表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/127

54話 神話魔獣退治(前編)

番外編の方は、不定期に更新するのとになりました。

本編はまた3日毎に更新していきます。

ギリシャ神話に登場する冥府神ハーデス。

当然、ハーデスの武器も神器になっており、所持している者がいる。

ハーデスの神器を所持している者は、ある役目があった。

今回はその物語。


ーーーーーーーーーー


司は先日理事長から言われた通り、理事長の所に三人と神器二人を連れて来ていた。

ちなみに、千尋と汐里は仕事に出掛けていった。

龍と皇気も任務らしい。


「おい、言われた通りに来たぞ!!」


司は理事長の家の玄関の前でそう叫んだ。

そんな理事長の家は司の家ぐらいに大きかったので、初めて見た三人は驚いていた。


「思ったより大きいわね」


「でも、先輩の家と大きさは変わりませんね」


「それって、司さんの家がすごいってことじ

ゃ・・・」


途中から驚きより、司の家の大きさの謎の方に着眼点が行ってしまった。

そんなことを話していて、しばらくすると玄関が開いた。


「来たな、早速中に入ってくれ」


理事長は昨日の電話と同様に、何故か急いでいた。

そこを司は見逃さない。


「おい、理由を説明しろよ。なぜ、今回俺を呼ん

だ?」


理事長は理由を聞かれると、真剣な目付きになった。


「その説明も中でしよう。とりあえず入ってく

れ」


司たちは家の中に入っていった。

奥の客間まで連れてこられると、全員椅子に腰掛けた。

すると、横の扉が勢いよく開いた。


「ひさしぶりっ!!司ーー!!」


出てきたのは理事長の娘にして、前の事件の時に運転手をしてくれた、京子だった。

京子は現れるなり司にいきなり抱きついた。


「あ、あいかわらずですね・・・」


「うん、私はいつも通りだよ?」


その光景を見ていた三人は当然司を睨んでいた。

その視線に気づいたのか、司は京子を引き剥がした。


「今から大事な話らしいんで、少し我慢してくだ

さい」


そう言うと、京子は渋々了承した。

それを見ていた理事長は、ため息を一つ吐いた後、話をし始めた。


「はぁ。それでは説明するぞ。単刀直入に言う

と、司に冥府に行ってもらいたい」


「は!?」


司には意味が分からなかった。

そんなことを今まで一度もいわれたことがなかったからである。


「理事長は俺に死ねと言っているのかな?」


そんな事を言っていると、アテナが一人で納得していた。


「なるほど・・・ケルベロスですか・・・」


その単語を聞いても司達は分かっていなかった。


「「「ケルベロス・・・?」」」


その単語を聞いた理事長は頷いていた。


「そう、ケルベロスだ。こいつの相手を冥府に行

って、やってきてほしい」


その説明を聞いて、やることは理解したが理由はまだわかっていない。


「やることはわかったが、理由は教えてもらって

ないぞ」


それを聞いた理事長は少し考えた後、説明をすることにした。


「私の神器はハーデスの鎌といってな。名の通

り、冥府神ハーデスの神器なんだが・・・これ

の所有者には仕事があるんだ・・・」


理事長は不定期に起こる、ケルベロスの怒りを沈める作業のことを説明した。


「私はもう歳なのでな、司にケルベロスを倒して

もらいたい」


「おいおい、倒して大丈夫なのかよ?」


「ああ。直ぐに再び出現するからな」


その説明を聞いた司は少し悩んだ後、決意した。


「わかった。どうせ誰かいかなければいけないん

だろ?」


「ああ。すまないな・・・」


理事長は本当に申し訳なさそうに謝罪をした。


「あの・・・行けるのは司さんだけなのでしょう

か?」


そこで、ステラが冥府に行ける人数を聞いてきた。


「ああ。司一人だけだ、神器もつれてはいけな

い」


それを聞いて三人はうつむいてしまった。

神器の二人はそれぞれ考え事をしているようだった。


「それで、どうやって冥府に行くんだ?」


「私のハーデスの鎌の能力で冥府に送る」


これで司の聞きたい情報はすべて揃った。

あとは、実行するだけだった。

だが、そこでスカアハとアテナが質問した。


「「司がケルベロスに勝てる保証は?」」


二人は台詞が被ったのが嫌だったのか、お互いに睨みあった後、そっぽを向いた。


「勝てる保証は無い。もしかしたら冥府から帰っ

てこられないかもしれない」


さらりと言われたその台詞は、司にはともかく、三人には重大なことだった。


「「「それって、どういうことですか!?」」」


三人の質問が一斉に理事長に飛んでくる。

それを聞いた理事長は答えた。


「相手はケルベロス、時刻の番犬とも言われる怪

物だ。いくら司といえども、相手をするには辛

い相手だろう・・・」


その台詞を聞いて三人は、司を止めるかと思ったが、止めなかった。

三人は学習していたのだ、司はこの程度では止まらないと。

三人は少し考えた末に、司にそれぞれ声をかけた。


「師匠。必ず勝利してくださいね・・・」


「先輩・・・御武運を・・・」


「司さん。きちんと帰ってきてくださいね」


それを聞いた司は、しっかりと返答をした。


「まぁ、任せておけ!!」


続いてスカアハとアテナが険悪な雰囲気を出しながら近づいてきた。


「「お前(貴方)ならできる(できます)」」


再び台詞が被った二人は、殺気をついに出した。


「「真似しないでください(するな)!!」」


もし、司が帰ってきても喧嘩が続いてそうなぐらい、お互いに殺気を出し合っていた。

それを見ていた司は苦笑いをしていた。


「では、そろそろ送るぞ。奥の部屋に来てくれ」


司は理事長に言われた通りに奥の部屋に入った。

司が部屋の真ん中に立ち、目をつぶる。


「いつでもこいや!!」


理事長は魔力を体に貯めて、神器を呼んだ。


「・・・ハーデスの鎌!!」


神器の姿を見た司は思った。


「かっこいい!!」


だが、残念ながらこれが司の最後の言葉になった。

次の瞬間司は鎌に切り裂かれて、そのまま意識を失った。

司の体はというと、その部屋に無造作に放置された。

それを司は知らない。



つづく。




今回の解説。


冥府に行った司の状態について。


司の魂だけが冥府にいったが、感覚的には現実と変わらないので、全盛期に戻ったわけではない。

つまり、宝具を解放できる時間は変わらない。

魂といえども、死んだらそこで終了。

ケルベロスを倒さなければ現実世界に帰ってはこれない。

なお、いつもの武器は持っていってないので、てぶらである。


今回は以上です。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ