118話 二大組織全面戦争 ⅩⅠ
土曜日に投稿できなくてすみません。
ちなみに次回で長編は最後です。
長かったでしょう?
私もそう思います。
スフィンクスを相手に汐里と千尋は圧倒していた。
スフィンクスは確かに神話の生物であるが、汐里は神器であるアルテミスの矢を使っている。
いくら神器の生物といえども手も足もでないのである。
「なんだ・・・スフィンクスといってもこの程度
なのか・・・」
「汐里が強すぎるのではないのですか?」
どんな相手をも射抜くアルテミスの矢を無限の力を持つ宝具である弓で撃っているのである。
簡単にいって最強であろう。
「ウロボロス・・・解放!!」
汐里は宝具を解放した。
これによりアルテミスの矢の力を最大限以上に引き出すことができる。
「またラブアローですか?」
「う、うるさい!!」
汐里のネーミングセンスははっきり言って最悪である。
そのネーミングセンスの悪さは司にしっかりと受け継がれている。
「可愛いげのある乙女が言えば可愛いのでしょう
・・・ですが、男勝りの汐里が言っても正直可
愛くありません」
「くっ!!事実だから何も言い返せない」
「事実ですが、そんな事より早く迎撃してくださ
い」
「・・・わかってるよ」
汐里はアルテミスの矢を構え、ウロボロスを引き絞った。
「ラブアローが駄目なら、これならどうだ!!」
汐里は更に風の魔力を込める。
「テンペストオブハント!!」
汐里は空中に向かってアルテミスの矢を放った。
矢は空中で無数に増え、スフィンクスを襲った。
そう、風の魔力を纏った矢はまるで大嵐のようにスフィンクスに降り注いだ。
「確かにラブアローより名前は増しですが・・・
いわゆる司と同じですね。何と申しましたか?
中二病・・・でしたでしょうか?」
千尋は昔に司が中二病について語っていたことを思い出していた。
その時も汐里は司と同調して話が盛り上がっていた。
「技名はともかく、威力は流石ですね」
テンペストオブハントを直撃したスフィンクスは、体中から血を流していた。
アルテミスの矢の能力は痛みを感じさせないことである。
それゆえにスフィンクスは自分の体が穴だらけになっていることに気づいてはいない。
「さてと、千尋。奴に痛みをわからせてやれ」
「わかりました。では、スフィンクスさん。少し
痛いですよ?」
千尋は宝具である杖を構えた。
「ワンダーゼロ・・・解放!!」
千尋も汐里と同じように宝具を解放した。
こうなった千尋を止められる者は、この世の中でも少ないだろう。
「足元にご注してくださいね」
千尋がそう言うと、スフィンクスの足元にルーン文字が浮かんできた。
「更にこれもです」
続いて千尋は懐から御札を取り出し、スフィンクスに投げつけた。
御札はそのままスフィンクスに貼り付いた。
「合魔術。ヘルインフェルノ」
魔術名を唱えると同時に、スフィンクスは業火に焼かれた。
原理は簡単である。
ルーン魔術によって発生させた炎が、呪術を込めた御札によって強化されたのである。
「相変わらず容赦ないな」
「容赦する必要がないでしょう?」
「確かにそうだな」
やはり千尋は恐ろしいと、何回目かわからないが、汐里はそう思っていた。
スフィンクスの方を見ると、まだ倒れてはいなかったが、その一歩寸前まで弱っていた。
「あれを受けて即死しないとはな。流石に神獣っ
てどころか」
「ええ、神獣の名は伊達ではありませんでした
ね」
「ああ、だがこれで終わりだ。悪いがこれで眠っ
てくれ」
汐里はスフィンクスに向かって止めの矢を放った。
スフィンクスはその一撃により絶命した。
「お前もこんなところに呼び出されて迷惑だった
ろうな」
汐里はスフィンクスの亡骸を見て、そう呟いていた。
「これからどうしますか汐里?青年には逃げられ
てしまいましたが?」
「邪魔は出来たんだし、これでオーケーってこと
にするか。アイツはもう外に出たんだろ?」
「ええ、結界に反応はありません」
実を言うと、ウィザード本部には千尋お手製の結界が張ってあったのだ。
この結界は多彩な魔術を合わせて作ってあるので、気づかれにくく、更に反応が良いのである。
「さてと、他の戦場はどうなっているのか気にな
るな」
「ええ。ですが、司達がいますから大丈夫でしょ
う。私達は信じて待つだけですから」
「そうだな・・・」
ーーーーーーーーーーーー
二人が心配している新宿方面では、司に代わって神器を装備した皇気が戦闘をしていた。
戦闘とは言っても、皇気の宝具を前に敵は何も出来ずにいた。
だが、皇気も同じように敵の速さに対して攻撃手段があまりなかった。
「速すぎて魔術を当てられないな・・・さて、ど
うするか・・・」
「何だこの能力は?斬っているはずなのに斬れな
いとはな・・・」
お互いに攻め方に苦悩していた。
だが、皇気には一つだけ勝てる方法がある。
それは皇気の神器であるラーの天秤の能力である。
だが、敵は一向に魔力攻撃をしてこないのである。
「もしかしてアイツ、ラーの天秤の能力を知って
いるのか・・・?」
確証は無いが、そうとしか考えられなかった。
これまでも、何度か自分達の神器や宝具の能力を知っている敵とは戦ってきたことがある。
その経験から導き出される戦術は一つである。
「なら、魔力を使わせる状況にすればいいんだ
な」
結局は皇気も脳筋なのである。
ここの所は、やはり司達と同じなのであろう。
「神器覚醒!!」
皇気は神器覚醒をし、更に敵にプレッシャーを
かけた。
そして、更に皇気はプレッシャーをかける。
「ダークチェイサー!!」
皇気は複数の魔力弾を展開し、放った。
「その程度の魔力弾など、大したことはない」
「そうかな?これは一味違うぞ」
皇気が放った魔力弾は、これまでとは違い、敵を追尾していった。
「何だと!?だが・・・」
敵は剣に炎を纏わせ、魔力弾を凪ぎ払った。
だが、皇気は追撃を止めない。
「ブラックスピア!!」
皇気は闇の魔力で作った槍状の魔力を放った。
流石の敵も不意を突かれ、思わず氷の魔力を放って相殺させようとした。
だが、それが皇気の狙いである。
「貰った!!」
皇気は氷の魔力と闇の魔力がぶつかる瞬間だけ宝具の能力を使った。
二つの魔力は相殺されることなく、お互いに通りすぎていった。
「何!?」
闇の魔力はそのまま敵に向かっていき、氷の魔力は皇気の方へ飛んできた。
「ラーの天秤の能力・・・発動!!」
敵は闇の魔力をギリギリの位置で防ぐことができたが、皇気は氷の魔力を使い、ラーの天秤の能力を発動させていた。
「ソウルジャッジ!!」
お互いの魔力量は、神器覚醒をしている皇気の方に分があった。
「ぐあぁぁぁ!!」
敵はラーの天秤の能力により、苦しみだした。
だが、先程の魔力の大きさでは敵を倒すことは無理であった。
だが、皇気の目的は敵を倒すことではない。
時間稼ぎである。
「さてと、そろそろいいだろう。あとは頼むぞ、
司!!」
「おう!!任せておけ!!」
魔力憑依を完了させた司が、動きを止めている敵に襲いかかった。
司は容赦なく一撃を放った。
「ライトニングインパクト!!」
敵はそのまま吹っ飛ばされた。
「相変わらず容赦がないな・・・」
「ん?容赦する必要ないじゃん」
「ああ、そうだったな。お前はそういう奴だった
よ」
皇気は、司を頼もしいと思う反面、呆れてもいた。
「皇気・・・サポートは任せたぜ」
「ああ、思う存分暴れてこい」
司が攻め、皇気がサポートをする。
これは昔からやっている司達の連携である。
「ふっ、二対二というわけか・・・面白い」
敵は吹き飛ばされた場所ですでに立ち上がっていた。
「いや、二対二じゃない。一対二だ」
「何・・・?」
「残念だが、この勝負は勝たせてもらう」
「出来るものならやってみろ」
本当の最終決戦が今始まる。
つづく。
今回の解説。
皇気の宝具、悪空漆黒について補足。
悪空漆黒の能力は空間を歪めることである。
ただし、弱点があり、空間を歪めている間は、自分の攻撃もその能力の対象に入ることである。
なので、皇気が攻撃をする際は能力を発動させていないことが多い。
今回は以上です。




