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91話 ロイヤルガード Ⅱ

この男、いつも事件に介入している。

大変ですねぇー(他人事)

一日の授業が終わり、司は他の生徒と同様に帰宅しようとしていた。

エリナとミカエラは相変わらず他の生徒と会話をしていた。

その中にはいつもの四人の姿もあった。


「今日はやっぱり一人で帰るか・・・」


だが、帰らせてはくれなかった。


「一年A組の立花 司君。理事長がお呼びです。

すぐに理事室に来てください」


司を呼ぶ校内放送が鳴ったのだ。


「はぁ・・・面倒くさいな・・・」


司は急ぎ足で理事室に向かった。

理事室に着くために職員室を通った。

そして、勢い良く扉を開ける。


「理事長!!用件はなんだ!?」


「おお、来たか司。早かったな」


司の大声も気にせず理事長は対応した。

理事長にとってはいつもの事なのである。


「ということで早速頼みたいことがある」


「嫌だね」


「まだ何も言ってないんだが・・・」


「理事長に関わるとロクな事が起きん」


理事長の依頼を受けると大体司が一番被害を受けるのだ。

その事はすでにわかりきっている。


「でも君は結局絶対受けてくれるじゃないか」


「それは他の皆が危険になる可能性があるからで

あって、理事長のためでは無い」


「これが俗に言うツンデレというやつかな?」


「何言ってんだ・・・ツンデレが許されるのは女

の子だけなんだよなぁ・・・」


司は以外とそういう事に詳しいので、話をしだすと止まらなくなるのだ。

なので、理事長は早速本題を話すことにした。


「これはエリナ様の命に関わるかもしれん」


その台詞を聞いた瞬間、司の目が変わった。


「それはどういう事だ」


「実はこの学校に留学生として来たのには理由が

あるのだよ」


理事長はエリナが留学生として日本に来た理由を説明し始めた。


「実はエリナ様は狙われているんだ。その狙って

いるのはギリシャの組織でな。私の計らいで日

本に避難させたのだ」


「でも、日本でも狙われていたと・・・」


この手のパターンは大体決まっているものなのだ。

恐らくギリシャの組織が日本の組織に依頼でもしたのだろう。


「問題は日本でエリナ様の事を狙っている組織

だ。恐らく奴等はエリナ様を誘拐つもりだ」


「理事長が俺を使うぐらいだからゼロだろ?」


「そうだ・・・ゼロだ」


司にはゼロに因縁が色々ある。

司はゼロが関わる事件で被害を出したくないと思っている。


「頼みを受けよう・・・で、何をすればいい」


「そうこなくてはな。今回の司は最終兵器だ」


「なるほど・・・大体わかった」


司は最終兵器という単語だけでやることを理解した。

だが、理事長からしたら本当に理解したのか心配になった。


「ほ、本当に理解した?」


「ああ。俺が動くのはエリナ様がさらわれた後だ

ろ?」


「あ、本当に理解してたんだ・・・」


理事長は何だか拍子抜けしてしまった。

実際周りから見ると、重要な話を軽くしている時点でおかしいと思う。

だが、これが理事長と司なのである。


「どうせエリナ様を守るSPの中にもゼロの刺客

がいるんじゃないの?。それで下手に手を出せ

ば町中で戦うことにもなるかも知れないから

な」


「ああ。全て司の言った通りだ」


「俺的にはこういう作戦は好きじゃないが、エリ

ナ様と市民の安全がかかってるから仕方ない。

まぁ、これで何も起きなければ俺の出番は無い

しな」


まず、SPの誰が敵かもわからない状態では逆にエリナが危険にさらされる可能性がある。

ギリシャの組織の目的はエリナを殺すこと。

だがゼロに依頼した内容は恐らく誘拐である。

誘拐して殺す前に身代金でも奪うつもりなのだろう。


「でも一体何でアスカレート家が狙われるん

だ?」


司の疑問に理事長はため息をついた後に答えた。


「はぁ・・・恐らく君のせいだ・・・」


「え?何で・・・?」


「君は自分の事にはとても疎いからな・・・」


事件や人の事になると司は凄まじい推理力と理解力を持つ。

だが、自分自身が関わるとその推理力と理解力な皆無になってしまう。


「君はギリシャで傭兵をやったんだろ?」


「ああ、少しだけな。でも、敵も結局傭兵だった

けどな」


「アスカレートに協力するギリシャの強力な傭

兵。これは敵からしたらかなりの脅威だろう

ね。しかも裏の世界では名の知れた傭兵を倒し

たんだから」


「あ・・・なるほど・・・」


ここでようやく司は理解した。

そこで理事長は更に理由を説明した。


「しかもアスカレート家に出入りしているとなる

と更にエリナ様が狙われる。しかも更にエリナ

様と親密な関係ならばもっと狙われる」


「親密な関係ってどういう関係?ああ、お友達っ

てことね」


「はぁ・・・そこは触れないでおこう」


理事長はとても残念そうにため息をついた。

理事長からした羨ましいことこの上ないからである。


「とりあえず、君の動きはわかったろ?」


「ああ、敵の本拠地を叩く。これでいいだろ

う?」


「上出来だ。基地の場所は龍、皇気、涼が特定し

てくれる。連絡があったら合流してくれ」


「頼もしいな・・・了解」


司の他にも龍、皇気、涼が協力してくれるとなると、とても心強い。

だが逆に言うと、それだけエリナ様の身が大事ということである。

その事は司が良くわかっていた。


「じゃあ、俺は帰る」


「ああ、気をつけてな」


こうして司は理事室を後にした。

理事長とは数十分程度話を話をしていたのだが、四人組とエリナとミカエラはまだ帰宅していなかった。

全員校門で待っていたのだ。


「おいおい・・・まだ帰ってなかったのか」


「あ、師匠!!何処に行ってたんですか!?」


「理事室で理事長と話してた」


理事室と聞いた時、ミカエラはある勘違いをしていた。


「立花さん、もしかして何かやったんですか?」


「は?」


「立花さんなら何かいけないことをするとは思っ

ていましたが、まさか本当にやっていたとは」


司はミカエラの自分へのイメージがどういう物なのか不安になった。


「理事長とはエリナ様とお前の事を話したんだ」


司の訂正を聞いたミカエラは何故かがっかりしていた。


「何ですか。立花さんは不良じゃ無かったんです

か・・・」


「おいおい。俺の何処に不良要素があるんだ?」


「日本人なのに金髪じゃないですか。しかも喋り

方も不良見たいですし」


ミカエラが司の不良要素を挙げていると、横から更に不良要素を挙げられた。


「しかも女たらしですしね」


「特訓は厳しいですし・・・」


「あと、オタクでしたっけ?」


司の不良要素はどうやら数えきれないほどあるらしい。

その中には完全に的はずれな事を言っている者もいたが司は聞かなかった事にした。


「ミカエラは不良にでも興味あるのか?」


「はい。私の行っていた学校は俗に言うお嬢様学

校だったので、不良の子が一人も居なかったん

です」


「・・・だから俺を不良にして体験したかった

と」


「はい、そうなりますね」


司はミカエラに対してこう思った。


(こんな奴だったっけ・・・?)


すると、ミカエラが自分の事について語りだした。


「実は私は日本でいう中学校までしか通って無か

ったんです。だから高校生というものが体験で

きてはしゃいでいるんだと思います」


「なるほど・・・ミカエラもはしゃいだりするん

だな」


「わ、私だって女の子なんですよ!!」


ミカエラは照れながらもそう言った。

司は笑いながら聞いていた。

照れる女子とそれを見て笑う男子。

そんな光景を何も知らない人が見たら普通はカップルだと思うだろう。


「「「はぁ・・・」」」


その光景を見て三人がため息をついた。

いつもの三人組である。

エリナの場合はその光景を見て一言言った。


「ミカエラと司はまるでカップル見たいですね」


「カ、カップル!?」


「え?普通そう見えるの?」


困惑するミカエラに対して司は疑問で返していた。


「逆に司先輩にはどのような人達がカップルに見

えるんですか?」


「キスとか手を繋いでいる人達」


「じゃ、じゃあ楽しそうに会話をしている人達

はどうですか?」


由井とステラが聞いてみるが、司からは呆れた答えしか返ってこない。


「中の良い友達同士の男女?」


「「「はぁ・・・」」」


この時のため息は三人組に加えてミカエラとエリナと慶夏も一緒にしていた。


「とりあえず、帰ろうぜ。俺は腹が減った」


「では、司の家に行きましょう」


「え?」


唐突な無茶振りを言うエリナ。

当然司は困惑する。


「いいですねそれ」


他のメンバーもその意見に賛同する。

司の意見はどうやら無視のようだ。


「じゃあ行きましょうか」


「「「はーい」」」


この時司はデジャブを感じた。

そう、先程感じた思いが甦ったのだ。


(こいつらってこんな性格だったっけ?)


はたして、司の家は大丈夫なのか。

そして、エリナの運命はどうなる?


つづく。








今回の解説。


悪の組織について。


当然世の中には色々な組織が存在する。

だが、その中でも世界的に活動しているのがゼロである。

ゼロは謎が深く、世界で一番危険と言っても過言ではない組織である。

ゼロ以外にも危険な組織はいくらでもあるが、まだウィザードや警察で対処をしきれている。

だが、ゼロが本格的に関わった事件は未だに被害を防げてはいない。

だが、これからはゼロの他にも組織を警戒しなくてはならない時代に来るかもしれないと噂されている。



今回は以上です。




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