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6話 新宿魔獣対戦Ⅲ

そろそろ終盤ですね、新宿魔獣対戦も。




かつて、ウィザードとして名を轟かせるものがいた。

彼は魔獣を扱い、幾度となく戦場を救ってきた。

しかし、罪を犯し、牢獄に幽閉されてしまった。

その罪の真相は誰も知らない。

知っているのは、その本人だけだろう。

この出来事は、十年前のことである。

その男は、牢獄から解放され、今ではどこにいるのかもわからない。


ーーーーーーーーー


「はぁーーー!!」


「チッ!!」


司が宝具を解放し、決戦が始まっていた。

司はより高いパワーでディルを圧倒していた。


「なんだ、このパワーは!!」


司がディルを宝具を吹き飛ばす。

ディルは思いっきり地面に叩きつけられた。


「ゴハァ!!」


だが、司も限界だった。

ヘルゲートを腹部に刺された上に、宝具を展開してずいぶん時間がたっていたからだ。

つまり、決着を早めにつけなければならない。


「こちとら三分しかないんでね、さっさと決めさ

せてもらうぜ」


司が再び宝具を振るう。

より強い魔力を込めて。


「同じ手は食わない」


だか、ディルもかわしていく。


「流石だな。裏切りのディルは伊達ではないとい

うことか」


「貴様!!その事を口にするな!!」


司のその一言は、ディルの堪に触ったらしい。

ディルは激怒していた。


「お前は、十年前。戦場で仲間を殺した罪で幽閉

されていた。

そして、お前は最近解放された。そうだろ?」


「貴様の言うとおり」


そう、司のいっていることは正しかった。


「だが、お前は仲間を殺してはいないんだろ?

だから復讐を考えた、ウィザードと市民に」


「そうさ、仲間を殺したのは戦場の近くの村の人

だった。

だが、村の人々はそいつを犯人にしないために

私に押し付けたのさ」


司は不意に笑った。

そう、司も同じようなものだからだ。


「気持ちはわかるぜ、俺もにたようなもんだから

な。

だけどな、やっちゃいけなかったんだよ。

復讐なんてな」


「だまれ、小僧!!」


「これで決める・・・」


「いいだろう、私も全力で答えよう」


司には雷、ディルには魔獣があつまった。

ディルは魔獣を殺し血を吸い、司は宝具に雷の魔力を集中させた。

そして今、ここに技がぶつかろうとしていた。


「食らいな!!ライトニングインパクト!!」


「ブラッドゲイル!!」


二つの技はお互いに相殺しあっていた。


「「はぁぁぁぁぁ!!」」


だが、少しずつだが司の方が押していた。

最後に、司はすべてを出しきる。


「これで・・・おわりだぁぁぁ!!」


「この力は、なんだ!!」


この勝負に勝ったのは司だった。

ディルは吹っ飛ばされて、壁に叩きつけられていた。


「見事としか言えんな・・・小僧・・・だか、私

を倒しても・・・まだ、魔獣はかなりいる。

ここからが・・・本番だ・・・精々頑張るがい

い・・・」


「ご忠告、サンキューな」


ディルはそういうと、息を引き取った。

ディルの死に顔は笑っていた。


「ここからが本番ってのは・・・本当らしいな。

俺も・・・頑張ら・・・ゴハァ!!」


司の体は当然、限界だった。

再び司は吐血をした。


「先輩!!」


「師匠!!」


「司さん!!」


三人は司に駆け寄るが、司から返事はない。

司はどう見ても致死量に達する量の血を吐いていた。

そしてそのまま意識を失った。


「やばいですよ。師匠は完全に気を失っていま

す」


「ど、どうするんですか?」


「私の祝福の魔力でどうにかします」


「わかった、とりあえずお願いします」


由井は司に祝福の魔力を掛ける。

司の傷はゆっくりと塞がっていった。


「ステラさん、先輩の体はどんな感じですか?」


「信じられない。よくこんな体であんな激闘がで

たのか、不思議な位です

体には刃が刺さったあとはあるし、骨はボロボ

ロです。

何より、魔術回路が壊れています」


「師匠・・・そんな体で私達を・・・」


そんなことをやっていると、司は目を覚ました。

どうやら、何か道具があるらしい。


「俺の・・・ポケットに入ってる・・・注射器

をつかえ・・・」


「注射器?師匠、これですね」


香菜美は司のポケットから注射器をだすと、司に注射した。


「その注射器は一体何ですか?

司さんの体がみるみる治っていきますけど?」


司は注射をしてから数秒して立ち上がった。

司は質問に答えることはなかった。


「先輩、大丈夫なんですか?」


「大丈夫ではないな、当分宝具はつかえないね」


「師匠、これからどうするんですか?」


「多分もうウィザード達が入って魔獣の駆除を始

めている頃だろう。それを手伝おう」


司が行こうとすると、三人はそれに付いていこうとした。


「ついていきますよ、司さん」


「わ、私も・・・」


「当然私もですよ、師匠」


三人の目には決意が現れついた。

そんな目を見た司には、止めることができなかった。


「ダメとは言いたいが、仕方がない。

安全第一に考えろよ」


「「「はい!!」」」


三人の元気のいい返事が響いた。


「さぁ、ディルのおっさん・・・勝負はここから

だぜ」


「師匠、でも師匠がでるほどやばい魔獣はいるん

ですか?」


「多分、俺の予想ではキマイラがいると思うぜ」


「キ、キマイラですか?」


「キマイラなんて教科書でしか見たことがないで

すよ」


三人はキマイラの強さをあまり知らない。

それぐらい、珍しい魔獣なのだ。


「そう言ってる間に、キマイラの登場だ」


キマイラは現れた。口にはウィザードと思われる人の肉片をくわえ、爪には大量の血をつけていた。


「あ、あれが・・・キマイラ・・・」


「宝具無しでどれくらい行けるかな?

全く、ディルのおっさんは嫌な置き土産してく

れたぜ」


そういうと司は戦闘体制をとった。


「いくぞ、三人とも。ディルのおっさんほど強く

はないが、相当キマイラも強い。

だけどな、特訓してきたお前らなら勝てなくは

ない。気をしっかり持って挑め」


「「「はい!!」」」


今ここに本当の最後の戦いが始まろうとしていた。

そう、後片付けの始まり。


つづく















今回の解説。


キマイラについて。


キマイラとは、さまざまな魔獣が合体した姿をしており、個体によるが、中にはウィザードの大群

をも壊滅させられるほどの戦闘力をもつ。

今回、司の前に現れたのは中級位の強さのキマイラで、宝具を使わないときついぐらいのレベルである。

だか、倒せ無いわけでは無く、そのひとの技量次第では倒すことができる。



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