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早くも人生真っ暗!
私は火神愛羅。
愛羅と書いて、てぃあら。
所謂キラキラネームという業を背負った14歳。
こういう名前をつけられた人間にありがちな中の下の容姿に、お世辞にも良いとは言えないスタイル。
両親譲りの悪い頭と、短い足から来る運動神経の悪さ。
かと言って社交性がある訳でもない。
陰キャ。スクールカーストの底辺。
虐められるほど注目も集めない人間。
私は、そんな人間だった。
でもわざとらしく人生の悲観をするでもなく、ただただ生きていた。
その日までは。
***
「母さんが、死んだ?」
ある日。
中学校から帰宅するなり飛び込んできた両親の訃報はほんの小さな胸を張り裂けさせるには充分だった。
充分すぎるくらいだった。
好奇の目に晒させるにも、学校から足を遠ざけさせるにも。
こうして少女は引きこもりになりましたとさ。
笑えよ。