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僕は拳をギュッと握った。
「竜騎士団団員が後から来て竜のペンダントを横取りするのか?」
「人聞きが悪いな。文句があるなら、俺に売ったおじさんに言えよ。じゃあな」
ファウは手をヒラヒラ振ると、僕に背を向けた。
「ちょっと待ってよ!」
諦めきれない僕がファウの肩を掴んだ。その途端、僕は空中を一回転して地面に叩きつけられていた。
「しつこいぞ。いい加減諦めろ」
ファウはそう言って、何事もなかったように立ち去ろうとしたから、僕はその背中に向かって叫んだ。
「僕の名前はロファだ!いずれ竜騎士団団員になる者の名前だ!覚えとけ!」
僕は力一杯地面に拳を叩きつけた。