に、肉!?
メトプレンは備蓄してある獣肉を持てるだけ持つと、イプと一緒に時空移動する。
イプが小さな裂け目を開くとダニエルが洞窟の中で何頭ものライオンに囲まれているのが見えた。
ライオンは今まさに襲いかかろうとしていた。
メトプレンはすかさず裂け目から肉をばらまく。
すると一斉に腹ペコライオン達は肉に食らいつく。
ダニエルが裂け目に近寄って、メトプレンの手を取る。
メトプレン
「そのまま、離すな。じっとして。
メトプレンは何やら呪文を唱えた。
ダニエルの身体が少し光を帯びる。
メトプレン
「しばらくはこれで気配が消える。ライオン達はゆっくりお昼寝するさ。
ダニエル
「…………………。
ダニエルの手は擦り傷だらけ、顔も煤で汚れ長い黒髪はパリパリに固まっている。
メトプレン
「風呂、入れよ。じゃあな、坊や。
メトプレンは手を離すとにっこり笑って手を振った。
ダニエル
「メトプレン待って、あ、あなたに会えて良かった。
あ…………
メトプレン
「ダメだ!言うな、また会える。その時聞く。
いいな。
ダニエルは歯を食いしばってうなづいた。
その瞬間裂け目は閉じた。
……………
この前の一件以来、メトプレンは元気がない。
空気が読めないヴァンパイアのフィカスが
星を眺めてぼーっとしているメトプレンの隣にどかっと座った。
フィカス
「なんだ、まだ落ち込んでいるのか?
メトプレン
「うるさい、引きこもりの吸血鬼にとやかく言われる筋合いはない。
フィカス
「ふん。ところであのダニエルという軍師、
我らは一度出会っているぞ。
メトプレン
「ああ、俺は会ってるよ、何も知らない俺がな。
そっけない態度で。
フィカス
「違う、もっと前だ。覚えていないか?
オールマンの側にいた小柄な人間を。
イワンとファラーには良く近づいていたが、
我とお前には距離を取っていた。帽子を深くかぶって。
メトプレン
「なにっ……。
そういえば……、いたな、そんな奴。
ああ、そうだ…………。
そいつだ、そいつが俺にこの首飾りを…渡した。
くそっ………思い出せ………、あの時何か言っていたんだ。
……………アメジスト、そうだアメジストをつけるのが難しかった……
確かそう言っていた。」
メトプレンがペンダントからアメジストを取り外すと、何か文字が彫ってある。
………………I love you……
メトプレン
「はあ、もっと役に立つことは書けなかったのか。
軍師のくせに。
坊やの首飾りがこれだって事は、もう坊やと俺は繋がっていないって事だ。
メトプレンはペンダントをぎゅっと握った。
…………………………………
メトプレンがダニエルの帰還を待ち続けて100年もの時が過ぎた。
その間に、アランはオークが支配する城を落としまくり、
ついに西の一番大きな城メンターナを陥落させる事に成功した。
メンターナ城にはマロウの王族が入り、復興を急いだ。
アランは文句タラタラのメトプレンを復興の支援として、メンターナに送り込む。
メトプレンはメンターナの1番高い塔の上の屋上に登り、
雲ひとつない夜空の丸い月を眺めていた。
もちろん片手にはワイングラスを持っている。
メトプレン
「ここはもう安全だし、マロウのエルフ達に任せてもいいだろうになあ。
変態王はたまにこういうわけのわからない人事をしやがる。
ふと、下を見ると、城の入り口付近に白いものが見えた。
はっとしてメトプレンは立ち上がった。
ワイングラスが手から落ちて割れる。
さっと呪文を唱えると宙に浮き、
静かに地上へと降りていく。
米粒のようだった白いものが徐々に大きくなっていく。
月光に照らされたそれはあの白いローブを着た彼だった。
メトプレンに気づいたダニエルが嬉しそうにはにかんだ。
メトプレン
「お帰り、ダニエル。
ダニエル
「ただ今。
ダニエルは降りてきたメトプレンに飛びついた。
それをしっかり抱きしめる。
メトプレン
「待たせすぎ。
ダニエル
「何年経ちました?
メトプレン
「あの、腹ペコライオンの後100年経った。
ダニエル
「な…………ひゃく…………。
メトプレン
「それにしても良かった、ここを制圧しておいて、アランが急いだお………か………。
ああ、そういう事か、変態王にやられた…。
あいつ………。薬の袋………、あれか。
あのダニエルは全てを知ってるダニエルってわけか。
フハハ………。
ダニエル
「メトプレン……。
メトプレン
「んーーこの白い服、そそるね。
変な匂いするけど。
ダニエル
「ああ、薬の匂いですね。きっと。
ところで、メトプレン、浮気、してませんか?
100年の間。
メトプレン
「し………してないに決まってるじゃないか。
ダニエル
「皆さんに聞けばすぐにわかるんですから、
心当たりがあるなら白状した方がいいですよ。
メトプレン
「あの、メッセージがなかったら、わからなかったな。
俺にしては珍しく、君を待ってたよ。
ダニエルは微笑んだ。
ダニエル
「伝わりましたか…。
メトプレン
「ああ。
ダニエル
「あの頃のあなたと言ったら、手当たり次第の節操なしで、
まったく毎晩違う相手と…。
危うく嫌いになりそうでしたよ。
だからあれは嫌味もこもってるんです。
メトプレン
「う…………。
ダニエルは笑った。
メトプレン
「大人をからかうな。
メトプレンはダニエルの頭をくしゃくしゃした。
ダニエル
「僕、決めた事があるんです。
僕のこの能力、いつ発動するかわかりません。
だからまた、あなたに会えたらあなたとの時間を大切に過ごそうと。
1分1秒、無駄にしないように。
メトプレン
「俺だって、決めていた事がある。
君が帰ってきたら三日三晩、抱き続けるってね。
メトプレンはダニエルにキスをすると霧のように姿を消した。
終わり