25話 司の姐さん達
ちょっと短めですいません
墓地での戦闘も終わり、龍に電話で報告したあと、涼と京子は司の家に泊まることになった。
そして、朝。涼が起きる頃には、他にみんなはすでに起きていた。・・・京子以外。
「おはよう」
「「「おはようございます」」」
涼は起きるなり回りを見渡して言った。
「あれ、そういえばあの二人は居ないのか?」
この涼の何気ない台詞に一番反応したのは司だった。
「あれ、どうしたんですか?師匠」
「いや、なんでもない・・・」
「そういえば・・・二人って誰のことですか?」
「あれ、知らなかった?こいつには三人の姐さ
んがいるって」
「三人・・・?」
「沙夜さんのことは聞いたことがありますが」
「他の二人は誰ですか?」
「なんだよ司。教えてなかったのかよ」
「あ、ああ。ま、まぁな」
「なら、俺が教えてやるよ」
「本当ですか?」
そんな会話をしていると司は部屋の外に出ていった。
「あいつ・・・なるほどね。連絡を忘れてたか」
「連絡って?」
「いや、その二人の姐さんが司と約束してんの
よ。一週間に一回連絡をしろって」
「な、なるほど・・・」
「で、話を戻そう」
「「「は、はい」」」
「その二人の姐さんの名前は、板倉 汐里と小山
千尋っていうんだ」
「汐里さんと千尋さん?」
「元々はここに、沙夜さんと千尋さんと汐里さん
とで、住んでいたらしい」
「らしい?」
「ああ。実はこの話は、龍と皇気に聞いたんだ。
それに、汐里さんと千尋さんとは会ったことが
あるけど、沙夜さんには会ったことがない」
「そうなんですか・・・」
そんな事を言っていると、外から司の謝る声が聞こえた。
「あいつ、怒られてんのか」
「あの司さんが・・・一生懸命謝ってい
る・・・」
「ありえない・・・」
「俺も初めて見たときは驚いたよ。あいつは姐さ
ん達に頭が上がらないんだ」
「そうなんですか!?」
「ああ。昔あいつが怒られているところを見たこ
とがある。あいつの姐さん達はとても恐かっ
た」
「そ、そんなにですか?」
「本当に、あいつの姐さん達はやばい」
「会ってみたいような・・・会いたくないよう
な・・・」
すると、司が血相を変えて戻ってきた。
「どうだった?」
「明日一日だけ、ウィザードに戻ることになっ
た」
「まじで!?」
「ああ。姐さん達、まじ鬼畜」
「それは同情するよ」
「ど、どういうことですか!?」
「こいつの姐さん達は、ウィザードのエリートな
のよ」
「沙夜さん以外の人もエリートだったなんて」
「先輩の強さの秘密がわかった気がします」
「とりあえず、明日の準備してくるわ」
司はトボトボと自分の部屋に戻っていった。
それを見た三人が、
「もっと、三人について教えて下さい」
「「「お願いします!!」」」
「しかたがないな・・・俺の知ってる範囲なら良
いぜ」
「「「はい!!」」」
「あいつの姐さん達は、それぞれ得意分野があっ
てな。沙夜さんが武術、汐里さんが武器の扱い
方法、千尋さんが魔術だっかな」
「それを全て受け継いだのが、司さんという訳で
すね!!」
「ああ。だから奴は、武器の扱いも武術も魔術も
すごいってわけだ」
「よし、ここまでにしておきましょう」
「なんでだ?」
「これ以上話すと、師匠が怒るからですよ」
「あー、なるほど。一理あるな」
「それもそうですね」
「ここまでですね」
ちょうど話を終えた途端、司が部屋から出てきた。
「よし、準備終わったぞ」
「以外と速いですね・・・」
「だいたいの荷物は、あっちにあるからな」
「あっちって?」
「ウィザードの本部だよ」
「な、なるほど」
「そういえば京子さんは?」
「あの人ならそろそろ起きてくると思うよ」
噂をすれば、京子が起きてきた。
「おはよー」
「相変わらす朝から元気ですね」
「まぁねー」
時間はそろそろ七時になろうとしていた。
「とりあえず、朝飯の前に朝練と行こうか!!」
「「「はい!!」」」
「じゃ、行ってくるわ」
「いってらしゃーい」
「気を付けてな」
今日は、送ってくれる人が二人ほどいるが、いつもとなんも変わらない朝だった。
そう思う三人だった。
この後朝食を食べ、涼は帰り、京子がいろいろと面倒を起こすのだが、それはまた別の話。
つづく。
今回の解説。
新登場の二人について。
まず、板倉 汐里 (いたくら しおり)について
あらゆる武器の扱いに長けており、その教えがあって、司はほとんどの武器は使いこなすことができる。
性格はやんちゃっぽい。
司と同じくらい大雑把らしい。
続いて、小山 千尋 (こやま ちひろ)について。
魔力量、魔術の知識において、エリート。
司は魔力操作が苦手だが、そこそこ魔術が使えるのは、千尋のおかげである。
性格はとてもおだやか。
だが、怒らせると恐い
司と同じぐらい適当な所もあるらしい。
この二人は今後出てくるかもしれませんね。
今回は以上です。




