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38話 王家の依頼(後編)

司が悪役にしか見えん。

今回のバトルロワイヤルに使われる会場は、ギリシャ最大であり、アスカレート家自慢のコロシアムで行われていた。

このコロシアムでは一年に一回、守護神アテナを祭る大会があり、アテナ祭という。

アテナ祭は昔から代々行われており、今ではギリシャ中の有名な行事である。


ーーーーーーーーーーーーー


早速バトルロワイヤルが開始した訳だが始まった瞬間、もうすでに何人かの参加者がKOされていた。


「何だ!?何が起こったんだ!?」


参加者の中でも一版の人には、何が起こったのかわからなかった。


「あの大剣使いの奴がやったんだ!!」


参加者の中にも中々の使い手は多く、司がしたことを理解しているようだった。


「うーん。あまり飛ばせなかったな・・・」


司がバスターソードを背中にしまいながらそう言っていた。

今回の司の装備は、背中にバスターソードを背負い、左腰には魔銃、右腰にはナイフを三本装備し、左手には本命のアイギスの盾を装備していた。


「あいつ・・・装備がガチだぞ・・・」


その装備を見ていた参加者達は、一目で司がかなりの使い手だと判断した。


「そして何よりあの盾だ・・・あんな盾は見たこ

とがないぞ・・・」


彼らも幾多の戦いを乗り越えてきたようで、すぐに神器を警戒してきた。


「今回がデビュー戦って訳だ・・・よろしく頼む

よ・・・」


司にとってもアイギスの盾を使うのは初めてだったので、使い方はよくわかっていない様子ではあった。


「お前は危険すぎる・・・だから早速リタイアし

てもらおう!!」


この一連の流れを見ていた参加者が、司を潰そうと一斉に攻めてきた。


「そういうわけにはいかないぜ!!」


すべての攻撃を盾と剣で防ぎ、回りに集まった参加者達を風圧で弾き飛ばした。


「な、なに!?」


「馬鹿な!?」


圧倒的な力の前に参加者達は驚きの連続だった。

だが、一番驚いていたのは司自身だった。


「なるほど・・・この盾には魔力が貯まってい

て、自由に引き出せるって事だな」


司は一人で勝手に納得していたが、回りから見たら何を言っているのかわからなかった。


「とりあえず・・・次、行くぞ!!」


今度は司の方から攻めていくことにした。

一人ずつ確実に峰打ちで倒していった。


「この剣だと峰打ちは大変だな」


司はバスターソードでの峰打ちは大変なので、バスターソードはしまっておくことにした。


「おい、奴があの大剣をしまったぞ。今がチャン

スだ!!」


司は一段落つきたかったが、そんなことはさせてはくれなかった。


「少しは休ませてくれよ・・・おらぁ!!」


司は腰のナイフを取りだし、相手の首筋に向かって振り下ろした。

それを五人ほど繰り返した後に、司は顔を決めてこう言った。


「安心しろ・・・峰打ちだ・・・」


司はどや顔を決めていたが、回りから見たら目の前で一瞬で五人やられたので恐ろしい光景だった。

こうして司が無双をしている間にも、他の場所で戦いは繰り広げられており、参加者の数はもう半分もいなかった。


「さてと・・・そろそろやるか・・・」


司は何を考えたのか、体に魔力を貯め始めた。

司にはもう手を出してくる参加者はいなかったので、楽に魔力を貯めることができた。


「そろそろ行かせてもらおうか」


司は床に手を置き、詠唱を始めた。


「我がこの一撃は雷神の如く鳴り響き轟く。

この雷はすべての敵を打ち砕き、破滅させる。

そして我がこの肉体も共に打ち砕かれ破滅す

るだろう。無慈悲にも、互いに逃げることはで

きず、防ぐぐこともできない。ならば耐えきる

しかないだろう。では、発動しよう。アーク

ティアボルト!!」


地面より雷の柱が参加者全員の下より出現し、参加者全員を飲み込んだ。

当然司の足元からも雷の柱が出現し、司を飲み込んだ。

だが、司はほとんど無傷だった。


「ふぅー。詠唱魔術の手加減は疲れるぜ・・・」


凄まじい一撃だったので、観客から歓声が上がった。

今回のバトルロワイヤルでは、人を殺すことは反則なので当然手加減をしていた。

だが、手加減していてもほとんどの参加者は気絶していた。

しかし、一人だけ立っているものがいた。


「やっぱり一人ぐらいはいるよな、強いやつが

さ」


その男も、司と同じく無傷であった。


「詠唱魔術を手加減するなんてすごいね」


「そりゃあ、どうも」


その男は鎧で身を包み、右手に剣を左手には盾を持っていた。


「僕はギリシャの高貴なる貴族の一人。名はセル

ジュという」


「はいはい。さっさと決着をつけようぜ」


司はとりあえず疲れたので、もう終わりにしたいと思っていた。


「先ほどの攻撃には驚いたが、一騎討ちでは話は

違うぞ。その大剣を存分に振るいたまえ」


そして、今回のバトルロワイヤルの決戦が始まった。


「はぁー。お前、お坊っちゃまだろ」


「なんだと!?僕を愚弄する気か!?」


「お前が耐えれたのは、鎧のおかげだよ。その鎧

が頑丈だったから、耐えれたのさ」


司から見ても素晴らしい鎧だった。


「いや、違うね。これは僕の実力だ」


司はあきれ果てていた。

この男は自分の実力を過信しすぎているからだ。

という事で司は実力をわからせてあげることにした。


「じゃあハンデとして、俺は素手でいいよ」


「な、なんだと!?まぁいい。その減らず口をだ

まらせてやる!!」


セルジュは勝ちを確信していた。

剣に素手で勝てるわけがないと思っていたからだ。

だが、違った。

一瞬にして司はセルジュの腹に一撃を加えていた。


「ごはっ!!」


そして、魔力を放つ。


「ライトニングブレイク!!」


雷を纏った拳がセルジュにクリーンヒットした。


「ある女性が言っていたよ。真の戦士は素手で相

手を倒すってな」


その台詞と共に決着がついた。

観客達は一瞬の出来事だったので、少しの間フリーズしていたが、また再び歓声が上がった。


「そこまで!!今回のバトルロワイヤルの優勝者

は立花 司とする!!」


これで、ギリシャの出来事と王家の依頼は終わった。


つづく。




今回の解説


アイギスの盾について。


アイギスの盾の能力は、魔力蓄積である。

アイギスの盾には魔力が常に貯まっており、使い手が自由に引き出すことができる。

その魔力量は無限と言っても過言ではない。

なぜ、魔力が貯まっているかというと、アイギスの盾にはゴルゴーンという怪物の首が埋められたと言われている。

つまり、ゴルゴーンの魔力を使い放題というわけだ。

ほかにも能力があるが、それはまたの機会に紹介します。



今回は以上です。


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