48話 ギリシャで傭兵 Ⅴ
バトルになると、文の方が多くなってしまいます。
司とマキスは互いに宝具を展開しながら、出方を伺っていた。
マキスの宝具は巨大な斧であり、司と同じく力で敵をねじ伏せるタイプだと思われる。
「あんたの宝具も中々デカいな」
「君のもな」
互いに余裕を見せつつも、警戒は解かない。
互いが熟練者故に可能な戦闘スタイルだ。
だが、お喋りの時間は一瞬にして終わった。
「「はぁっ!!」」
互いが同時に攻撃を始めたことにより、つばぜり合いがおきた。
重たい一撃同士のぶつかり合いなので、凄まじい衝撃波がミカエラの方に飛んできた。
ミカエラはギリギリ踏ん張ることに成功した。
「な、なんて重たい一撃同士なの・・・」
技量は互角に見えるが、実際はマキスの方が優勢だった。
「やっぱり戦闘経験の分あんたの方が技量が上
か・・・」
「君も中々の技量だが、俺には及ばない」
互いに相手の技量の感想を述べているが、相変わらず打ち合っている最中である。
互いに打ち合いに魔力を使っていないので互いに相手の魔力属性がわからない。
これはとても重要なことである。
だが、先に魔力を使ったのは司だった。
理由は簡単、持久戦を司はできないからだ。
「悪いけどモタモタしていられないんでね
っ!!」
右手に魔力を貯め、零距離で瞬時に解き放った。
「サンダーブラスト!!」
普通の人間ならば、防ぐことはまず不可能な一撃だったのだ。
だが、マキスはある方法で防いでいた。
「なに!?氷の壁だと!?」
マキスは腹に氷の鎧を張ることによって、司の魔術を防いだのだ。
「そう。俺の魔力属性は氷だ」
氷の魔力属性は世の中に早々いない。
祝福ほどではないが珍しい属性なのだ。
「おかえしだ!!」
今度はマキスからカウンターのパンチか飛んできた。
「ぐあっ!!」
司は軽く数メートルふっ飛んだ。
「立花さんっ!!」
司はダメージを食らったが、戦闘には支障はなさそうだった。
「大丈夫だ」
司は直ぐに立つとすかさず全魔術武装をした。
それを見たマキスも、全魔術武装をした。
「やはりあんたは俺より強い」
「それはそうだろ。で、どうする?降参する
か?」
「いや、降参はしない。勝ちに行く!!」
司は再び正面から叩きに行が、やはり用意に受け止められてしまう。
そこで司はすかさず右腰についているナイフで切りかかった。
「まだ、あまい!!」
そのナイフも受け止められてしまう。
司はマキスから一旦距離を取った。
その際にナイフを雷の魔力を込めて投げたが、軽く避けられてしまった。
「ふぅ、隙がないな・・・となると・・・」
司は一気に宝具を解放しようとした。
「真名は怒濤雷撃・・・宝具解放!!」
司が宝具を解放して活動できる時間は三分。
今までの戦いでは、そうとう無理をして三分を少しオーバーしていたが、それもそろそろ体の限界だった。
「さっさとあんたを倒す!!」
「ならば俺も・・・真名、ヘビーファルコン。宝
具解放!!」
司は魔力を込めて正面から潰しにいった。
「その手は飽きたよ」
「それはどうかな?」
マキスはまた防ごうとしたが、司の解放した宝具は、マキスの予想を超えた威力だった。
「なにっ!?」
マキスの宝具を司は弾き飛ばした。
そして、空いた足でマキスを蹴り飛ばした。
「ぐぉっ!!」
「これで、さっきのお返しは完了だ」
マキスはふ飛ばされたが、右手を司に向けた。
すると、司が吹っ飛ばしたはずの宝具が司に向かってきた。
「嘘だろっ!?」
司は回避しようとしたが、間に合わず右足に当たってしまった。
すると、右足が凍りついて動かなくなった。
「ちっ、右足が使い物にならなくなったか」
「君の宝具の威力には驚いたが、これで君のは終
わりだな」
マキスは宝具を自分の方に飛ばして回収しながらそう言った。
司は無事な左足のみで立ち上がり、宝具を構えた。
「ほう、片足だけで戦えると思っているのか
っ!!」
マキスは司が片足だけで立っていることを良いことに、宝具で切りかかった。
「今度はあんたが甘いなっ!!」
司は片足のはずなのに、まるで両足で立っているかのような動きでカウンターをマキスに与えた。
「馬鹿なっ!?」
吹っ飛ばされた先でマキスは、驚愕の表情をしていた。
「片足で戦闘する方法はな、ある人に習ったの
さ。その人は言ってたよ、片足だけでも戦えっ
てな」
「なるほど・・・破壊者という異名は伊達では無
いということか・・・」
「さぁ、時間は少ないが決着を付けようぜ」
再び二人の正面からの打ち合いが始まった。
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一方こちらは先に進んだアテナの話。
アテナは既に魔力砲のコントロールルームの前に来ていた。
「ここがコントロールルームですか・・・」
アテナは勢いよく扉をぶち破った。
すると、アテナの目の前に写ったのは、大量の兵士だった。
「はぁ・・・時間が余りありません、一気に片付
けます!!」
アテナのお掃除タイムがこちらでは始まった。
つづく。
今回の解説。
氷属性について。
ずいぶん前に珍しい魔力属性があることを言いましたが、氷属性も珍しい魔力属性の一つです。
祝福の方が珍しいですが、氷属性もそんなにいません。
氷の他にも自然属性とか、闇属性、光属性などもそうです。
属性でどんな事ができるよのかは想像にお任せします。
また、何かが出てきたら解説しますので、そこのところはよろしくお願いします。
今回は以上です。




