52話 地獄の再開(後編)
ついに明かされるミカエラのフルネーム。
そしてついに修羅場がくるらしい。
ギリシャにやって来た八人に司、ミカエラ、エリナを加えて、城の奥の丸テーブルに皆で座り、世間話をしようとしていた。
「まず、自己紹介から始めましょう」
千尋が早速話の内容を切り出した。
「で、では私からいきます」
ミカエラが自ら手を上げて自己紹介をしようとしていたが、とても緊張しているようだった。
「なんで、そんなに緊張してんだ?」
不思議に思ったので、司が理由を聞いてみた。
だが、質問に答えたのはミカエラではなく皇気だった。
「知らないのか司?千尋さんと汐里さんは世界的
に有名なウィザードなんだぜ」
衝撃的な事実だったはずだが、司はあまり驚いていなかった。
「あれ?あまり驚かないな」
「だって、姐さん達がすごい魔術師だってことは
俺が一番よく知ってるからな。有名でもおどろ
かないさ」
この台詞に尊敬の他に恐怖による経験があることは司以外知らない。
「というわけで、自己紹介をどうぞ」
皇気が話を元に戻した。
「はい、私の名前はミカエラ ベラルといいま
す。宜しくお願いします」
自己紹介に拍手が沸いた。
次に自己紹介をするのは、龍と皇気になった。
「俺の名前は渡辺 龍。宜しくなお嬢さん方」
「俺の名前は篠原 皇気だ。宜しくレディ達」
二人ともエリナ、ミカエラ、アテナに、向かって言っていた。
相変わらず女性の前では態度が変わるらしい。
続いて三人組が自己紹介をすることになった。
「私の名前は木戸 香菜美です」
「私の名前は神城 由井といいます。宜しくお願
いします」
「わ、私はステラ スミスという者です。宜しく
お願いします」
三人はいつも通りの口調で自己紹介をしていた。
次に自己紹介をするのはエリナ。
「私はこの城の主にしてアスカレート家の現当
主、エリナ アスカレートです。宜しくお願い
します」
エリナからは相変わらずの気品に満ちた自己紹介がきた。
そして最後に、会ったときから敵対をしあっているスカアハとアテナの神器組からの自己紹介だった。
「私の名前はスカアハという。宜しく頼む」
「だけど、変乳ですね」
スカアハはしっかりと自己紹介をしたが、アテナから横やりが入ってきた。
この時スカアハは何も言わなかったが、反撃しないわけがなかった。
「私の名前はアテナです。宜しくお願いします」
「だが、ロリ神」
今度はスカアハから横やりが飛んできた。
二人は目を合わせて殺気を出していた。
「喧嘩は止めろよ。城が消えるからな」
司が止めたことによって、喧嘩をすることはなかった。
自己紹介が終わったので、司はギリシャでの出来事を簡単に説明した。
当然、エリナの婿争奪戦のことは言ってない。
言ってもろくなことにならないからである。
「へー。大変だったな司」
皇気から他人事のような感想が出てきた。
ここで司は一つ気がついた。
「そういえば、なんで俺がギリシャに居ることが
わかったの?」
その質問に対して、龍がゼロの施設にテレビだけの部屋があり、そこのテレビに写っていたことを説明した
「テレビだけの部屋・・・?」
「ああ。俺たちはおまえの姿を見たからあまり調
べないで出てきたけど、あやしいよな」
皇気の台詞に対して汐里が答えた。
「安心しろ、私がその部屋を調べるようにウィザ
ードの暇そうな奴等に言ってきたから」
「さすが、仕事が早いな汐里姐」
汐里はがさつではあるが仕事をきっちりこなす頼れる人なのだ。
「そっちで捕まえたマキスって奴はどうなん
だ?」
マキスは今は拘束されて尋問されているらしい。
「いや、だめだ。マキスはただ雇われた傭兵だっ
ただけだ。何も情報をもっていなかった」
マキスはゼロに雇われた傭兵らしく、何も知らないらしい。
何も進展がないので、バトルロワイヤルの話に切り替えることにした。
ここで、他の人たちに一つの疑問が生じた。
「なんでバトルロワイヤルに出てたんだ?」
この汐里の一言で司は固まった。
エリナは少し頬を赤らめて下を向いていた。
「おやおや、何か訳があるようですね」
千尋は何かを感じたのかニコニコしていた。
丁度その時、乱入者が現れた。
「その話は私が説明させてもらおう」
「お、お父様!?」
乱入者はエリナの父であるゴーラだった。
ゴーラはバトルロワイヤルの経緯をものすごいスピードで説明した。
そう、司が止める暇もないスピードで。
説明が終わる頃には、エリナ、姐二人、神器二人を除いた女性達が表情を変えた。
「師匠。お話をしましょうか・・・」
「先輩。いい機会なので、煩悩を消しましょう
か」
「司さん。今度こそ見損ないました」
「立花さん。私はテレビを見ていなかったので知
りませんでしたが、最低ですね」
司は四人から罵倒と殺気をもらった。
対してゴーラはその光景を見て大笑いしていた。
「あの、クソジジィ!!」
こうして司は別室に連行された。
このあとのことを説明すると、規制がかかるので説明はしない。
それぐらい、恐ろしかったらしい。
つづく。
今回の解説。
前回の続き。
木戸 香菜美
宝具はまだ不明。
風の魔力を操り、鋭い攻撃をする。
得意な武器は双剣。
双剣術は、司におしえてもらった。
神城 由井
宝具は不明。
祝福の魔力を使い、主にサポートを得意とする。
色々な武器や道具の使い方を司から習っており、
司お手製の武器や道具をもっている。
ステラ スミス
宝具の直剣を使い、パワー勝負を得意としている。
三人の中で、最も火力が出る。
火属性の魔力で敵を焼き尽くす。
簡単にいうと脳筋。
スカアハ
ゲイボルグを扱いテクニックで敵を倒す。
能力は司の神器解放と変わらない。
三色のゲイボルグを多彩に使う。
アテナ
アイギスの盾を使い守りを得意とする。
相手を石化させることも可能。
持久戦において、彼女の右に出るものはいない。
ミカエラ ベラル
宝具はナイフ。
様々な物の性質を変化させ、環境を変化させて戦う。
基本魔術はあらかた使うことが可能。
今回は以上です。




