42話 生存確認
久しぶりに出てきた人がいますね。
二組のエリートが任務にいっている間、香菜美、由井、ステラは司の家で待機していた・・・
訳でもなく、掃除やら洗濯などの家事をせっせとこなしていた。
そして数時間が経ち、一段落ついた時の話。
「司先輩は生きているんでしょうか?」
「そんな事を言わないでよ」
「きっと司さんなら生きていますよ」
三人は司の安否について不安が一杯だった。
「それにしても・・・スカアハさんは相変わらず
落ち着いていますね」
スカアハは普通に椅子に座り、テレビをお茶をすすりながら見ていた。
「師匠が心配ではないんでしょうか?」
「でも、あの二人の関係って良く解りませんよ
ね?」
「「たしかに・・・」」
三人がスカアハと司の関係について話をしていると、スカサハから一言飛んできた。
「おい、全部聞こえているぞ」
「「「!?」」」
この一言に三人は当然驚いた。
「私も話にまぜてくれないか?」
さらには自分まで介入してこようとしているのだから、もっと驚きだ。
「えっと・・・じゃあ、二人の関係ってどんな感
じなんですか?」
仕方がないので、おそるおそる聞いてみた。
「あいつと私の関係か・・・ふむ、よく考えてみ
るとよく分からないな・・・」
スカアハは司の神器であることは確かだが、どうも司のスカサハへ接し方が普通の人間と同じなのである。
「私はあいつの事を良い魔術師だとか、友と思っ
ているのだが・・・」
「確かに・・・司先輩の方はスカアハさんの事を
どう思っているのでしょうか?」
この後も話を続けていると、気がついたら関係についてではなく、司の思考について考える話に変わっていた。
「司さんって、本当になに考えているか解りませ
んよね・・」
「どうしてあんなに女好きなんでしょうか?」
「でも、地味にモテるから何とも言えないんです
よね・・・」
結果としては、司が普段考えていることは理解不能という結果になった。
「私ずっと気になっていたんですけど・・・司先
輩って日本人じゃないですか・・・なのになん
で、金髪なんだろうって・・・」
確かに司の両親はどちらとも純粋の日本人だが、司は金髪だ。
少し前に両親の写真を見せてもらったことがあるが、二人とも黒髪だった。
「黒髪から金髪って生まれるんですか?」
「私に聞かれてもわからん」
スカアハも、司が金髪の理由はあまり詳しくないようだった。
「その話は本人に聞くといいぞ!!」
ちょうどその時だった。
話をしている部屋に二人組が押し掛けてきた。
「「ただいま」」
その二人組とは、任務を終えてダッシュで帰って来た龍と皇気だった。
「お、おかえりなさい。随分と早かったですね」
「ああ。驚くものを見てしまってな、ダッシュで
帰って来たんだ」
「驚くものって何ですか?」
三人は何のことかさっぱりわからなかったので、聞いてみた。
龍が答えようとすると、またドアが勢い良く開いた。
「その話は、私達の話の後にしてもらおう
か!!」
再び二人組が部屋に押し掛けてきた。
「千尋さんと汐里さん・・・お二人も早かったで
すねですね」
二組目の二人組は、千尋と汐里だった。
「いえ、俺達の方が先ですよ!!」
「いや、私達が先に言わせてもらう!!」
何をそんなには言いたいのか、二人はどちらが先に言うかでもめていた。
「なら、同時に言うのはどうかしら?」
結局は千尋の提案で、二人同時に言うことになった。
「はい、せーの」
「「司がギリシャに居たんだよ!!」」
汐里と龍が同時に同じ事を叫んでいた。
「「え?」」
二人はお互いに同じ事を叫んだので、驚いていたが、他の三人はもっとすごかった。
「「「は・・・え、ええええーーーー!?」」」
今までにないくらいの驚きだった。
「ん?やっと気がついたのか」
かというスカアハは、まるで知っていたかのようないいようだった。
「司先輩が生きているのは嬉しいですが、なぜギ
リシャに居るんですか!?」
「ダブルで驚きですよ!?」
「せ、説明してください!?」
三人は若干パニックになりつつも、説明を求めていた。
「「それは、私達(俺達)にもわからん」」
いつもの二人の反応をされて、三人はパニックが収まった。
「俺達より、スカアハに聞いた方が早いと思う
ぞ」
皇気の提案により、スカアハに説明を求めた。
「私もギリシャにいる経緯はわからない。だが、
生きているということは最初から知っていた
ぞ」
その一言に対して、他のメンバーは叫んだ(千尋以外)
「早く言えよ(言ってください)!!」
続いて、何で生きていると知っていたのか聞いてみた。
「私は神器だからな、司の体の状態に合わせて進
化した。そのさいに、あることが追加されてい
てな。司が私を認識している限り、私は司がど
ういう状態なのかわかるようになったというわ
けだ」
この説明を聞いて、わかったのは四人だけだった。
とりあえず、なぜ司がギリシャに行ったのか考えたが、結局わからなかった。
とりあえず、もう夜も遅かったので8人は寝ることにした。
当然、龍と皇気はお泊まりである。
つづく
今回の解説。
司にとりついた神器の進化したところ。
まず、人型になれるというところ。
次に、今回作中に出てきた、司が神器を認識している限り、神器は司の状態を認識できるということ。
次になぜこのような進化を遂げたかということ。
司の体は満足に魔力を扱えない状態なので、神器をいちいち呼ぶときに体に負荷がかかる。
なので人型になることによって、司に付き添うことができ、呼ぶ必要が無くなったということだ。
二つ目の進化は、一つ目の進化の過程で付いてきたと思われる。
今回は以上です。




