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47話 ギリシャで傭兵 Ⅳ

今更ながらギリシャで日本語を話しているのは気にしないでください(切実)

司、アテナ、ミカエラは視界に入った部屋を隅々まで探索をしながら、長い廊下を歩いていた。


「どこの施設も廊下が長いな」


「そうなんですか?」


「ああ、そして俺の予想だとボスは広い部屋にい

る」


「ず、随分とすごい予想ですね・・・」


この様な会話をしながら、ゆっくりと探索をしている三人。

だが、まだ何も資料などは見つかっていなかった。

司はふと思い出したのかミカエラに宝具のことを聞いてみた。


「そういえば、ミカエラの宝具はどんな能力なん

だ?たしか、森で見たときはナイフだったよ

な?」


司は一度施設の外の森でミカエラの宝具を見ている。

その時はミカエラは宝具の能力を使っていなかったので、司はまだ知らなかったのだ。


「はい、私の宝具はナイフ型ですよ」


「ナイフですか・・・小回りが効いて、魔力を流

しやすく、扱いやすい武器ですね」


アテナがナイフの利点について言ってくれた。

ミカエラはその説明を聞いて、頷いていた。

その後にミカエラが能力の説明をしてくれた。


「私の宝具は、触れたものの性質を変化させるこ

とができる能力を持っています」


「性質変化か・・・随分とトリッキーな能力だ

な。で、例えばどんなことが出来るんだ?」


「例えば燃えにくい壁を燃えやすくしたり、剣を

ヘナヘナにしたり出来ますね」


司は説明を聞いて少し何かを考えた後、もう一つ質問をした。


「その性質変化って部分的に限定できる?」


「はい、できますよ。例えば切った所だけ性質を

変化させるとか、隙間のように狭い範囲だけを

性質変化させるとか」


「それがわかれば上等だな」


司はミカエラの宝具を何かに使うつもりらしい。

そう、アテナは思っていた。


「そういう立花さんはどんな宝具なんですか?

森では使っていませんでしたけど・・・」


「俺の宝具は大槌だな」


司は大槌と言ったが、ギリシャでは大槌何て言わない。


「大槌・・・ハンマーのことですか?」


「まぁそんなところだな」


「では、能力について教えてください」


司はミカエラに宝具の能力のことを聞かれて、どのように説明するか少し悩んだが、自分の言葉で説明することにした。


「俺の宝具の能力は破壊だ。簡単にいうと、相手

の能力を無効化したり、バリアや結界などを破

壊して、正面から戦えるようにすることだな」


「なるほど・・・なかなか聞かない能力ですね」


「まぁ言っても、強化魔術は無効にできないし、

能力の対処法がわからなければ意味無いけど

な」


司は苦笑いしながらそう説明していた。

これは司の経験から語られたものらしい。


「だが、私はその能力は大変危険だと思います

よ」


説明がちょうどし終わったときに、アテナが横から能力の感想を言ってきた。

その危険という意味には、どのような意図が込められていたのかは、アテナしか知らない。


「危険ですか・・・私にはよくわかりませんね」


「危険ね。まぁ気にすることじゃないだろ」


宝具についての話が終わった時、ちょうど再奥の部屋に着いた。


「ここか・・・お前ら準備はいいか?」


「はい。大丈夫です」


「はて、なにを準備しろって言うんですか?」


ミカエラからは肯定の声が、アテナからは皮肉の声が聞こえてきたので、司は安心して扉を開いた。

再奥の部屋の中は、司の予想通り広い部屋だった。


「やっぱりか・・・」


「立花さんの言う通りでしたね」


「真ん中に誰か立ってますよ」


アテナの発言に二人は真ん中を見てみると、確かに男が一人立ってた。


「待っていたぞ、立花 司」


「あんたは誰だ・・・?」


「俺の名前は、マキス クレール」


「マキス クレール?」


司はこの名前を聞いたことが無かった。

だが、マキスの方は司を知っているようだった。


「君は有名だからな。裏の世界ではね」


「ああ。前にもそんな事を言われた気がするよ」


司は一応納得した。


「それで、これからなにするんだ?」


「君が一番分かっているんじゃないか?」


「まぁな」


司とマキスはお互いに殺気を放ち始める。

そこで、マキスから一言忠言があった。


「そうそう。俺に時間を食っていると、アスカレ

ート家が消えるぞ」


「なんだと・・・?」


「この基地には魔力砲が一つあってな、後少しす

ると発射されるようになっている」


「おい、どうすれば止められる」


司の殺気がより一層増えた。

そんな司を前にしてマキスは飄々と言った。


「この先にある装置を破壊することが出来れば止

めることができる」


「アテナ、よろしく頼めるか?」


司はその仕事をアテナに頼もうとした。


「私は構いませんが、司は大丈夫なのですか?」


「まぁ、何とかするよ」


「わかりました。では、行ってきます」


アテナはマキスを無視して先に進んでいった。

マキスはアテナを止めようとはしなかった。


「これで対等だな、立花 司」


「おっと、二対一だけど?」


「そっちの女は役にはたたないだろう」


どうやらマキスにとって、ミカエラは戦力に入らないようだった。


「な、なんですと!?」


「そうだな、ミカエラは少し下がってろ」


「立花さんまで!?」


ミカエラは司にまで言われたので、少し涙目になっていた。


「勘違いするな、お前にはお前の仕事がある」


そう言って司はミカエラの耳元で何かを囁いた。


「わかりました。任せてください」


「話は終わったか?」


「ああ。じゃあ、始めようか」


「そうだな」


今ここに、今回のラストバトルが始まる。


ーーーーーーーーーー


話は飛んで日本。

自家用機でギリシャにいこうとした八人は、今まさに出発しようとしていた。


「それじゃあ、出発!!」


「「「おおーーー!!」」」


こうして八人はギリシャに飛び立った。

この八人が来くれば、司はとても疲れるだろうと、スカアハは思っていた。



つづく



今回の解説。


魔力砲について。


魔力砲とは、弾の代わりに膨大の魔力を使い、圧倒的破壊力をだす大砲。

撃つのに何人も魔術師が必要なので、そこまで優秀ではない。

だが、破壊力だけなら本当に格別。



今回は以上です。




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