20話 戦闘訓練
今回、なんか短くてすいません!!
今月で早くも7月になった。
そして今、由井、香菜美、ステラ、司、スカアハの五人は、最近魔獣が出ると噂の山に来ていた。
「よし、お前らも最近は基礎能力が固まってきた
から、実戦をおこなってみようと思う」
「師匠。ここは最近魔獣が出ると噂の山ですよ
ね?」
「そうだけど?」
司はすっとぼけたような返事をした。
「先輩。いきなり魔獣と戦って、大丈夫なんです
か?」
「大丈夫。困ったらステラになんとかさてもらえ」
司はどや顔でステラを見て言って。
「司さん。ところでどんな魔獣なんですか?」
「ワイバーンだけど?」
「「「ワ、ワイバーン!?」」」
ワイバーンという単語を聞いて、三人は驚いた。
「ワ、ワイバーンって、たしか竜種ですよね?」
「や、やばいんじゃないですか?」
「私達に勝てるんでしょうか?」
三人はそれぞれの不安を口に出していた。
が、司はそんなことを気にしていなかった。
「勝てるって。まぁ、頑張れ。」
「もし、ワイバーンに勝つことができれば、
かなりの戦力になるだろう。なぁ、司よ」
「そうだな。勝てれば下手すると学校一の実力だ
な」
「司さん。今回のワイバーンは、どのくらいの大
きさなんですか?」
「4m位だな」
ステラは考えていたが、他の二人には大きさを聞いた意味が、良くわかっていなかった
「ステラさん。大きさが何か関係あるんです
か?」
「はい。大きさが4mとなると、まだ子供なの
で、私達でも何とか倒せるかと・・・」
「なるほど・・・」
「おっと、噂をすればなんとやらだな」
「「「へ?」」」
こんな会話をしていると、空からワイバーンがやってきた。
「じゃあ、俺とスカアハは遠くから見てるから」
「がんばるんだぞ」
そう言って二人は山の森の中に消えていった。
「じゃあ、行きましょう!!」
「「はい!!」」
「ステラさんは宝具で攻撃のチャンスを狙っ
てください」
「了解しました」
「由井は、全員のサポートに回ってください」
「了解」
「私は、ワイバーンを牽制しつつ、ダメージを与
えます」
香菜美が指示をだすと、いつもの訓練の用に三人は動き始めてきた。
司の訓練メニューは、三人の連携の練習もあるので、三人は連携には馴れているほうだった。
だが、子供でもワイバーン。
訓練の用にはうまく行くわけがない。
「か、香菜美さん!!ワイバーンの動きが速すぎ
ます!!」
「由井!!祝福が終わったら、ワイバーンの足止
めに協力して!!」
「わ、わかりました!!」
由井は魔力属性が祝福なので、基本魔術すら使うことがてきない。
なので、司が色んな道具の作使い方を教えたので、由井は色んな道具を常に持っていた。
「これはどうですか!!」
由井が出したのは弓。
だか、工夫を加えてあるのは矢の方だった。
「先輩のお手製の矢です!!」
司が魔力を込めた矢は、雷撃のごとくワイバーンに向かっていった。
だが、ワイバーンはぎりぎりその矢をよけた。
「隙がでかいですよ!!」
その隙をステラは見逃さない。
ステラの宝具は一撃が凄まじいが、振りがそこまで速くないため、速い物には当たらなかった。
だが、隙が出来れば話は別だ。
「はぁぁぁぁーー!!」
渾身の一撃がワイバーンを襲う。
だが、ワイバーンを倒しきることはできなかった。
「ダメージはもう十分です!!」
最後は新宿で見せた香菜美の得意魔術。
「ウィンドプリズン!!」
突風の壁でワイバーンを閉じ込める。
「もらいました!!」
ステラがすかさず宝具で斬激を放つ。
「チャンスですね」
由井も矢を放って攻撃する。
「どうだ!!」
香菜美が勝ち気な声で、叫んでいた。
香菜美の魔術が解け、ワイバーンの姿が出て来た。
ワイバーンは沈黙していた。
「や、やりました!!」
「私達だけでワイバーンを倒したんですね!!」
「二人共、お疲れ様です!!」
三人は喜びを分かち合っていた。
そこに、司とスカアハが出て来た。
「よくやったぞ、三人共。そして、後は俺達の仕
事だな」
「久しぶりにこの体で戦うな」
まるで、勝負はここからみたいな感じで話している、スカアハと司。
「何かあるんですか?」
「よく考えてもみろ、子供が居るんだから当然親
も居るだろ」
「「「え!?」」」
三人が驚愕した瞬間、10m位のワイバーンが姿を表した。
「おお、これは逆鱗にふれてるぞ司」
「そりゃそうだろ」
すごい余裕ぶりで話をしている二人に対して、三人はワイバーンに
「だ、大丈夫なんですかーー!!」
「身の危険を感じます!!」
「勝てる気がしません!!」
そんなこともお構いなしに二人は戦闘体制をとる。
「まぁ、見とけって」
本当の戦闘が始まった。
ワイバーンはいきなり高熱線を吐いてきた。
二人はそれを軽々と避けるが、高熱線が当たった場所は跡形も無く消えていた。
「い、一発でも食らったらおしまいですよ!!」
だが、それもお構い無しだった。
「スカアハ、行くぞ」
「了解した」
ワイバーンは高熱線を吐いたため、大きな隙ができていた。
この二人が、そんな隙を見逃すはずがない。
司は腕に魔力を溜めて放った。
「サンダーブラスト!!」
ワイバーンはそこまでダメージを受けなかったが、体が痺れていた。
そして、スカアハがゲイボルグを出し、魔力を溜めて放った。
「デッドストライク!!」
その一撃は、ワイバーンの腹部を貫き、ワイバーンの後ろの森を消し去った。
「「「・・・・・」」」
その威力を目の前に、三人は固まっていた。
「呆気なかったな」
「当然だろう。私と司に敵うワイバーンはおるま
い」
スカアハはワイバーンを一撃で倒してしまった。
「お、恐るべき神器・・・」
「こ、今度からはスカアハさんを怒らせないよう
にしましょう・・・」
「さ、賛成です・・・」
三人はスカアハの恐ろしさを知った気がした。
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「ところで、何でワイバーン狩りをしたんです
か?」
「渡辺に情報料だと言われてな」
そう、これは龍の依頼だったのだ。
「渡辺さんですか・・・」
「あの人なら言いそうですね・・・」
「まぁ、賞金は俺の物だし」
「「「は!?」」」
三人がその言葉を聞いてかたまる。
なぜなら、そんな事は聞かされてなかったからだ。
「お前達は知らなかったなだろうが、司は元から賞
金めあてだぞ」
どうやらスカアハは知っていた様子だった。
「わ、私達の分は!?」
「ない」
即答だった。
「一応ワイバーンを倒したんですよ!?」
「す、少し位くれてもいいじゃないですか!?」
「お前らの宿泊費だ」
「「「そ、そんなーーー」」」
何処までもゲスな司に対して、ついに三人から罵倒が出てきた。
「このケチ野郎!!」
「だから先輩はダメなんですよ!!」
「司さん!!よくないと思います!!」
司はそんな罵倒は無視してスカアハと外食に行く気満々だった、
「さてと、スカアハ。何か食べに行こうか?」
「そうだな」
「「「うぅーーー!!」」」
三人が、恨めしそうな目で司を見ている。
「はぁ。お前らも仕方がなから着いてきていい
ぞ」
流石に罪悪感が出たのか、渋々同行を許可した。
「流石師匠。太っ腹!!」
「いいんですか?な、ならお言葉に甘えて」
「楽しみです!!」
「す、凄い変わりようだな・・・」
早変わりが得意な、三人だった。
つづく。
今回の解説
魔獣の種類について。
魔獣には、大きく分けて二種類ある。
単体種と混合種である。
単体種→二体以上の魔獣が混ざっていない魔獣。
例えば、ワイバーンや魔蟹など・・・
混合種→二体以上の魔獣が混ざっている魔獣。
例えば、キマイラやケルベロスなど・・・
細かく分けると、竜種、甲殻種、野獣種、魚種などに分けられる。
ごく稀に、突然変異した魔獣が出現することがある。
町は魔よけの結界が常に張ってあるので、魔獣は近づこうとしない。
だが、山の中の村とかには結界が張ってないので、稀に魔獣が出現したりする。
今回は以上です。




