26話 一日復帰 前編
前回のあらすじ(笑)
司は姐さんにより、ウィザード特殊部隊に一日復帰することになってしまった。
今、司はミッションに向かう。
ウィザードにも色々なタイプがいる。
宝具や神器以外にも武器を使うもの。
中でも異色なのが、拳銃を使うものだった。
拳銃を使うものは本当に少なく、持っていても役に立たないことが多かった。
だが拳銃にも二種類ある。
普通の実弾の拳銃と魔力を弾にする拳銃だ。
魔力を弾にする拳銃を人は、魔銃と呼んだ。
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「この格好も久し振りだな」
今の司の格好は、ウィザードの戦闘服だった。
今日は、ウィザードに一日だけ復帰する日だった。
家を出ようとすると、早朝なのに由井がいた。
「お、随分と早起きだな」
「え、いつもこのくらいに起きてますよ」
「おい、まだ5時だぞ」
司は由井の真面目さに呆れていた。
「ところで先輩。その服格好いいですね」
「そうか?俺はあんまり好きじゃないけどな」
「ところで先輩、その銃は?」
「これ?これは俺の秘密兵器さ」
「ふーん。そうなんですか」
「じゃあ、行ってくるわ。家のことは頼んだぞ由
井」
「はい。任せてください」
由井はそう言って、司の背中が見えなくなるまで見送っていた。
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司が向かったのは東京の渋谷だった。
司がいく頃には、ウィザードの特殊部隊の隊員がそろっていた。
中には司の顔見知りもいたし、新人の隊員もいた。
「遅かったな」
その声の方を向いてみれば、一番見知った顔が二つあった。
「なんだ、渡辺と篠原か」
「なんだとはなんだ」
いつも通りに司は二人を適当にあしらった。
そしたら、皇気が指を指したのでその方向に振り向くと、外国人が二人いた。
「おまえは・・・マイケルとジョニー!!」
「久しぶりっすね司さん」
このチャラいしゃべり方がジョニー。
「お久しぶりですね司さん」
この堅苦しいしゃべり方がマイケル。
「久し振りの再開に喜ぶ気持ちはわかるが、作戦
を説明するぞ」
「「「はい!!」」」
この龍の一言で新人と思われる隊員が元気よく返事をした。
「へいへい」
司はいつも通りに軽く返事をすると、新人の一人から質問が出てきた。
「渡辺隊長。このチャラチャラした男の人は誰で
すか?」
「こいつ?こいつは立花 司。今は訳あって任務
に参加はしていないけどな」
「じゃあ、何でここにいるんですか?」
「それは、一日だけ復帰してもらったからだ」
「そうなんですか・・・」
「まぁ、どういう奴かは一緒にミッションをし
て、判断するといい」
「了解しました」
「じゃあ作戦を気を取り戻して、作戦を説明す
る。まず第一部隊として、俺と篠原がペアを組
んで、を制圧しに行く。次に第二部隊として、
ジョニーとマイケルがペアを組んで金庫室に向
かってくれ」
「「了解!!」」
「最後に第三部隊として新人三人と司がペアを組
んで、今夜、敵のトップ達が集結している会議
室を制圧してくれ」
「えええぇぇぇーーーー!?」
龍の無茶な作戦に、新人三人は驚きのあまり叫んでしまった。
「どうした?うるさいぞ」
そんなことも知らずに龍は軽く返した。
「渡辺隊長!!僕たちにこんなよく分からない人
と組んで、敵のトップを倒せと言ってるんです
か!?」
「おお。よく話のわかってる奴だな」
「そんな馬鹿な!!」
「私達、今日が初めてのミッションですよ!?」
「安心しろ、こいつが居れば大丈夫だ」
そう言って龍が指差したのは、司だった。
「本当に大丈夫なんですよね・・・」
「ああ。俺が保証しよう」
龍の自信満々な態度に、新人三人は渋々了承した。
「おい。待て」
すると、突然司が喋りだした。
「な、何ですか・・・」
あまりにも真剣な表情なので、新人三人はビビってしまった。
「お前らの名前は?」
「「「は?」」」
以外な台詞に、新人三人は拍子抜けしてしまった。
「いやだって名前がわからないと、お前らの事な
んて呼んでいいかわからないじゃんか」
「そ、それは一理ありますね・・・」
「じゃあ教えてくれ」
司の頼みに嫌々最初に答えたのは、メガネをかけたいかにもひねくれていそうな青年だった。
「わかりましたよ。僕の名前は岡崎 俊介」
次に答えたのは、元気がありそうな女の子だった。
「私の名前は斎藤 桜です」
最後に答えたのは暗そうな青年だった。
「ぼ、僕の名前は山本 真司です」
「よし、俊介に桜に真司だな」
「「「はい!!」」」
「よし。じゃあ行こうか」
「「「え!?」」」
いきなりの司の台詞に、また三人はキョトンとしてしまった。
「どうした?」
「い、いや。この作戦に文句はないのかなと」
「いや、別に普通だろ?」
「いやいやいや。どこがですか!?」
「安心しろ。命に変えても、お前たちは俺が守っ
てやるよ」
「本当ですか?」
「ああ。まかせとけ」
こうして新人三人は、初ミッションで不安いっぱいの気持ちで望むことになった。
今回の解説。
この世界の銃について。
この作品に登場する銃の多くは二種類。
現実にあるような普通の銃と、魔力を弾とする銃の二種類だ。
実弾の銃は現実と変わらないが、特殊な弾を使わない限り、魔術師には効かない。
魔力を弾にする銃は、銃に魔力を込めてそれを高速で発射するだけの銃。例えを出すなら水鉄砲の中に、水の代わりに魔力が入っているイメージ。
呼び方は魔銃。
他にも、宝具などで銃が出てくるが、特殊能力がついただけで、魔銃とあまり変わらない。
今回は以上です。




