表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/127

15話 学校神器聖戦 Ⅳ

クライマックスが近い。

二年前に起きた事件の中でもそれなりに大きな事件があった。

それこそが、スニル家の滅亡。

スニル家は、ウィザード達の中でも有名な家計であった。

理由は、グングニルが代々受け継がれていたこと、魔術の才能がある人が多かったからだ。

だが、数人のウィザードに滅ぼされた。

その真相を知っているものは少ない。


ーーーーーーーーーー


「お前の神器・・・ゲイボルグとか言ったな。

だが、所詮グングニルには及ばないな」


確かにグングニルとゲイボルグでは知名度が違う。

そこから神器の力の差がわかる。


「そうだな。だが、使い手の技量は負けてない

ぜ」


だが、それは武器の性能の話であって武器の使い手の話ではない。


「なんだと?」


「パワーが負けていればテクニックで返す。

これが、魔術師の基本だぜ」


「やれるもんならやってみろ」


司とシャニーは正面から何回か打ち合うが、グングニルの魔力波によって、近づく事も容易ではなかった。


「グングニルは存在するだけで、魔力を放ち続け

る暴れ馬でね。扱うのに苦労したよ」


シャニーはグングニルの自慢と説明をし始めた。

どう聞いても司への当て付けである。


「こっちのゲイボルグにはそういう能力がなくて

扱いやすかったぜ」


司の言った通りゲイボルグはとてつもないほど扱いやすい部類の神器である。


「この時点で神器の差は圧倒的じゃないか。

どうしてまだ戦う?」


シャニーは司にまだ戦う理由を聞いたが、司はにやけながら確信を持って言った。


「お前に勝てるからだよ」


当然この一言がシャニーの逆鱗にふれた。


「なんだと・・・その減らず口を黙らせてやる」


「できるといいな」


シャニーは今までより力を解放した。

そしてまた長い打ち合いが始った。


ーーーーーーーーーーーー


「いつまで続けるつもりですか?」


「お前に攻撃が当たるまで」


龍の方は相変わらず同じ事を繰り返していた。

龍が切ろうとすればエドガーが避ける、この一連の動作しかしていなかった。


「だが、そろそろ終わりだな」


龍は先程から一度も攻撃を当てていないはずなのに、自信たっぷりにそう言った


「ほぅ、ついに頭が狂いましたか?」


その発言にエドガーはついに頭がおかしくなったと思った。


「なにいってんだ?終わるのはお前だよ」


「なに?」


龍が勝利宣言をした後、再び切りかかる。

だが、エドガーはまた回りのものと入れ替わろうとする。だが。


「お前が入れ替わるものはわかってるんだよ」


龍は後ろを振り向き、木を切ろうとした。

だが、切ったのは木ではなくエドガーだった。

切った後、龍はエドガーを切ることができた理由を説明した。


「お前の神器の能力は、視界に写る物と場所を入

れ替得ることができることが能力だろ?

ただし、その入れ換えるものが自分よりもでか

くなきゃいけない、そうだろ?」


「よ、よくわかりましたね・・・」


エドガーは龍の観察力にただ驚くばかりだった。

そして、龍にはもう一つわかっていたことがあった。


「だが、まだ他にも能力があるんだろ?」


「有りますよ・・・でも、使いません」


自ら自分の能力がまだあると言ったのに出し惜しみをするエドガーに対して、龍は理由を聞いてみることにした。


「なぜだ?」


「貴方は能力を使っていませんからね。

余裕だったのは、私ではなく貴方だったわけと

いうことでしょう?」


エドガーの方も龍が能力を使っていないことに気づいていた。


「御名答。今の状態のお前だったらもう死んでる」


「なので、今回はここまでにさせていただきま

す」


龍はエドガーが本気で魔術第一高校を破壊しに来ていないことは薄々気がついていた。


「また会うことがあると思うが、その時は手加

減しないからな」


「分かってますよ。では、これで」


エドガーはそう言うと、どこかに消えていった。

平和的に解決できたので、龍にとって最良の終わり方だった。


「さてと、こっちは終わったけど。他の二人は大

丈夫かな?特に篠原の方」


どう見ても皇気が苦手そうな敵だったので、とても不安な気持ちになっていた。


ーーーーーーーーーーーー


「オラオラ!!いつまで逃げ切られるかな!!」


「たぶんお前が止まるでだよ!!」


皇気の方は相変わらず防戦一方だった。

いや、防戦一方というより追いかけっこが続いていただけだった。


「ヒャッハァー!!逃がさねぇぜ!!」


グレントはダーインスレイヴに魔力を込めた。


「はぁ・・・やっとか・・・」


皇気は深いため息をついた。


「これで終わりだぁ!!」


グレントが魔力を込めたダーインスレイヴで切りかった。

だが、その攻撃はあと一歩のところで止まった。


「何でだ!?」


自分の攻撃が止まったのでグレントは困惑した。


「チェックメイト」


皇気がそう言った瞬間、何故かグレントが苦しみだした。


「ガハァ!!ウゥゥゥゥアアアー!!」


「これが、俺の神器、ラーの天秤の能力。

相手の魔力がこもった攻撃を無効果、吸収

し、天秤にかける。

そして俺も魔力を天秤にかけ、負けた方がダメージを食らう。

どうだ?単純だろ?」


そう説明する間にもグレントは苦しみ続けていた。


「ソウルジャッジ」


この一言でグレントは気を失った。


「見てるんだろ?キザ野郎」


「ええ、見てましたよ」


皇気はエドガーの傷を見て龍がその傷を付けたことを悟った。


「随分と痛そうな傷だな」


「グレント程ではないですよ」


エドガーの方もグレントの苦しみ方を見ていたので、グレントにどれ程のダメージが入ったのかはわかっていた


「こいつを持ち帰ってくれるか?」


「ええ。そのために来たんですから」


皇気も龍と同じ事を考えていたので皇気にとっても最良の終わり方であった。


「じゃあ、俺はこれで」


「ええ。グレントに宜しく言っておきますよ」


「それは勘弁してくれ・・・」


こうして、エドガーはグレントを連れて消えた。


「ということは、あとは司だけか・・・

一番大変そうだな・・・」


どう考えてもグングニルが今回の敵の中でも最強の神器であることは間違い無いので、司の身を案じていた。


ーーーーーーーーーー


司とシャニーの戦いの近くにいた香菜美、由井、ステラだったが、三人には戦いを見ていることしかできなかった。


「私達には、何もできないのか・・・」


「悔しいけど、そうみたいですね・・・」


「私達と戦いの次元が違います・・・」


そう言っている間にも二人は打ち合い続ける。

その衝撃が空気を通して三人にも伝わっていた。


「おら、どうした?動きが鈍ってきてるぞ」


「黙れ!!」


打ち合い続ける中、シャニーは動きが鈍くなってきていた。

やはり、戦闘経験というものが違った。


「おまえ、魔術もろくにつかえないんだろ?」


「だからどうした?」




「だから、弱い!!」


ついにシャニーが吹っ飛ばされた。


「くそ!!何故勝てない。こんな人殺しに、何故!!」


「・・・お前は多分真相を知らないんだろうな」


「真相だと?」


司はシャニーのその台詞を聞いて、確信した。

シャニーは何も知らないのだと。


「ああ、何故スニル家が滅ぼされたかだ」


「なんだと?」


司はシャニーに真相を語った。

これで信じてもらえれば戦闘が終わる可能性も存在したからだ。


「スニル家は、裏の組織と手を組んでいたんだ

よ。だから、上層部に危険分子と見なされ、

滅ぼされた」


「そ、そんなの嘘だ!!」


シャニーは必死で否定するが、これは全て真実だった。


「残念だが、本当の事だ」


「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!」


真相を聞かされ、シャニーは動揺してしまった。

だが、どう考えてもこんなことを聞かされて信じるやつはいない。

司は悟った。


「あ、まずいなこれ」


察した司は三人組の方に降りてきた。

神器使いの精神が崩れると神器が暴走する場合がある。


「神器がシャニーを飲み込んじゃうな」


「それはどう言うことですか?」


由井の質問に司は答える


「神器が心の闇に取り付いて支配してしまうこと

があるんだよ」


「じゃあ、とても危ないってことじゃないです

か!?」


司はいつもの調子で言っているが、相当不味い状況である。


「そういうことだな。しかも、グングニルだし」


そうこう言ってる間に、シャニーはグングニルに取り込まれていた。


「本当にヤバイな・・・この規模だと本気だした

ら町が吹き飛ぶぞ」


「どうするんですか、先輩?」


司にはこれを倒す手段があった。


「はぁ、あれしかないか・・・」


「あれってなんですか、司さん?」


司は遠回しに切り札のことを教えた。


「神器が人を取り込むなら、人が神器を取り込め

るってことだろ」


「「「?」」」


だが、そんな事を言ってわかる奴などいない。

三人は頭にクエスチョンマークを浮かべていた。


「つまり、俺の方から神器と一つになるってこと

だ」


「だ、大丈夫なんですか?」


そんな事を言われれば、知らない人は心配になるのは当然だ。


「ああ。何回かやったことあるから」


「やったことあるんですね・・・」


司はこれが最終決戦だと確信していた。


「さてと、最終決戦といきますか」


「オマエヲコロス!!」


もはやシャニーは人の姿をしていなかった。


「なら、俺がお前を破壊する!!」


司は破壊という単語は好きではないが、今回ばかりは使わせてもらうことにした。

司が体に魔力を貯めて言った。


「神器、覚醒!!」


最終決戦が始まる。



つづく。

今回の解説。


神器覚醒について。


神器覚醒とは、自分と神器を一体化させることによって、より神器の力を引き出すことができるようになること。

神器覚醒ができないと、作中のシャニーのように逆に取り込まれてしまう。

神器覚醒が出来るのと出来ないのでは、天と地程の差がある。

だが、神器覚醒出来るようになるには、神器に認められなければならない。


今回は以上です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ