68話 久し振りの学校で
序盤の話数の編集がぶっ飛んでいることに気づき、自分の底辺な小説を読んで泣きそうになる私。
え?クリスマス?知らないです。
世間的には夏休みも終わり、九月になった。
半壊した魔術第一高校は驚くべき早さで修繕されており、最早修繕というよりはリニューアルと表現すべき校舎になっていた。
生徒達はこれで普通の学校生活に戻れると思っていた。
「あのよ・・・俺はもうここの生徒じゃないんだ
けど・・・」
そう、司も何故か高校に登校していた。
司の席の周辺にはいつもの三人が集まっていた。
「駄目ですよ。正式に復帰した事になってるんで
すから」
「元々は司先輩がサボっていたのが悪いんですか
らね」
「わ、私は司さんと学校にこれて嬉しいですよ」
どうやら、龍の話では一時的だと聞かされていたが、本当に一年生からやり直す羽目になったらしい。
司にとっては嬉しくも何ともなかった。
「途中までとはいえ一年生は経験したんだから
さ、せめて二年生にしてほしかった」
司がこの台詞以外にも今回の件の愚痴を話していると、一人の女子が話しかけてきた。
「失礼。立花 司殿とお見受けします」
「そうだけど・・・えーと、君は確か・・・」
話しかけてきた女子の名前を思い出せずにいると、どうやら同じクラスメイトの人物だったらしく、ついには香菜美から覚えていないことを指摘された。
「え・・・まさか覚えていないんですか?」
「す、すまん。実は覚えていないんだ」
司はその場を立ち上がり、頭を下げて詫びた。
あまりの礼儀正しさに三人は唖然としてしまった。
「い、いえ、頭を上げてください」
どうやら少女の方も驚いたのは同じなようで、驚きのあまりに口調が変わっていた。
「悪いけど、まず名前を教えてくれないか?」
「は、はい。私・・・じゃなかった・・・拙者は
花澤 慶夏と申します」
慶夏はクラスの中でも成績は優秀な方で、特に身体能力が優れていることで一学年には以外と名が知られている。
「その口調的に忍者の末裔か?」
「そうです。実家は忍の里になっております」
忍の里とは、日本の何処かにある色々な忍者の末裔達が暮らしている村の事である。
忍の里の場所を知るものは数少ないが、司の二人の姐は知っているらしい。
「なるほど・・・それで、本題に戻すけどなにか
ご用?」
「は、はい。実は忍の里で今大変な事が起きてい
るんです。その事をこの学園の理事長に相談し
たら、立花 司を頼れと言われたんです」
やはり、慶夏は別に時代劇などで出てくる忍者のような喋り方はいつもの口調じゃないらしい。
そんな事を司は考えていたが、それと同時に理事長についても考えていた。
「そうか・・・やっぱりあの人も忍の里の場所を
知っているのか」
「は、はい。この学園の理事長は、以前に忍の里
と交流があったそうで」
「まぁ、そんなことより何で俺なんだ?」
この学園には今の司よりも適任な人がいるはずなのに司を指定してきたとなると、裏があるとしか考えられなかった。
「基本的には理事長は学校にいないからなー」
学校に理事長が居なければ、今すぐに司を選んだ理由を聞きに行くことができない。
だが、司はそれより頼み事の内容が気になった。
「で、俺はどうすればいいんだ?」
「協力してくれるんですか!?」
「おう。だからもっと詳しい内容を教えてくれ」
慶夏が内容を話そうとすると、女子三人も寄ってきたので慶夏が少し戸惑ったが、司の指示でそのまま話すことにした。
「実は私達忍の末裔の中に、裏の悪い組織とてを
結び始めた者がいるようで、ここ数日魔獣が村
に送られてくるようなんです」
その話を聞いて司は自分がすべき事を理解したようだった。
「わかった。要はその黒幕を倒せばいいんだな」
「は、はい。そうなります」
こんな話をしていて三人が黙っているわけがない。
「あの・・・私達も連れていってくれません
か?」
「え!?ど、どうしてですか?」
司と三人の関係は、クラスメイトには知られていないため、付いていきたいと言っても不思議に思われるのは当然だ。
三人は司との現在の関係を説明した。
「え、立花さんの弟子なんですか!?」
「いや、俺的には師匠っていうもんじゃないんだ
けどさ・・・」
司的にはちょっとしたコーチみたいな立場だと思っているので、師匠などという大層なものではないと否定する。
「わかりました。教え子とあらば仕方ありません
ね。付いてきていいですよ」
慶夏の許可が降りたので、三人は一安心した。
だが、まだ人数が増えることを慶夏は知らない。
「あのよ、後三人増えても大丈夫か?」
「それはどのような関係の人ですか?」
「俺の相棒みたいなもんかな・・・」
今、慶夏に神器の事を説明しても理解できないだろうと思った司は、とりあえず相棒という形で説明した。
「それも仕方ありませんね。いいですよ」
「すまないな。花澤」
慶夏は花澤と呼ばれたことに反応したようだった。
「わ、私の事は慶夏でいいですよ」
「そうか、じゃあ宜しくな慶夏」
「こちらこそ宜しくお願いします」
次に行く日にちと集合場所を決めることにした。
「今週の休日を使って行きます。集合場所は東京
駅に来て下さい」
「わかった。忍者も新幹線とか使うんだな」
「に、忍者だってハイテク機器は使います!!」
さらに司のツッコミは止まらない。
会話をしている最中に一度思ったが、真剣な話をしていていたので言わなかった。
「ところでさ、最初の口調はどこに行ったん
だ?」
「あ、あれはですね・・・忍者っぽさを出したか
ったというか・・・ううーー立花さんは意地悪
ですね」
このような和やかな会話をしていると、だいたい三人組が怒りだす。
「先輩・・・ここは学校ですよ」
「師匠。やはり見境なしですか」
「司さん。流石に無いです」
冷たい三つの視線が向けられるが、もう一々気にしていられない。
時計を見ると授業の時間なので全員は席についた。
この後は休日まで普通に生活し、忍者の里に向かうのだが、そこで衝撃の事実をあることを司達は知る余地もない。
つづく。
今回の解説。
忍者について。
忍者はよく忍術というものを使いますが、忍術についてはいつか解説をだします。
忍者はこの作品の世界では今でも存在しており、忍者がウィザードになったりもしています。
忍者の里は日本中の忍者の末裔が集まって生活しているところです。
場所を知っているものは数少なく、実力派の魔術師でないと知らないぐらいです。
次回からは忍者の里が舞台です。
今回は以上です。




