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「どうだった?」
ベリーがポムに訊いた。
「あのガキは見習いになった」
「やったじゃん」
「・・・ああ」
「浮かない顔だね。どうしたんだい?」
「あのガキ、ファウだったか?そいつの世話係に任命されちまった」
「ありゃりゃ」
「なんだって俺が世話係になるんだよ!面倒くさい!」
「まあまあ、団長に意見が通って良かったじゃないか。せいぜいファウとやらと仲良くしなよ」
「どうせ面倒を見るなら、ロファの方が良かったぜ」
「え?」
僕が聞き返すと、ポムとベリーは笑って言った。
「真っ直ぐで真剣に物事に取り組みそうだしな」
「熱意もあるし」
僕は純粋に嬉しかった。竜騎士団団員の2人にそう言ってもらえて。だから、僕は言わなかった。僕も見習いにしてほしいと。
面倒な奴と思われて嫌われたくなかったから。
もう遅いかもしれないけど。




