表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/127

39話 ギリシャ滞在決定

ギリシャに行きたいですね。

大会が終わり司はすぐに日本に帰ろうとしたが、ゴーラが日本に帰してくれなかった。

結局ギリシャに少し長めに滞在してしまうことになった司だった。


「すいません・・・俺は早く帰りたいんですけ

ど・・・」


「まぁ、そんな事を言うな司君。せっかく優勝し

たんだから、ギリシャを堪能していってくれ」


ゴーラがとてつもなく嬉しそうにそう言っていたいたので、司には断ることができなかった。

渋々諦めると、エリナがやって来てゴーラの事を止めてくれた。


「お父様、司が困っています」


だが、今回はエリナの言葉といえども止まらなかった。


「そんな事を言うなエリナ。おまえだって司にも

う少しいてほしいだろ?」


何かを見透かしたかのようにゴーラはそう言った。

エリナの方は少し顔を赤く染めながら戸惑っていた。


「そ、そんなことはありません。べ、別に司が嫌

いというわけではありませんよ」


そんな様子を見ていたゴーラは、茶化すようにこう言った。


「まぁ、バトルロワイヤルで司君が優勝したか

ら、エリナの婿は司君で決まりかな?」


これを聞いて司は思った、確かにそうだと。

結局バトルロワイヤルで優勝したのは司なので、エリナの婿は司ということになる。


「いや、別に僕はいいですよ」


このなにげのない一言は、聞いていたエリナの心に不安を招いた。

それを見かねたゴーラが、理由を聞いてみた。


「どうしてかね?」


「理由は簡単ですよ。俺はエリナ王女様には自分

の好きな人と結婚して、幸せになってほしいか

らだ。こんな大会できめることじゃないさ」


司がエリナの幸せを願っていたことを聞いて、エリナはまた顔を赤らめていた。


「君って自然の女たらしだったんだね・・・」


ゴーラは司がエリナの気持ちに気づかずにそんな事を自然に言っていたので、すごいと思う半分呆れていた。


「今回はその意見に同意しましょう」


流石のアテナも今回ばかりは、同意するしかなかった。


「というか話が脱線してませんか?」


アテナのこのツッコミは、ごもっともな意見だった。


「おっと、そうでありましたな。では、司君は結

局滞在してくれるのかな?」


ゴーラは何故かにやけた表情で司にそう言っていた。

その顔を見た司は思った、顔面に一発入れたいと。

だが、その気持ちを抑え普通に答えた。


「エリナ王女様の命令となれば話は別ですけど、

ゴーラさんの頼みは聞く気にはなりません」


相変わらずの返答内容だった。


「ん?エリナの頼みなら聞くというわけだね?」


「まぁ、そうなりますね」


そしてゴーラはエリナの方をちらっと見た後にこう言った。


「ならば、エリナに命令してもらおうかな」


またもやにやけた表情でそんな事を言っていた。


「マジですか?まぁ、エリナ王女様の命令なら何

でも聞きますけどね」


司はキメ顔でエリナの方に向かって言っていたが、ただのドMだとアテナはそれを見て思っていた。


「なら、司・・・もう少しギリシャに居てくれま

せんか・・・?」


「はいっ!!」


おそるおそるエリナは頼んでいたが、司の反応を見てまた明るくなった。


「そうですか、ありがとうございます司」


「いやー、君って分かりやすいね」


「流石司ですね・・・」


ある人には喜ばれ、ある人には笑われ、ある人にはドン引きされた司だった。


「よし、ではまたもてなしをしよう!!さぁ、

皆。司君とアテナ様を再びもてなせぇ!!」


こうして、アスカレート家のもてなしフルコースが始まった。

料理に始まり、謎のコーラス隊の披露、使用人の女性によるダンスパーティーなど、色んな方法で二人をもてなしてくれた。

当然司の目が釘付けになったのはダンスパーティーである。


「いやー、中々の出し物だな」


「そうですね。さっきのダンスパーティーの時の

司の顔も面白かったですよ」


アテナもこんなことを言ってはいるが、案外楽しんでいる様子ではあった。

だが、次の出し物で司の人生は終わった。


「続いての出し物は、エリナ王女様のコスプレで

ーす!!」


これを聞いた司は高速で反応した。


「な、な、な、なんだと!!」


コスプレという一言で、司の興奮レベルはMAXになった。


「お父様が頼んだからこんな格好しているけ

ど・・・恥ずかしいわ・・・」


恥ずかしながらも、ステージの上に立つエリナ。


「なるほど・・・ゴーラさんの趣味か。今回ばか

りは感謝感激だな」


感心しつつも目は本気な司。

そしてこの後、メイド服やらナース服などの服を来たエリナが舞台に現れるたびに、司はテンションが上がり、アテナは殺気が高まっていった。

テンションMAXの司は、アテナの殺気に気づけなかったので、終わった瞬間視界が真っ黒になった。


「ここは・・・どこだ?」


司は客間のベッドの上で目を覚ました。


「なんかこんなことが前にもなかったか?」


「きっと気のせいですよ」


アテナは近くの椅子に座って休んでいた。


「全く・・・司は相変わらずの変態ですね、自重

できないんですか?」


アテナはあきれた様子で聞いてきた。


「まぁ、気にするな。これだけは無理だ」


「はぁ、貴方は本当にブレませんね」


再びアテナはあきれ果てた。

もはや、尊敬してしまうほどの謎の信念の強さだったからだ。


「一応お前には感謝しているから、努力はしてみ

るよ」


いきなりの感謝発言に、アテナも思わず照れてしまった。


「一応努力はしてくださいね」


アテナは満面の笑みでそう言った。

この後ももてなしが続いたが、司はなぜだかそのことを話したがらないらしい。


つづく。






今回の解説。


前回に放った詠唱魔術について。


アークティアボルト


この詠唱魔術の特徴は、お互いに回避不可能の雷撃を受けるということ。

自分もダメージを受けるので、これを使いこなすには修行が必要。

詠唱文は多少は変えてはいいが、変えすぎると自爆してしまう。

この詠唱魔術を使える魔術師は世の中にそんなにはいない。

威力は絶大だが、手加減ができればとてつもないほど威力を抑えることも可能なめずらしく加減のきく詠唱魔術。

とりあえず地面があれば放つことができるので、発動条件は比較的楽。

詠唱魔術は難しくなるほど、発動条件が楽だったりする。

ただし無差別攻撃なので、チーム連携にはあまり使わない。


今回は以上です。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ