27話 一日復帰 後編
三日更新になります。すいません。
そのぶん長くするようにがんばります。
「それじゃあ、ミッションスタート!!」
「「「了解!!」」」
龍の掛け声と共にミッションがスタートした。
各々が、目標値点を目指して動き出だす。
司と新人三人は会議室に向かうべく、廊下を走っていた。
「おまえら、俺の側をはなれるなよ」
「「「了解」」」
司の最後の確認に三人は返事をしっかりと返す。
「それと、誰か索敵できるやつはいるか?」
この司の質問に答えたのは、真司だった。
「そ、それなら・・・ぼ、僕の魔力属性は地なの
で、コンクリートでできているビルなら索敵で
きると思います」
「なら、お願いできるか?」
「りょ、了解」
真司は床に手をあてて、魔力を腕に集中した。
基本魔術の一つ、魔質索敵を真司は発動した。
「どうだ、わかったか?」
「は、はい。詳しくはよくわかりませんが、この
先の角を曲がった先に複数の敵がいます」
「了解。それだけわかれば充分だ」
司は真司の報告を受けると、左腰のホルスターから拳銃を取り出した。
「そんなもの役に立つんですか?今時拳銃を使う
やつなんて居ませんよ」
司の拳銃を見て、俊介が質問をした。
「これでも役に立つ時は役に立つさ」
「だといいんですけどね・・・」
「じゃあ、お前らはここにいろ」
「一人で大丈夫なんですか!?」
「まぁ、見とけって」
そう言って司は曲がり角を曲がった。
曲がった瞬間に、およそ20人ぐらいはいそうな敵とコンタクトした。
「さて、久しぶりに仕事開始といこうか」
司はそう呟いた途端、拳銃を発砲し、敵の頭を撃ち抜いた。
「は、早い!!」
あまりの早さに新人三人は驚愕していた。
しかし、その間にも司の引き金を引く手は止まらない。
「これで、半分ぐらい減っただろ」
敵を半分ぐらい減らしたところで、敵はようやく魔力障壁を張った。
「少し驚いたが、拳銃ごときでは魔力障壁は破れ
ない」
敵は魔力障壁を張って、余裕を取り戻していた。
「確かに普通の弾なら魔力障壁は破れない。
普通の弾ならな・・・」
けれども、司は拳銃を撃つのをやめない。
「な、なぜだ!!」
だが、弾は魔力障壁を貫通し、再び敵の頭を撃ち抜いた。
「おっと、弾切れか・・・」
あと数人というところで、弾が無くなってしなった。
「爪が甘かったな!!」
敵はその隙を突こうとしてくる。
「ま、まずいんじゃない!?」
「ちっ、言わんこっちゃない!!」
「ど、どうするんですか!?」
三人は慌てて司の援護に入ろうとした。
だがその時、拳銃から魔力が放出された。
「じ、実弾銃じゃないのかよ!!」
「あいにくこの銃は、とある博士のお手製でね。
実弾も魔力弾もでるってわけよ」
そして、残りの敵は魔力弾で一掃された。
それを見ていた三人は、ただ再び驚愕するしかなかった。
「こ、これが・・・司さんの実力・・・」
「あ、圧倒的すぎます・・・」
「すっごーい強いです!!」
「さてと・・・次に行くぞ」
「「「了解!!」」」
更に四人は先に進む、他の部隊が派手にやっているせいか、あまり敵はいなかった。
「俊介右の敵を、桜は左、真司は防御壁を頼
む!!」
「「「了解!!」」」
司の指示を受けながら新人三人は戦闘をしていた。
「ふぅー。片付いたな」
そうこうしている間に、会議室についた。
ちょうどその時、他の部隊二つから連絡があった。
「こちら第三部隊。どうした?」
「こちら第一部隊。コンピュータルームの制圧が
完了した。安心しろ、セキュリティーは解除済
みだ」
「こちら第二部隊。金庫室を同じく制圧した。
犯罪の証拠がたくさんあるっすよ」
どうやら二つの部隊は共に目標値点を制圧完了したようだった。
「了解。こちら第三部隊。これより、会議室に突
入する」
「了解。検討を祈る」
「了解。気を付けてくださいっす」
「ああ。まかせておけ」
ここで、司は通信を切った。
「三人共。これから会議室に突入するが、多分奴
等は待ち伏せをしているだろう。中には優秀な
魔術師もいると思う」
「じゃあどうするんですか?」
「俊介は端の敵を頼む。桜は俺の援護を。俊介は
二人の守りを任せる」
「つ、司さんはどうするんですか?」
「俺は一気に突っ込んで来るから。俺のことはと
りあえず気にするな」
「あなたがそう言うなら気にしませんよ」
「司さんに任せます!!」
ここまでの戦闘で少しは司のことがわかったのか、新人三人は司の作戦に文句一つ言わなかった。
「じゃあ、行くぞ。突入開始!!」
扉を勢いよく開けると、魔力波と魔力弾が複数飛んできた。
だが、司に当たることはなく敵の複数はもうすでに、ダウンしていた。
端の敵は言われた通り、きっちりと俊介が手を打っていた。
開始数秒で、敵は全て沈黙していた。
「こちら第三部隊。会議室の制圧を確認」
「了解。ご苦労様」
「いや、誰かすでに逃亡したようだ」
「そうか、どこに逃げたかわかるか?」
「奴は相当手慣れらしいな。痕跡が一つもない」
「なるほど・・・一番の実力者ってことか」
「まぁいいや。報告はこれで終了する」
「了解。下で合流な」
こうして、司の報告は終わった。
「司さん。どうやら僕は貴方を見くびっていたみ
たいだ。ここまで、人は見かけによらないとい
う言葉を痛感したのは初めてですよ」
皮肉が少し混じっていたが、俊介は俊介で司の実力を認めたようだった。
「司さんはとっても強かったです。私も頑張りま
すね!!」
桜は元気いっぱいに張り切っていた。
「ぼ、僕も司さんみたいに強くなれるように努力
します」
おどおどしていたが、真司も今回で自信をつけたようだった。
「じゃあ、下に行くか」
「「「了解!!」」」
この後下で合流な合流し、打ち上げにみんなでいくことになったが、それはまた別の話で。
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一方その頃、ある路地裏では。
「こちらナンバー5、無事にデータはてにいれま
した」
「潜入ご苦労だったな。早く戻ってこい」
「了解」
「二年前の悪魔が復活する日は近い」
つづく。
今回の解説。
魔質索敵について。
魔質索敵は基本魔術の一つで、自分の魔力属性と同じ成分でできていたり、その魔力属性が通る物に触れている生物を関知する魔術。
例えば、水なら水面に触れている生物。
火なら、有機物に触れている生物。
雷なら、電気を通す物に触れている生物。
風なら、空気に触れている生物。
地なら、土やコンクリートなどの物質に触れている生物。
ただし、全身を魔力でおおえば、索敵を交わすことができるため万能ではない。
今回は以上です。




