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67話 遅めの海でバカンス(午後編)

本体更新をしたら、番外編が消滅しました。

また、上げ直します。

そんなことより、急展開ですよ。

司達は昼食を食べ終わった後、司と女子三人組てゴミを捨てに行っていた。

その時海の家で見てしまった物がいけなかった。


「ん?なんだこれ・・・」


司が目に止めたのは一枚のポスターだった。


「なになに・・・夏最後の魔術師ビーチバレー大

会?」


司が声に出してポスターを読んだので、三人組が気になってポスターを見に来てしまった。


「へー。面白そうですね師匠」


「でも、女性限定ですか・・・」


「ゆ、優勝商品とかってあるんでしょうか」


三人組はそれぞれ興味津々にポスターを見ていた。

これだけならば、ただ魔術師がビーチバレーをするだけの大会だが、優勝商品が問題だった。


「えーと・・・優勝商品は・・・本音薬?」


本音薬という単語を聞いて、司は身震いした。

実は昔に本音薬で司は酷い目にあっているのだ。


「司先輩。本音薬ってなんですか?」


司はその質問に対して正直に答えなかった。


「俺も知らないな」


「じゃあ、よく分からないものを貰っても仕方あ

りませんね」


司の嘘が通じたのか分からないが、三人組と司は諦めて陣地に帰ることにした。

だが、司は三人組の好奇心を舐めていた。


「渡辺先輩。本音薬ってなんですか?」


そう、由井は司が知らないと言ったので龍に聞いたのだ。


「本音薬?名前の通り、使った相手が本音しか喋

れなくなる薬だけど・・・」


その説明を聞いた瞬間、三人組の目が光った。


「それで、何で本音薬の事なんか聞いたんだ?」


龍が経緯を聞いてきたので、ポスターに書いてあったビーチバレー大会の事を教えた。


「・・・という訳で、私達ビーチバレー大会に出

ます」


その宣言を聞いて、司は嫌な予感しかしなかった。

だが、そこに皇気が人数について指摘してきた。


「ビーチバレーって、たしか二人でやるスポーツ

だよな・・・一人余るぞ?」


司はこの話を聞いて少し安心したが、海に来ている女性は三人組だけではないことを忘れてはいけない。


「おっと、その大会に私達も参加させてもらおう

か」


そう、神器三人組だ。

司は神器達が参加すると聞いた瞬間、あることを思い付いた。


「仕方ないな・・・よし、ビーチバレー大会に出

ると言うなら、これを利用してレベルアップす

るか」


司はもう止められないと思ったので、いっそのこと特訓に利用しようと思ったのだ。


「じゃあ、チーム分けは俺が決めるぞ。まず、ス

カアハと香菜。次にアテナとステラ。最後にア

ンドロメダと由井だ」


このチーム分けを聞いて、男子メンバーと神器達は納得した。


「頑張りましょうスカアハさん!!」


「そうだな」


スカアハと香菜美はお互いに攻撃的な戦闘が得意だ。


「よ、宜しくお願いします。アテナさん」


「お互いに頑張りましょう」


ステラは宝具が攻撃的だが、実は防衛戦闘が得意だったりする。

当然、アテナは伊達に守護神ではなく、防衛戦が得意である。


「アンドロメダさん。頑張りましょうね」


「はい。悔いが残らないようにしましょうね」


アンドロメダと由井はお互いに魔力属性が祝福だ。

主にサポートを得意とする二人である。


「よし、ビーチバレーは以外ともうすぐ始まるか

らな。すぐにエントリーしてこい」


司の行った通りビーチバレーは二時からスタートするようで、全員がエントリーする頃にはもう始まる直前だった。

というわけで、魔術師ビーチバレー大会が始まった。


「よし、行ってこい!!」


「「「はい!!」」」


この大会のルール

・武器の使用禁止(宝具を含む)

・相手に直接危害を与えなければ魔術は使用可能

・ただし、ボールに魔力を込める事は可とする

・お互いに試合開始時に全魔術武装をし、先に魔

力武装が切れた場合も敗北とする。

こんな感じである。


「それにしても参加者が多いな・・・」


「知らないのか?本音薬って結構値が張るんだ

ぜ」


司の疑問には涼が答えてくれた。

本音薬は本当に珍しいもので、以外と高価だったりする。


「しかも、三チームまで賞品として出るってんだ

から太っ腹だよな」


その発言を聞いた瞬間、司は驚愕した。


「ちょっと待て・・・三チーム?」


「お前知らないのか?この大会はA,B、Cの三つ

のブロックに分けられて試合をするんだ。そし

て、各ブロックの優勝者に賞品が配られるんだ

ぜ」


それを聞いて司は動揺した。

当然である、神器が参加した時点で優勝はほぼ確定なのだから。


「ま、まぁ・・・三チームとも別のブロックにな

ったとは限らないし・・・」


「いや、エントリーした順番でブロックが決まる

からな。三連続でエントリーしたんだからうま

い具合にそれぞれ別のブロックだぞ」


これでわかったことがある。

それは、最大で三つの本音薬が司の元にやってくるということ。


「あ・・・あ・・・ああああぁぁぁぁ!!」


司は何かを思い出したのか、いきなり発狂した。

それだけ本音薬は司にとってはトラウマなのだ。


「お、おい司。大丈夫か?」


「な、なんとか大丈夫だ・・・」


こんな司は放置しておいて、試合の状況はというと・・・当然圧勝だった。

それぞれのチームに神器が存在している訳である。

人型神器は、そもそものポテンシャルが人間と違う。


「はぁ!!」


司のすぐのコートでスカアハがスパイクを決めていた。

香菜美はその姿を一心に見つめていた。


「こっちは上々だな」


香菜美の真剣な目を見て、司の思い通りに事が進んでいることを確認した。

次にアテナとステラの方は、激しいプレイは無いものの、確実に得点を決めていた。


「流石アテナだな。相手の弱点をよく見極めてい

る」


「ギリシャの守護神は伊達ではないな」


アテナに対して司と皇気から称賛の声をあげられた。

ステラも香菜美と同じようにアテナのその姿を一心に見つめていた。


「こっちも上々だな」


残るはアンドロメダと由井のペアなのだか、凄まじい持久戦が行われていた。


「もっと強いスパイクをくださいな!!」


アンドロメダは最早自分の性癖を隠す仕草が無かった。

普通の魔術師ならば祝福の魔力属性がどれだけ持久戦に強いか知っている。

アンドロメダはこの事を利用し、相手を焦らせ余分な魔力を使わせることによって、魔術武装を剥がそうという作戦なのだ。


「アンドロメダにとって持久戦はもってこいだ

な」


「それよりあの性癖はどうにかならないのか?」


皇気からアンドロメダの性癖について指摘があったが、司は何もコメントしなかった。

このような感じで三チーム共に難なく勝利し続けた。


「司・・・同情はしといておく」


龍は司の肩に手を置き、そう言った。


「まぁ、こうなることは分かっていたさ・・・」


司が虚ろな目で空を見ながらそう呟いていた。

アンドロメダと由井のチームが持久戦をしていたために、すでに空は夕方になっていた。

夕焼けに染まった司の背中は、泣いているように見えた。


「司先輩ー!!」


司が黄昏ていると、優勝賞品の本音薬を持った三チームが司の元にやって来た。

司は三人に今回の成果を聞いた。


「お前らは今回のビーチバレーで何かを学べた

か?」


すると、三人は少しも考える事なく答えた。


「私はスカアハさんから武器や物に対するより効

率的で強力な魔力の込め方を学びました」


「わ、私はアテナさんから守りながらも相手の弱

点や隙を見極めて反撃に繋げる事を学びまし

た」


「私はアンドロメダさんから祝福の魔力のより良

い使い方を学びました。ちょっと引きましたけ

ど・・・」


司の狙い通りに三人が神器達から学んでくれたので嬉しいが、優勝商品が優勝商品なだけあって司は悲しくもなっていた。


「そうか・・・さぁ、帰ろう!!」


司はそう言っていきなり走り出した。


「あ、逃げやがった!!」


「追え!!奴を逃がすな!!」


皇気と涼が司を追いかける。


「そんなに嫌なのか・・・」


「なんだか可哀想になってきました・・・」


アテナと龍は追いかけずに、ただただ同情しているだけだった。


「「「待ってください!!」」」


三人組も皇気と涼同様に司を追いかける。


「私達から逃げられるかな?」


「私もたまには追いかけたくなりますので」


スカアハとアンドロメダはあり得ないスピードで司を追いかける。


「俺は・・・死にたくないんだぁ!!」


こうして、数時間に及ぶ追いかけっこの後、全員は大人しく帰った。

このドタバタのせいで、結局本音薬は使ってはいない。

果たして使うときは来るのか・・・


つづく。







今回の解説。


特殊魔力属性について。


光→基本的には聖なる力で基本魔力属性の雷と火

に似ている。

だが、扱いが難しいために応用がしにくい。


闇→基本的には邪悪な力で基本魔力属性の地と風

に似ている。

こちらも扱いが難しいため、応用が難しい。


氷→氷といっても基本的には冷気を放つ属性。

基本魔力属性の水と風に似ている。

光と闇と違い、扱いが容易いので応用がき

く。


自然→今回初めて説明をする魔力属性。

草や木などを成長させたり変形させたりす

ることが出来る魔力属性。

地と火に似ている。


またなにか増やすかもしれませんが宜しくお願いします。


今回は以上です。






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