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65話 復活、大和神話 Ⅶ

今回はクライマックスともあって長めです。

果たして八岐大蛇を倒せるのか?

そして、最後の最後で新たなる力が目覚める。

龍、皇気、涼も戦いに加わり、八岐大蛇に攻撃を加え続けるが、やはりダメージは入っていない。

唯一、司の攻撃のみが八岐大蛇にダメージを与えていたが、八岐大蛇が倒れる様子は全く見えなかった。


「ダメージが入ってるのは司の攻撃だけだ

な・・・」


皇気は八岐大蛇の弱点を探そうと長考していた。


「ああ。俺達も神器覚醒をすればダメージを与え

られるか?」


ちなみに龍と皇気は神器覚醒をしていない。

これには理由があった。

いくら龍と皇気といえども、長時間の神器覚醒は出来ない。

確かに体に不可はかからないが、あまり長く同調し過ぎると元に戻れない可能性がある。


「いや、確信が持てるまで司に頑張ってもらうし

かないな・・・まぁ、長時間は無理だが」


司の場合、三つもの神器を使っているので、本格的に長期戦は不味い。

これは司も理解していることだった。


「デッドエンド!!」


司はゲイボルグに死の魔力を込めて八岐大蛇の頭の一つに突き刺した。

八岐大蛇は苦しんだが、すぐに他の頭がカバーにくる。


「ちっ、他の頭がカバーに来てる間に再生するっ

てわけか・・・」


司の言った通り、一つの頭を攻撃すると他の頭が守りにくる。

ここで、全ての頭を一気に潰すという作戦が出てくるが、それを実行するにはかなりの魔力がいる。

それで八岐大蛇を倒せなければこちらの負けだ。

つまり、確信があるまで実行できないのだ。


「シルバーウィンド!!」


香菜美が二人に分身して巨大な風の刃を放つが、八岐大蛇には傷一つ付いていない。


「プロミネンスオーバーブレイク!!」


由井がステラを強化し、ステラは強力な一撃を放った。

だが、やはり八岐大蛇にダメージは入っていない。

宝具解放をすればダメージは入るかもしれないが、二人はまだ慣れていないので長時間解放することができない。


「やっぱりダメージは入っていないですね」


「そうみたいですね・・・」


「宝具解放をすれば違うかもしれないのに!!」


三人は自分達が何も出来ていないと思っているので、無力感にさいなまれていた。

だが、司は児の戦いで三人が働くときはきっと来ると予想していた。

だからそれまで宝具解放をとっておいてほしいのだ。


「ウォーターバイト!!」


「ソウルジャッチ!!」


龍は水圧の刃で八岐大蛇を攻撃し、皇気は八岐大蛇の魔力ブレスを使いラーの天秤の能力でダメージを与えにいく。

だが、やはりダメージは入らない。

皇気の攻撃はダメージは入っているが、すぐに八岐大蛇は立ち直ってしまう。


「キシャァァァーーー!!」


すると八岐大蛇はいきなり叫んだ。

その叫びに司、龍、皇気、涼は怯まなかったが、戦闘経験が浅い三人組は怯んでしまった。

その隙を八岐大蛇は見逃さない。


「香菜美、由井、ステラ!!」


八岐大蛇は八つの頭のうち四つの頭で三人組を襲った。

残りの四つは他の四人に襲いかかるが、軽く回避されてしまう。

司は攻撃を回避した後、三人組の援護に行った。


「お前ら、伏せとけよ!!」


司は一瞬して頭の一つをアンドロメダの鎖で押さえ、二つ目の頭にはゲイボルグを投擲し、三つ目の頭には怒濤雷撃をあて、三つの頭は封じた。

だが、四つ目の頭は無防備な司に向かっていく。


「ちっ、しかたねぇか・・・」


司はその頭の攻撃を回避しようとするが、脇腹に牙が刺さり、えぐられてしまった。


「師匠!!」


「先輩!!」


「司さん!!」


だが、司は怯むことなく四つ目の頭に攻撃を加える。


「ライトニングブレイク!!」


素手とはいえ、目玉に攻撃を当てたので八岐大蛇は怯んだ。


「香菜美、ステラ!!」


咄嗟に司は二人に攻撃するように指示を出す。

二人は咄嗟に八岐大蛇の胴体に攻撃を放つ。

だが、その攻撃を八岐大蛇は頭で守った。

この光景を見て皇気はあることを確信した。


「全員、一回集合。作戦を伝える香菜美はーー」


皇気の指示で全員が集まった。


「俺の判断によると、八岐大蛇の胴体には心臓の

ような核があると思われる。頭が必至に胴体を

守ろうとしたことがその証拠だ。だから、作戦

では最終的に胴体に一撃を加えに行く」


皇気の作戦はこうだ、皇気、涼、三人組が八岐大蛇の動きを止め、龍が全ての首を切り落とす。

そして最後に、一番破壊力がある司に胴体を攻撃してもらうわけだ。

龍の宝具を使えば簡単に動きを止められるが、流石に八岐大蛇には一秒と持たない。

だから、他のメンバーで動きを止める必要がある。



「プロミネンス・・・解放!!」


「烈風、神風・・・解放!!」


「死召霊媒・・・解放!!」


まず、香菜美、ステラ、涼が宝具を解放する。


「「神器覚醒!!」」


続いて龍と皇気が神器覚醒をする。

最後に由井が全員の体を冥一杯強化する。

これで準備は整った、後は実行するのみ。


「作戦・・・開始!!」


「「「了解!!」」」


まず、皇気、涼、香菜美、ステラが八岐大蛇をそれぞれ攻撃し動きを止める。


「ソウルジャッチ!!」


皇気が八岐大蛇の膨大な魔力を吸収し、自分の全力の魔力と天秤にかけ、八岐大蛇を内部から攻撃していく。


「ヘルスキュワード!!」


涼は宝具で増大させた魔力を使い、八岐大蛇に魔術を放つ。

地面から死の魔力で出来た槍が出現し、八岐大蛇を串刺しにした。


「ゴールドウィンド!!」


香菜美は二人に分身し、先程の技よりも多数の鋭い風の刃を放った。


「プロミネンスオーバードライブ!!」


ステラの全力の捨て身の一撃が八岐大蛇に放たれた。

これだけやっても八岐大蛇にダメージはあまり入っていないが、動きを止めるには十分だった。


「一刀流必殺・・・神威!!」


龍の最も得意とする剣術は居合い切りである。

龍は一太刀で八岐大蛇の首を全て切り落とした。

これだけでは八岐大蛇はおそらく再生してしまうはずだが、最後の最後で司の出番が来た。


「デッドボルテックス!!」


司はまずゲイボルグを八岐大蛇の胴体の中心に投擲した。


「持ってくれよ俺の体・・・」


そして、そのゲイボルグ目掛けて怒濤雷撃でゼロ距離攻撃をする。


「ライトニング・・・デストロイヤーーー!!」


その一撃はゲイボルグを押し出し、魔力波は胴体を貫通して山を削った。

削られた山は、もはや原型を止めていなかった。

どうやら、ネフティスの門で蘇生させられた生物は死んだら消えるようになっており、八岐大蛇も絶命した証拠に綺麗に消えていった。


「やったか・・・」


「俺達の勝利だな」


龍と皇気は勝利を確信し、他のメンバーは勝利に喜んだ。

だが、それと裏腹に司はそのままその場に倒れた。

神器は自動的に人型に戻り、司の安否を確認し始めた。


「不味いですね・・・八岐大蛇にえぐられた傷が

酷すぎます」


アンドロメダの判断によると、相当不味いらしい。

司の脇腹は、有り得ないほどえぐられており、生きているのが不思議なくらいだった。

祝福の魔力は実際のところ自然回復を早めるだけなので、傷を直しているわけではない。

新宿の時は傷口が小さかったので塞がったが、今回は傷が大きすぎる。


「私達のせいだ・・・」


由井はその場で崩れ去った。

由井の祝福では、もはや司は助けられないと理解していたからだ。

それでも由井は司を助けたいと強く思った。

そして、自分の宝具にそう強く願った。


「お願い・・・今すぐに司先輩を救える能力を私

にください・・・」


すると、その願いに反応したかのように由井の宝具が光った。

全員がその光に目を瞑ったが、目を開けると司の傷が癒えていた。


「な、なんだったんだ今の力は・・・」


皇気は由井の宝具が何をしたのかは分からなかったが、由井の宝具が司を救ったことは理解した。

由井ですら自分の宝具が何をしたのか分からなかった。

こうして、小さな奇跡と謎を残して、今回の事件は終了した。



つづく。







今回の解説。


今回登場した新技たちについて。


シルバーウィンド。

風の刃を作り出し高速で打ち出す技。


ゴールドウィンド。

シルバーウィンドの上位五感。

シルバーウィンドより巨大な風の刃を大量に作り出し、放つ。


ヘルスキュワード。


涼の魔術の一つで、ネクロマンサーの技でもある。

地面より死の魔力で作った槍を出現させ、相手を串刺しにする。


ライトニングデストロイヤー。


神器三つの力を怒濤雷撃に注ぎ、放つ技。

ライトニングインパクトとは威力が比べ物にならない反面、負担も大きい。


今回は以上です。

今後も技についてはちょくちょく解説していきます。









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