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107話 奈波の決断(後編)

果たして、奈波の運命はいかに・・・

そして、次回に続く新展開!!



今日の授業も終わり、放課後になった。

司は奈波を連れて名刺に書いてある住所の場所に向かった。

目的の場所と思われる建物の前に二人は着いたが、二人の目の前には圧倒的な光景があった。


「な、何だこの大きいビルは・・・」


「ある程度予想はしていたけど、こんなに大きい

とは流石に思わなかったわ・・・」


周辺のビルよりも圧倒的に大きいビルが二人の目の前に建っていた。

二人は戸惑いながらも正面玄関から入り受付に向かった。


「何かご用でしょうか?」


二人が近づくと受付の女性が対応してくれた。

司は一瞬受付の女性に見とれてしまったが、奈波に脇腹を叩かれ正気に戻った。


「あのー、この人に用があって来たんですけ

ど・・・」


司はそう言って昨日もらった名刺を見せた。

受付の女性はその名刺を見て用件を理解したようだった。


「かしこまりました。その件については聞いてお

ります。奥のエレベーターに乗り、最上階に向

かってください」


「わ、わかりました」


緊張しながら司は奈波と共にエレベーターに向かった。

二人はエレベーターに乗るとエレベーターのボタンを見た。

すると、凄まじい光景が待っていた。


「な、何だこのボタンの数は・・・」


「私のいた事務所も大きい方だったけど、ここま

でボタンの数は多くはなかったわ・・・」


「最上階は五十階か・・・ここって芸能事務所だ

ったよな・・・」


「それだけこの事務所が凄いという訳ね」


そんな会話をした後、エレベーターのボタンを押し、五十階に向かった。

五十階にエレベーターが止まり、扉が開くと目の前には扉があるだけだった。


「しゃ、社長室だと・・・ま、まさかな・・・」


「まったく、一体どんな経緯で名刺の人と出会っ

たのよ?」


「い、色々あったんだよ」


相変わらず司はチンピラ達に絡まれていた男性を助けた事は教えていない。


「と、とりあえず入るか・・・」


司は扉をノックした。

すると部屋の中から入室の許可の声が聞こえた。


「どうぞ」


司と奈波の二人は緊張しながらも扉を開けた。

部屋の中には机が一つあり、その机には先日助けた男性が座っていた。


「本当に来てくださったんですね。嬉しいです」


「ええ・・・まぁ、来るって言ったので」


「改めて自己紹介させていただきます。私は芸能

事務所、田島プロダクション社長、田島 孝平

と申します」


孝平はとても丁寧に自己紹介をした。

それに続き司も出来る限り丁寧に自己紹介をした。


「僕の名前は立花 司です。宜しくお願いしま

す」


「立花さんですね、宜しくお願いします。では、

そちらの女性は?」


奈波には加奈子特製の認識阻害の機械を着けているので、星空 ナナミだということはバレていないのだ。

奈波はその機械のスイッチを切り、自己紹介をしようとしたが、スイッチを切った瞬間に孝平の顔色が変わった。


「あ、貴方は現在失踪中の星空 ナナミさ

ん!?」


「あ、やっぱり知ってるですね」


「私達の業界では当たり前ですよ。何て言ったっ

てトップアイドルだったんですから」


孝平は奈波を目の前にして興奮していた。

やはり奈波は芸能界で知らない人間はいないらしい。


「でもどうして星空 ナナミさんがここに?」


「それはしっかりとお話します。今日はこちらに

も用件があったので」


「わかりました。では、こちらにお座り下さい」


司と奈波は孝平に言われた通りソファーに座った。

ソファーに座った瞬間、二人は悟った。

このソファーはかなりの高級物だと・・・


「では早速先日助けていただいたお礼の話なんで

すけども・・・」


「いえいえ、別にお礼なんて要りませんよ。たま

たま通り掛かっただけですから」


「では何のご用件があるんですか?」


「実は奈波ちゃんをこの事務所で預かって欲しい

んです」


司のその発言を聞いた孝平はとても驚愕した表情をしていた。

当然である、いきなりトップアイドルを預かってくれと言われたのだから。


「それは我が事務所としても嬉しいが、ナナミさ

んの気持ちはどうなのかな?」


「それは・・・」


奈波には自信が無かったのだ。

再びステージに立つ自信が・・・


「更にはナナミさんが失踪した理由や経緯を世間

に知らせなければならない。ナナミさんならす

ぐにトップアイドルに戻れるとは思うが、険し

い道のりですよ」


「それでもです。俺は奈波ちゃんに再びステージ

に立ってもらいたい」


司の目は本気だった。

孝平も人を見る目は確かなので、司の意志の強さは理解した。

だが、問題は奈波本人なのである。


「司君、一つだけ聞いても良い?」


「ああ、何?」


「どうしてそこまで私にステージに立ってもらい

たいの?」


司は少し考えた後、素直に言った。


「俺が星空 ナナミのファンの一人であり、鈴木

奈波の友人でもあるからだ」


その言葉を聞いた奈波は驚いた表情を少ししたが、いつものクールな表情にすぐに戻った。


「わかったわ。私は再びステージに立つ・・・司

君みたいなまだ私のファンでいてくれている人

達のために・・・」


どうやら奈波の決心は固まったようだった。

後は奈波について孝平に話しておかなければならない事が何点かある。


「では田島さん、奈波ちゃんの失踪について話し

ます」


「いいんですか?秘密にしておいた方が良い話な

のでしょう?」


「いえいえ、奈波ちゃんの面倒を見てもらう以

上、話しておかなければなりませんから」


司は前に奈波が所属していた事務所の社長の事と、奈波の歌の能力について話をした。


「成る程・・・社長も失踪したのはそういう理由

ですか・・・そして星空 ナナミ改め、鈴木 奈

波さんの歌には人を癒す力があると」


「そういう事になりますね」


話を聞いて孝平は何やら少し考えた後、答えを出した。


「ならば、私が直接奈波さんのプロデュースとマ

ネージャーをしましょう」


「いいんですか!?」


司は驚いてしまった。

奈波も分かりにくいが、驚いている表情をしていた。


「本当にいいんですか・・・?」


「ええ。命の恩人に頼まれた以上は全力で奈波さ

んをサポートさせていただきます」


「ありがとうごさいます」


奈波も司と同じように深く頭を下げた。

どうやら奈波も心の中ではとても嬉しがっている様子であった。


「それじゃあこれから二人でしなければならない

お話しもあるでしょうから、僕は席を外します

ね」


「すみません。お手数かけます」


司が部屋の外に出ると同時に携帯電話が鳴った。

相手は龍だった。

龍から電話が掛かってくるとろくなことが起きないと知っていたが、出ない訳にはいかない。


「もしもし?」


「ああ、司か・・・ちょっと不味いことが起き

た」


「何だよいきなり・・・で?不味いことって?」


「ゼロの奴等が全世界のウィザードに宣戦布告を

した」


「は?」


あまりにもいきなり過ぎて司は一瞬固まってしまった。

だが、すぐに正気に戻った。


「で?状況は?」


「ウィザード中が大混乱だ。どうやら奴等は戦争

を起こしたいらしい・・・」


「わかった・・・この後俺の家に来れるか?」


「ああ、わかった。篠原と涼も連れていく」


司は集合の約束をすると、部屋に再び入り奈波と孝平に声を掛けてから家に帰った。

果たして司達はどうなるのか・・・


つづく。










今回の解説。


司の敬語能力について。


司の敬語能力は姐である千尋から教え込まれているので、そこら辺の人よりは敬語能力はある。

親しい相手への言葉遣いは酷いが、初対面の相手や目上の人にはしっかりと言葉遣いを選んでいる。

そして、敬語を使っている司を見た知り合いは揃ってこう言う。

「似合わない」と・・・


今回は以上です。


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