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96話 ロイヤルガード Ⅶ

今回はⅦでも終わりません。

さて、ずいぶん前に出てきた謎を回収する時が来た。

エリナとミカエラを先に逃がした後、司が廊下の真ん中で仁王立ちしていると、廊下の奥から凄い音をたてながらグレントが走ってきた。


「ここまで追ってくるとはな。随分と執念深いじ

ゃないか・・・ダーインスレイブにでも導かれ

たか?」


「ガルルル・・・」


ダーインスレイブは一度呼び出すと人を切るまで止まらない神器。

当然、一度ターゲットをロックオンしたならば、何処までも追いかけるだろう。


「悪いがそろそろ止まってもらおうか。お前の命

ごとな・・・」


「タチバナ ツカサァ!!」


「おわっ!!しゃ、喋った!?」


いきなり自分の名前を呼ばれたので司は驚いてしまった。

だが、司にはグレントに自分の名前を教えた覚えがない。


「なるほど・・・お前は俺を殺すためだけに改造

されたってことか・・・」


グレントは殺すターゲットが司になるように洗脳されたというのが司の予想である。

それが正しいかは定かではない。


「本当はこんなところで戦いたくはないんだが、

先に進ませる訳にもいかないからさ。今度こそ

ここで殺す・・・」


上層では広い部屋で戦闘していたのでグレントの素早い攻撃を避けることが可能だったが、今は狭い廊下で戦闘をしているので動きが制限されてしまう。


「グルォォォ!!」


「ちっ、避けるのは無理か・・・」


司はグレントの攻撃を正面からゲイボルグ二本で受け止めた。

だが、そのまま横の壁まで追い詰められる。


「くっ!!パワーじゃこっちが不利だっての

に!!」


司は足で三本目のゲイボルグを使い、グレントの腕に刺そうとした。

だが、この戦法はすでにグレントにやっている。

グレントはそれを学習していたのか、三本目のゲイボルグを回避すると、司を蹴り飛ばした。


「ガハッ!!こいつ戦闘本能前回の癖に同じ攻撃

が効かないのかよ・・・」


部位を破壊しても即再生、同じ戦法は学習されて通用しない、圧倒的なスピードとパワー、八岐大蛇もこれぐらい能力を持っていたが、人型を相手にするのはやはり辛い部分がある。


「だがっ!!これはまだやってねぇだろ!!デッ

ドストライク!!」


すぐさま司は死の魔力を込めたゲイボルグをグレントの胸部に刺した。

だが、この瞬間にグレントは防衛のために司をダーインスレイブで斬っていた。


「・・・多少傷は負ったが・・・流石に今これは

効いただろ・・・?」


「アァァァ!!」


「何・・・!?やっべ!!」


司はすぐにゲイボルグから手を離し距離を取ろうとするが、スピードはグレントの方が上である。

当然、追い付かれる。


「ブラッドヘルダートォォォ!!」


ダーインスレイブは司の血を吸い強化され、赤い光を放っていた。

グレントは強化されたダーインスレイブを司に向かって振り下ろした。


「ちぃ!!」


司はアイギスの盾で防ごうとしたが、グレントのパワーに負けてしまい、直撃では無かったが剣先が司の体を切り裂いた。


「だがその技はスキが大きすぎるんだよ!!」


司は傷を負ったが、すかさず黒いゲイボルグを足に投擲した。


「もう二本!!」


司は紫と赤のゲイボルグもすかさず投擲した。

赤のゲイボルグはグレントのもう片方の足に刺さり、紫のゲイボルグは右肩に刺さった。

グレントは両膝をついて倒れた。


「危ねぇ・・・アイギスの盾が無かったら真っ二

つになってるところだった・・・」


余裕そうな司だが、普通の人間にとってはどう考えても深い傷を負っていた。


「痛みを感じなくても体は正直って事だ。まぁ、

俺の体も正直だけどな・・・」


司の口と体からは血が垂れていた。

神器の魔力で出来た鎧には切れ跡がしっかりと残っていた。


「さて・・・どうするか・・・」


司はとりあえずアンドロメダの鎖でグレントを縛った。


「デッドリーチェーン」


そして、グレントから魔力を吸収しておく。

魔力を吸収しておく事により、少しは再生のスピードが遅くなるという考えがあったからだ。


「ただ強い一撃を与えるだけではだめだ

な・・・」


今司に求められているのは必ずグレントを殺す一撃である。

魔力憑依も考えたが、雷の魔力と身体能力の値が上がるだけなので確実に殺せるとは限らない。


「これは難解だな・・・」


じっくり考えたいが、やはりグレントがそれを許してくれない。


「ガルルル・・・」


「まだまだ持久戦が続くってことか・・・」


司とグレントの戦闘はまだまだ長引きそうだった。


ーーーーーーーーーー

その頃、先に逃げたエリナとミカエラは行き止まりにたどり着いていた。


「行き止まりですか・・・どうしましょう?」


「戻る選択肢はありません。先に進みましょう」


「ですが、どうやって先に進むのですか?」


「私に任せてください。宝具展開!!」


ミカエラは宝具を取りだすと、行き止まりの壁を四角形に切り裂いた。


「材質変化!!」


すると、切った部分は錆びたようにボロボロになった。

ミカエラはそのまま壁を蹴り飛ばすと、案の定壁に穴が開いた。


「これは・・・階段ですね・・・」


目の前には上に続く謎の階段があった。


「上ってみましょう」


「わかりました。どうせ先に進むしかないのです

から」


二人は階段を上がって行った。


ーーーーーーーーーー

そして、上層にいる龍、皇気、涼はというと、すでに合流してある部屋にいた。


「ここにもあったなテレビだらけの部屋・・・」


「ああ、見るのは久しぶりだな。三、四ヶ月振り

ぐらいか?」


「俺には何の話をしているのかわからん」


そう、以前龍と皇気が別の施設を訪れた時にもあったテレビだらけの部屋である。

当然その時に居なかった涼は話に付いていけていない。


「そういえば結局何だったんだこの部屋?」


「調査班を送ったけど結局解からなかったしな」


この部屋は未だ謎に包まれており、何のために存在しているのか解っていない。


「司の部屋は崩れてたし、残ってる部屋はここぐ

らいなんだよな・・・」


実はこの三人、司が戦っていた部屋を見に行ったのだが、瓦礫の山だったので他の部屋を捜索していたのだ。


「でもここもお手上げだな・・・ん?おい、なん

か足音が聞こえないか?」


三人が捜索を諦めようとしていた時、何処からか足音が聞こえ始めた。


「これは・・・下!?」


龍が足音が聞こえる方向に気づいた瞬間、床が四角形に切れ、押し上がってきた。

咄嗟に三人は戦闘体制をとるが、三人の目に映ったのは驚きの光景だった。


「はぁ・・・ここは何処ですか?」


「「「ミカエラとエリナ様!?」」」


そう、床から出てきたのはミカエラとエリナだった。


「どうして二人が地下から出てくるんですか?」


「えっとですね・・・」


ミカエラは下層での事を全て話した。


「なるほど・・・つまり、司は下に居るって事だ

な・・・」


「だが、俺達の目的は二人を助けることだから

な。無闇に奥に進むのは良くないな」


今回の任務はミカエラとエリナを救出すること。

そして、今目的は達成された事になる。


「俺達は一足早くここを脱出するべきだな」


「ああ、そうだな」


三人がミカエラとエリナを連れて脱出しようと考えていると、ミカエラが一つ質問をした。


「た、立花さんはどうするんですか?」


「え?置いてくけど・・・」


ミカエラの質問に涼は軽く答えた。

ミカエラはその軽さに呆気にとられてしまった。


「まぁ、でも司は簡単に死ぬ奴じゃないしな」


「そこは同意だな・・・重症を負っても生きてる

し」


「この前も深い切り傷を負ってたけど生きてた

ぜ?」


司の強力な生命力についての話を聞いていると、司への心配がバカらしくなってしまう。


「大丈夫ですよミカエラ。私達は司を信じましょ

う」


エリナの言葉を聞いてミカエラは思い出した。

確かに司は死ななそうだと。


「確かに立花さんは大丈夫そうですね。わかりま

した。立花さんを私も信じます」


「ええ。一緒に司を信じましょう」


「はい!!」


このエリナとミカエラの会話を間近で聞いていた三人は、顔が怖くなっていた。


「なぁ、何で司だけあんなに女性に好かれるん

だ?」


「それな。オタクで変態なのにですね・・・俺と

同じなのにですね・・・」


「おい、涼。お前変態だって自覚してたのか

よ・・・まぁ、二人の意見には同意だがな」


やはり男子というものは友人が女性に好かれているという事実が不思議で仕方がないらしい。


「まぁ、とりあえず脱出しましょうエリナ様」


「わかりました。誘導お願いします」


こうして五人は入り口に向かって歩いて行った。

司を置いてきぼりにして・・・



つづく。



今回の解説。


神器覚醒の際に体に装着される鎧について。


この鎧の姿は神器によって様々である。

特に鎧に能力は無いが、凄まじい防御力を誇る。

そこらへんの宝具では傷一つ付かないだろう。

神器による攻撃のみがこの鎧を傷つける事ができる。

司の場合は三つの神器を神器覚醒させているので、姿は三つの鎧を融合させたような姿になっている。


今回は以上です。



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