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今日は私のいつもを紹介するねっ!

てぃあら。@****

また病んでる…誰か、慰めて?

⤴︎ 113⇆125♡136

____________________



たっ、たっ、たっ。

スマホと指が短い口付けを繰り返す。

甘い恋人。

それは見つめるは呟き系SNS内アイドルてぃあら。こと火神愛羅だ。

濃く、簡単には消えそうもない隈。

頭までかけた毛布。

所謂「引きこもり」である。

視線の先では彼女を肯定する意見が次々と飛び出す。

「大丈夫?」「私がついてるよ」「話聞くよ」「俺に頼れよ」

所詮ネットだけの、上辺だけの言葉であることから目を逸らし、彼女は喜ぶ。

私はこんな沢山の人から必要とされている。

そんな妄想に浸る。

そろそろ、みんな自撮り欲しい頃かな?

別室に移動する。

自撮りするためにある、生活する部屋ではない部屋。

彼女の思う「可愛い」を詰め込んだ部屋。

自撮りする時だけ着る服。

自撮りする時だけ使う櫛。

家にシャッター音が鳴り響く。

角度を変えて。口角を上げて。視線を動かして。

ピピッ。パシャ。

ピピッ。パシャ。

ピピッ。パシャ。


…ピピッ。パシャ。

「ぁ、これいいかも。」

本来の彼女とは別人がスマホのなかにはいた。

スマホと指先にキスをさせ、加工アプリを開く。

肌をもっと白く。

目をもっと大きく。

唇はもっと潤わせて。

頬はもっと削った方が。

小鼻ももっと削ろうね。

もっと。もっと。

完璧な美少女を作り、呟き系SNSに投稿する。

賛美。賛美。賛美。

少女は恍惚とする。

増えていく心臓。回る矢印。沢山の声。

偽りの世界で幸せになれるのだ。

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