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ファウは高笑いしながら、去っていった。
通行人達は地面に座り込んでいる僕を避けて進んでいく。
僕は歯を食いしばりながら、立ち上がった。あんな奴が竜騎士団団員になれるなら、僕にだってなれる。そうだ!今すぐにだって!
僕はくやしさに背を押されるように竜騎士団の宿舎に向かって走り出していた。
混雑している人波をかきわけて、いつもより時間がかかってしまったが、なんとか竜騎士団の宿舎に辿り着いた。
すると、今回警備に立っているポムとベリーが声をかけてきた。
「どうした、ロファ?そんなに息を切らして」
「お祭りよりも私達に会いたかったんだよ、きっと」
ポムが訝しげに尋ねると、ベリーも笑いながら言った。