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9話 狂気の愛

愛って怖いね。


高校生活が始まり6月になった。

6月の始めの朝会で5月の終わりに起きた新宿の

事件の表彰が行われた。

この表彰のおかげで三人は学校中の中でも有名になった。

元々三人は美人ということもあり、学校中の男子

からも女子からも人気があった。

なので、男子の中でファンクラブができたりもした。


「師匠が全部片付けたようなものなのに、表彰さ

れるとなんか複雑ですね」


「素直に喜べませんね・・・」


「そうですね・・・」


三人は新宿での功績により、表彰されていた。


「とりあえず、師匠のところにいきましょう」


三人は今日も放課後に特訓をするために司の元に

向かう。


ーーーーーーーーーーー


「「「こんにちは」」」


三人が元気よく挨拶をすると、司から早速表彰について話してきた。


「おお、三人共きいたぜ。学校で表彰されたんだ

ろ?」


「はい・・・でもほとんど先輩が解決したので

素直に喜べないんです」


三人ともうつむいていた。

表彰は嬉しいが、喜べない気持ちの方が大きいのである。


「気にすんなよ。お前らがいなければ俺は死んで

いたんだからな」


司がその気持ちを察し、フォローをする。


「先輩・・・」


「俺はお前らが強くなっているのを知ってるから

な。自信をもてよ」


とりあえず自信が付きそうなことを言っておく。


「司さん・・・ありがとうございます」


「先輩。私頑張ります」


自信が付いたのか、元気よく返事をしてきた。


「それは、この前聞いたよ。まぁ、がんばれ」


「「「はい!!」」」


「じゃあ、始めるか特訓を」


今日もきつい特訓が始まった。


「ステラはともかく、二人共フルアーマーできる

ようになってきたな」


「二人共流石です」


ついに、ステラ以外にも全魔術武装できるようになった。

これは、とても大きな進歩だ。


「そうそう、聞き忘れてたんだけどステラの宝具

の名前ってなんなの?」


ステラの宝具の名前を聞いていなかったので、聞いてみた。


「あ、はい。名前はプロミネンスです」


「かっこいいな、オイ」


率直にでた感想だった。


「早く二人の宝具も見てみたいな」


「き、期待にこたえてみせます。先輩」


「私ならすぐに達成してみせるわ」


由井は自信なさげに、香菜美は自信満々に言った。


「よし、ならハードにしようかな?」


「「それはちょっと・・・」」


司のハードはとてもひどい。

通常の三倍にされるうえにメニューにまで追加さ

れる。

事件の後一度だけハードにされたことがあったが

三人共疲れてうごけなくなっていた。

それ以降三人はハードにされることを嫌がっている。

とりあえず今日は普通のメニューになった。


ーーーーーーーー


「さて、今日はここまでだな」


「「「ありがとうございました」」」


三人はそれぞれ違う道で帰っていく。


「さてと・・・そろそろでてきなよ」


三人が帰ったのを見送ったあと、司は突然言った。


「出てこないなら、学校に言おうかな」


そう言うと木の裏から一人の男が出てきた。


「あ、あなたは香菜美さんとどういう関係何です

か?」


「どういう関係と聞かれると・・・師弟関係?」


司は素直に言ったつもりだったが、逆鱗に触れたようだった。


「ふ、ふざけるな!!あんな男と話して楽しそうな香菜美さ

んは見たことないぞ!!」


「え・・・おまえ、もしかしてストーカー?」


「だ、黙れ!!おまえの真意は絶対あばいて

みせる!!」


そう言うと男はダッシュで去っていった。


「香菜美も大変だな・・・」


(俺がどうにかしなきゃいけないのかもな)


司もそう思いながら帰った。


ーーーーーーーーー


それから数日間。司はしっかり香菜美が家に帰る

まで後を付けるようにした。


(ふむ、今日もしっかり真っ直ぐ帰ってるな。

流石、真面目だな)


そして、ついに事件は起きた。


(お、やっとストーカー野郎のお出ましか)


あの時の男が香菜美を付けていた。


(あれは・・・古式追跡術か・・・

かなりの使い手だな・・・)


男は無駄なくストーキングしている。


「だが、ここまでだな。

おい、ストーキングはそこまでにしとけ」


「お、お前はこの前の男!!」


「香菜美が好きなのはわかるが、ストーカーは

よくないぜ」


男は一生懸命否定する。


「俺はストーカーなんてしてない!!

ただ、香菜美さんを影ながら見守っているだけ

だ!!」


「そういうのをストーカーっていうんだけどね」


すると突然、男が叫びだした。


「俺はわかったぞ!!」


「なにがだよ?」


「お前が香菜美さんの邪魔なんだ!!」


「意味不明だな」


「だまれ!!」


男は魔力で作った短剣で襲いかかってきた。


「いきなり危ないな」


だが、司も魔力剣で応戦した。


「ストーカーにしてはやるな」


「お前もな」


相当自信があるのか、司に対して強気な男だった。


「だが、ここまでだな」


しかし、実力は司の方が断然上だった。

司は男の腕をはじいて魔力剣を男の喉元に突きつけている。


「いいか?人の恋路の邪魔はしたくないが、

香菜美に迷惑をかける奴は許さないからな」


「いつ香菜美さんに迷惑をかけた!!」


「そうだな・・・まだ迷惑をかけてはいないな」


「そうだろ!!俺は迷惑をかけてはいない!!」


だが、司は殺気を込めた声で言った。


「だけどな、おまえはこれから絶対に香菜美に

迷惑をかける。

そして何よりおまえは香菜美を好きになる

資格なんてない」


その殺気に男は怯んでしまった。


「そ、そんなこと、お前がきめることじゃない!!

おまえに香菜美さんの何がわかる!!」


「少なくともお前よりはな・・・

あいつは元々落ちこぼれだったんだ。

それをあいつは努力で解決して学校で一番の強

さを手にいれたんだ。

だが、お前のやっている

ことは努力ではない、自己満足だ。

そんな自己満足している奴をあいつは絶対に

好きにならない」


「言いたいこと言いやがって」


「ああ、言わせてもらったね」


さらっとキザな台詞を司は言った。


「こんなことじゃ俺は香菜美さんをあきらめない

ぞ」


「そうか・・・なら、お前が次に香菜美に近づい

たら・・・命はないと思え」


司は本気の目でそう言った。

男はそれを感じとったのか一目散ににげていった。


「これで、解決だな」



ーーーーーーーーーー


後日、この事を朝一番に香菜美に話した。

そして、当然の反応をされた。


「師匠、あなたもストーカーですよ」


「まぁ、気にすんなよ」


香菜美は冷たい目で見てきたが、直ぐにうつむいてしまった。


「で、でも・・・あ、ありがとうございました」


「気にするな、お前は俺の・・・」


司のその言葉に香菜美は反応した。


「お、お前は俺のなんですか?」


「お前は俺の弟子だからな」


香菜美は何故か残念そうな顔をしていた。


「そ、そうですね・・・」


「まぁ、気を付けるこった」


「はい。わかりました」


今日も1日が始まる。



つづく

















今回の解説


古式追跡術について


古式追跡術は、古来から伝わる尾行の技術で、

名門の家計に代々伝えられる技術。

この追跡に気づくのは相当の実力がないと厳しい。



以上です


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